私の機械に対する考え方
※ここでいう機械は、主に人間に密着する機械を指します(例:医療機器・福祉機器など)
以前、ある機械工学の先生に教わったことがあります。
「機械は、あくまでも人としての本来の能力を奪うものであってはいけない。機械は人の能力を最大限引き出すものだ」
その時その先生は、高齢者が起き上がるときに助けてあげる機械を例に、その言葉の意味を教えてくれました。
先生「自力で起き上がる能力を10とするね。その高齢者は、筋力が衰えてきたので、起き上がる能力が4しか出せず、自力で起き上がることができないの。そこで起き上がりを助けるための機械を作ろうと思います。あなたならどうする?」
私「その高齢者が自力で起き上がることができないなら、起き上がるのを助けるために、10の能力を持った機械を作ってあげます」
先生「確かに、そういう機械があれば、その高齢者は楽に起き上がることができるね。でも、本当は、この機械はその高齢者にとって将来不安を残すことになってしまいます。」
私「え、なんでですか?」
先生「高齢者がその機械に頼ることで、その人が持っていた4の能力は使わなくなるでしょう。だって、力を出さずとも、楽に起き上がることができるもの。でも、人間というものは、能力を使わないとその能力はどんどん落ちていく。ということは、」
私・先生「「その高齢者の能力が3,2と落ちてきて、機械に頼らないと何もできなくなってしまう!」」
先生「そういうこと。」
先生「機械が人間の能力を奪ってしまうことになる。私はそれは機械としてやってはいけないことだと思っているの。だから、私なら6の能力を持った機械を作る。高齢者の人に少し頑張ってもらって、4の能力を出してくれたら起きあがれるような機械を作ります。」
先生「こうすることで、その人の筋力は維持されるし、もし鍛えられて6の能力が出せるように回復するかもしれない。ちなみに、回復したら、機械の能力はその人に合わせて4に下げていく。」
先生は、少し医療にも詳しい方だったからこそ、持っていた考え方だったのかもしれません。でも、この考え方はすごく感動して、今でも私が大事にする考え方になっています。
後日、、、
この考え方がリハビリの考え方とすごく似ていることを知って、機械とリハビリって結びつくんだ〜とさらに感動しました。。。。(そしてリハビリに興味を持ち、リハビリのことも学び始めた私でした。。。。)
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