【MBTI】『地面師たち』のmbti考察(※ネタバレあり)
前2つが想像以上のいいね数だったので今回も懲りずにMBTI関連の考察をダラダラ書いていきます。
※主役の辻本とハリソンは考察が難しくめちゃくちゃ長引いてしまったので、敢えて後ろに回しています。
竹下 ENTPorESTP
最初から2択になってしまったが、まあ恐らくこのどちらかでしょう。
薬中の情報屋。ルイヴィトン‼️はアドリブらしい。
薬中だけにどこまでが素なのかわからないが、飄々として掴みどころのない感じはNe優位のENTPぽいし、喧嘩早い点や部下のオロチに対する態度はSe優位のESTPぽい。
麗子 ESTP
まさにESTP女性のお手本のような人物。
主になりすまし人物のキャスティング担当。
・強気で堂々とした態度
・アドリブへの対応力
・「殺すよ!」が口癖で喧嘩っ早い
・土壇場で川井菜摘になりすますことになり、寺の歴史を叩き込むことになった際の「歴史に興味ない」の発言
以上からS型、特にSe優位は確定。
キャスティング相手の心の機微を洞察して巧みに引き込む手腕はFi補助のようにも見えるが、ESFPにしては笑顔が少なすぎる(偏見)のでESTPで確定か。
後藤 ESTJ
法律担当。元は優秀な司法書士だったが、今はハリソン一味に。
彼はESTJかESTPかでとても悩む。
・有名な「もうええでしょう!」に見られるようにせっかちな点(これはボロが出ないために早く終わらせる目的もあるが)
・辻本との会話から、大手を騙して大金を奪い取るようなスリル(Seに繋がる)が目的ではなく、地面師詐欺をあくまで効率的に稼ぐ手段としてしか見ていない点
・金が貯まった(貯金していた)から手を引くと言っている点
・(役割としての側面もあるが)若手の司法書士に対して経験の無さで高圧的にマウントを取る点
以上からTe優位と見た。
またSi的な要素は特に拾えなかったが、「現金しか信用しない」発言は分類するならSiになるかな?
長井 ISTP
ニンベン師。主に必要書類や免許証、パスポートの偽造を担当。
彼はISTPかINTPのどちらかだろう。
常にゲームをしていて、部屋から出ず、猫好き。この両タイプのテンプレのような人間である。
上記のように精巧な偽造を生業としていることからSe補助、身に危険が及ぶ前に高跳びしたことから代替Niとして職人肌のISTPとしたが、さすがに安直すぎる気もするので要考察である。
少なくともINTPを否定できる要素はない。
ただそもそも登場シーンが少ない(´・_・`)
オロチ ESFP
竹下のパシリで雑用。中卒らしい。
コイツは満場一致でESFPだろう。
全ての言動行動が自分をESFPだと訴えかけている。
Se優位は言うまでもないし、ヤンキー気質とはいえESTP(例:麗子)のようなとっつきにくさがなく、ワンチャン仲良くなれそうな感じがする。
終盤で自分の為に容赦無く辻本を殺しに来たが、これは本来苦手な代替Teが暴発した結果だろう。
楓 ESTP
川井が入れ込んでいるホスト。辻本にハメられて以降は奴隷。
コイツもコイツでESFP説もあるが、恐らくESTP。
Se優位は言うまでもないので論点は補助機能。
Ti的な描写は皆無だが、Fi補助だったら多分辻本のケロイド(メイク)を初対面から容赦無くイジったりといったことはしないかなと判断。
オロチ(ESFP)だったら多分言わなさそう。
林 ISTP
地上げ屋のオッチャン。100億の土地をアビルホールディングスという会社に紹介し、石洋ハウスに信用させる。
彼は出番が少ないので深い考察はできないが、雰囲気的に多分ISTPだと思う。多分。
辰さん INTP
捜査二課の刑事。
飄々としていて、家族に対してさえ感情を表に出さないベテラン刑事。
まず雰囲気的にINTPかISTPのどちらかだろう。
その上で
・羽場理事官の内通に気づく
・感情を表に出すのが苦手なだけで、実は家族思い
以上から補助Ne、劣等Feと判断。
ただ、捜査過程を見ると五感情報に頼っている気もする(格闘技ネーチャンの家訪問シーンや醤油のシーン)ので補助SeでISTPのセンも捨てきれない。
そもそもこの歳だったら代替Niもある程度使えるはずだから、「羽場の内通に気づいたから補助Ne」は安直すぎるかも。
こうやって書いてたらISTP説の方が有力な気もしてきた。でもISTP多すぎるからINTPにしとくか。
倉持 ENFP
辰さんの部下。
彼女は恐らくENFPだろう。
・格闘技ネーチャン家訪問シーンの勘の良さ
・辻本の父親から思い出の場所を聞き出して自力で墓場特定
・刑事ドラマに憧れて捜査一課を志すという良い意味で子供らしい一面
