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君たちはどう生きるか【ネタバレ感想】
この記事は映画『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。
またあくまで個人の感想です。
この作品は観た人によって感想の変わるタイプの映画だととらえています。
この記事に限らず『君たちはどう生きるか』のネタバレ記事や感想、考察はあなたの感性を意図せず偏らせる可能性があります。
読む際はご注意くださいませ。
正直、体調的な理由に加えてここのところの暑熱を考えて観に行く予定ではなかったんです。
↑こんな事情なのでおまえがどう生きるかって話しなわけですよ。
ですが公開初日に観たらしき何人かのYouTuberがこの映画をディスるタイトルをつけていたので、カッとなって公開翌日の土曜に行ってきました。
宮崎駿監督作品13本をすべて劇場で観てきたわけではないですが、私の人生上で確実に愛すべき変人のひとりではありますんで。
個人的な感想ならいいんです。
つまらないとか自分に合わない、嫌いは構わないが、他と比べるような姿勢や必要以上に個人を貶めるようなことはタイトルだけでも許せない。
それが再生数なりを稼ぐ手段と半ばわかってます。
でもYouTubeはいまやメディアだキヲツカイタマエ。
そういうのはリアルのオトモダチとの会話やオフ会でやってくれ。
という気分になったわけです。
ただ、タイトルとサムネに腹を立てたところでディスり感想動画を見る訳もないんですが、観ていない映画なので反論もできない。
ならば観にいこう、といった感じでした。
まあ、反論する気はあんまりなく、そうではない、と確認しにいった、というのが本当のところですが。
さて、ここからはネタバレが含まれます。
ご注意くださいませ。
君たちはどう生きるかを観た感想
ストーリーはシンプル。
採点をするとしたら91点
個人的に好みかというとそうでもない。
嫌いじゃないけど大好物じゃない。
大ざっぱに言えば、普通におもしろい映画だった、という感想になります。
感触として子供や子育てをしている人たちのほうが面白がるんじゃないだろうか。
わからないことをおもしろがれる感性を持つ子供たちと、そのそばにいる人たちにはもっと受け取れるものが多いんじゃないだろうか、と感じたからです。
この映画は、ストーリーに関しては主人公のセリフと行動が伴い、そうではないことは他者と映像表現であらわされているように思い返されます。
起こっている物事、あらわれるさまざまが主人公にすべて関わりがあるかのようにとらえようとするとわけがわからなくなる。
特定の仕掛けだったものが、作っているうちに変わっていった気配もあります。
各キャラクターにしてもシーンごとに役割が変わっているように感じました。
現実世界でもあるものが当初の目的と違う用途になったり、同じ人が様々なかかわりあいで色々な役割を持ったりするように。
眞人が行って帰る物語(もしくは大叔父が居て帰れない物語)以外は、
大人の都合の世界
他者の思惑の世界
誰かが生きてきた世界
今までの積み重ねの世界
もっと言えばストーリーの骨子になっている「失われたものたちの本」という小説をなぞった世界
それらはそれら。
映像的にはアニメーター宮崎駿の真骨頂の連続。
監督自身が作画をすべてしたかはわからないが(そうではないかなってシーンがけっこうあった)濃密な映像体験ができることは間違いない。
私の個人的な考えで仲間内でよく言うことですが、映画は起承転結でまとまってる必要はないと思ってます。
かならずしもきちんとはじまって終わらなくていいし、わからないことだらけでかまわない。
映像表現されたもの=観るものは目が楽しめる、目が驚くシーンが一つでもあれば観た価値があると思っています。
映像と音楽がマッチしていればなおよい。
そういう意味ではいくつもの見ごたえのあるシーンがあったので劇場に行った甲斐がありました。
たぶん私はこの映画のディスクを買います。
なめるように観たいシーンがいくつかあるから。
鑑賞後に見たお母さんYouTuberが一緒に行った子供の感想を伝えているもので「わからないからもう一度観たい」というのがあった。
なんで?を親子で楽しむにはジブリがいちばん、などと言っていた。
ま、ジブリファンのお母さんなのでヒイキは強めだったがこの感覚は海外アニメウォッチャーにも通じるところがあります。
観る前に先読みせず、観たことにエモーショナルに反応し、なぜ?なに?そのものを楽しむ。、
その正体、正解がわかる、わからないは二の次。
子供は飽きる映画とコメントで言ってる人もいましたが、わからないのがおもしろい、という子供の頃の感性を忘れているんでしょう。
わからないところは山ほどありますが難しい映画ではないです。
日本の戦中戦後がビジュアルとしてダメ、昔の日本の風習、風景が受け入れられない。
そういうことならしかたないが、なかなか観られない映像体験が後半の奇天烈なファンタジー世界ととも得られるのでわからない=つまらないと思わない人たちは観てみてもよいと思います。
主人公の眞人について。
無垢でも善でもない存在として子供が描かれていた。
主人公に感情の鬱屈やこじらせ感があったのは新鮮でした。
最後に。
私はまったくこれを宮崎駿監督最後の作品と思って観にいってませんでした。
観たあと、また作るな、と思えました。
おしまい
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