などなどNe優位は揺るがない。
その上でどことなく天真爛漫な雰囲気的にENFP。
辰さんの敵討ちを志す辺りもFi補助が出ているのかも。
真木 ESTP
1話目で騙された新進気鋭の住宅会社の若手社長。
何人目かわからないが、彼もESTPだろう。
・良くも悪くもリスクを恐れない精神
・油断したところでグラドルと密会
・この塩顔浅黒短髪体育会系の雰囲気(偏見)
全ての要素からSeを感じる。まさに起業家。
個人的に「ザ・若手社長」の演技が上手すぎると思ったこの人。
でもモブなのであまり考察は伸ばしたくない。
青柳 ESTJ
100億の土地をまんまと買わされる大手石洋ハウスの部長。
もう山本耕史の顔からしてESTJ。
真田丸の石田三成役(ISTJ)もそうだが、山本耕史はSTJの役にハマり過ぎている。本人自身の性格が気になるところ。
全読者が納得すると思うが一応要素を上げると
・社内での上昇志向が死ぬほど強い
・プライドが高くパワハラ気質
・部下からは快く思われておらず、またそれに気づいてもいない
・100億の商談成立という社会的成功に性的興奮さえ覚える
・地上げ屋に当たるなど、バブル期の旧態依然とした手法に固執
・恐らくN型の須永の詐欺を怪しむ忠告に耳を貸さず、結果騙される
どこをどう見てもTe>Si>>>>>Ne>>>>>Fiである。
須永 ENTP
石洋ハウスの部長。青柳のライバル。
彼はENTPかENTJか悩むところである。
100億の土地を怪しんだり、S型の青柳と異なり会長への接し方などがどことなく垢抜けない感じがあったりと、N型は確定。
ただそもそもあまり出番がない。
ENTP的要素は
・会社外でも青柳を揶揄う
・100億の土地の土地の不審さに気づく(Ne)
ENTJ的要素は
・会長に取り入るなど出世意欲が強い
・会議で青柳の実態を追及する際の高圧的な態度
こうして見ると、プライベート時の素がENTP、会社でのペルソナがENTJのような気もするので、一応ENTPで。
川井菜摘 ISFJ
100億の土地の本来の地主。
出番は多いが、本人の性格を推理する要素はあまり無い。
要素を上げるなら
・毎日規則正しく生活サイクルが安定している(Si優位)
・普段は寺に篭りきりで人目を避ける(I型)
・ストーリー上仕方がないとはいえ、石洋ハウスの下請けが測量に来るまで地面師グループの暗躍に気がつかない(Ne劣等)
・根がお人好し(Fe補助)で、楓の手玉
彼女の性格考察の上で1番重要な要素とも言える「ストレス発散を複数プレイで行っている点」は劣等Seに繋がるが、どう見てもNJではないのでここが少し考察の余地ありといったところ。
辻本拓海 INTJ
この物語の主人公。
彼はハリソンと並んで考察が難しい。
地面師になった動機が復讐である点からFiを持っていることは確か。
ただそもそも彼は父親の自殺未遂で妻と娘を失って以来健全な状態ではないので、INTJかINFPかが本当に悩みどころ。
真正面から捉えるならINTJなのだが。
心理機能ではなく二分法的考察をすると
一見物静か(I型)
他人に対して物腰が柔らかく、愛想笑いをする場面も多い(F型)
アドリブが上手い(P型)
となる。
不健全で劣等Teが強く出てFi-Teになっていると仮定すると、一見INTJに見える点とも辻褄も合う。
また、後述するが私はハリソンはNi優位だと考察しているので、もし辻本もNi優位であればハリソンのウィスキーから人類の欲望へ繋がる抽象的な会話(これも後述)がもう少し盛り上がっても良いのではないかとも思う。
少なくともこの会話において辻本は微塵の興味も無さそうであった。
ここまで不健全INFP説を推したが、最終的に私がINTJに絞った理由は、父親自殺未遂の直後の風俗嬢のドライバーをしていた頃の様子から。
INTJが不健全になるとTeを失うので、「俺はこのまま一生日陰者で終わるつもりだった」といった発言は同じINTJとして共感する点がある。
ハリソンの見逃し提案を断って風俗嬢を助けたシーンもNi-Fi的と言える。
動機が復讐で一貫している点に関しても、INFPのFi(-Si)-Te軸よりはINTJのNi-Fi軸の方が説得力がある。
考察がブレたが、最終的にINTJ説を推す。
ハリソン山中 INFJ
説明不要の地面師グループのリーダー。
フィジカルでプリミティブでフェティッシュな人。
個人的に彼が最も考察が難しい。
まず、TwitterやTikTokなどのエンタメMBTI界隈ではENTJ説、INTJ説が主流である。
まず彼の役として
・地面師グループのリーダー
・何年も黒幕として暗躍
・リーダーシップがある
などの点から「エンタメとしてのMBTIのキャラの雰囲気」的に重なるという理由で、TikTokなどのMBTI界隈にはENTJ説やINTJ説を推す人が多いのだろう。
しかしあまりにもそれは安直すぎる。
私はどうしてもINFJにしか思えない。
まず、彼がNi優位かつSe劣等であることは疑いようがないだろう。
彼のNiが最も現れた場面は5話での辻本とのサシでの会話である。
先ほども述べたウィスキーの蘊蓄のシーンである。
彼は話が長いので要約すると
・とある高価なスコッチウィスキーがあり、世界中のウィスキーマニアがこぞって高値で買いたがる
・彼らは一体このウィスキーの何に価値を感じて高い金を投じているのか
・例えばウィスキーに自我があったとして、所詮ただそこに存在するだけのウィスキーはその希少価値を自覚しているだろうか
・土地も同じ。太古からただそこに存在するだけなのに、高値をつける人間がいる
・動物には縄張り本能があるが、土地の所有欲はない
・人間は元々本能が壊れた動物だが、その代わりに知恵がある
・知恵が文明を生み出し、所有という概念を作り出した
・人類の歴史は要するに土地の奪い合いであり、人類が所有という概念を作り出してしまったことによって、殺戮が繰り返される酷い世界になってしまった
・逆に言うと土地が存在するからこそ人間は殺し合うのであり、もしかすると土地には人間を滅ぼしたいという本能があるのかも…
といったところ。
本当に言葉に表現しづらいが、ここまでNiをビンビン感じる会話は無いだろう。
具体から抽象要素を抜き取り、それらをまとめてさらに抽象化させ、最終的に「人類は〜」とか「世界は〜」という話になるのはNi優位あるあるなのではないだろうか。
私は、「ENTJはESTJにNiを一滴垂らしたもの」と勝手に定義しているので、私の中ではこのようなNiの湖のような会話が出てくる時点でENTJのセンは無い。
そもそもハリソンの目的は金稼ぎやその他社会的影響力ではないので、どう考えてもTe優位はないだろう。
また、なりすまし役や辰さん、竹下などを殺し、それを五感全体で味わってエクスタシーを感じるのはまさに劣等Seが最悪の方向で現れていると言える。
さて、Ni優位Se劣等は確定として、残るはINTJかINFJである。
一旦、ここでINTJとINFJの違いをおさらいしておこう。
INTJの場合は代替にFiがあるため、行動を起こす際の動機は極めて個人的な、そして時に感情的なものであることが多い。
逆に、実際に行動している時の選択は補助Teなので感情を排する傾向にある。
(ただし不健全時はそこにもFiが出てきてしまう)
具体的なキャラを挙げるとコードギアスのルルーシュである。
つまり、腰を上げて立ち上がるエネルギーはFi由来、立った後歩くエネルギーはTe由来といったところ。
INFJの場合はINTJと真逆のFe-Ti軸であるため、動機の規模がとてつもなく大きくなる傾向にある。
私は過去のMBTI考察記事で「闇堕ちINFJ」なる概念を出した。
(↓記事の1番下の方にある)
具体的なキャラを挙げると呪術廻戦の夏油傑やデスノートの夜神月である(夜神月に関しては「自分の優秀さを見せつけたい」というTe的欲求も見えるのでENTJ説もあるが)。
Feは「べき論」で世界を見るため、闇堕ちした彼らはいずれも「こうあるべき世界」と現実のギャップに苦しみ、そして世界に絶望し、自分の手で世界を変えることを望む。
しかし、彼らの「こうあるべき世界」はTiが絡んでいることもあって、所詮は自分の中での真理に過ぎず、結局最終的に独りよがりになってしまう…といったキャラである。
私はハリソンはこの「闇堕ちINFJ」の中でさらに闇堕ちした「闇闇堕ちINFJ」だと思うのだ。
確かにハリソンは、夏油傑や夜神月のように「世界を変える」といった崇高な目的は持ち合わせてはいない。
彼の目的はエクスタシーを味わうことで、これは先述の通り劣等Seの最悪の形だろう。
しかし先のウィスキー蘊蓄のシーンから彼が「世界に絶望」していることは窺える。
まとめると
「ハリソンとは、Fe-Tiが捻じ曲がって世界に絶望して闇堕ちしたINFJが、さらに闇堕ちして劣等Seが牙を剥いている状態」
「動機づけは世界への絶望という闇堕ちINFJ特有の規模の大きさだが、現れる行動はさらに闇堕ちしているため劣等Se、つまり殺しを五感で味わってエクスタシー😀である」
ということだ。
ハリソンについては恐らくまだまだ考察の余地がありそうだが、私なりに出した結論は「トチ狂ったINFJ」である。