【UFC310感想戦】戦う奴は負けるかもしれない 戦わない奴は既に負けている
*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている可能性があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。
・はじめに
この記事は先日行われた「UFC310」の感想について書いた記事です。
まだ試合を見ていない方はU-NEXTで後追い放送を行っていますので、良かったら購入してみて下さい。
・UFCでもふてほど流行 世界最高峰でも大会運営は水物の巻
今年のUFCもこの「UFC310」でナンバーシリーズは最後と年の瀬を感じる季節になりました。
まぁ内容は日本の年末のようなガチとふてほどがある寄せ鍋感が強い印象でした。
元バンタム級王者アルジャメイン・スターリングvs無敗のフェザー級最強組技師エフエロフが日本ではYouTubeで見れるプレリムで観れて、UFC1勝3敗3連敗中のクロン・グレイシーがメインでやったり、そもそも朝倉海vsアレッシャンドリ・パントージャは昔のUFCならともかく今の敵国を全て倒した絶対王政を敷いた現代UFCでは到底あり得ないとんでも事件です。
ちなみにUFCの個人的ふてほどカードはジョーンズvsミオシッチですね。
ジョーンズの試合が久しぶりに見られてなおかつ相変わらずの強さで締めたのでアレでしたがファイトウィーク期間のTwitterでのほんとにやるの?マジで?みたいな異様な空気感はやけに覚えています。
閑話休題
ではなぜそんなふてほどが多発するのかはやはりファイターという超クセツヨ人達を大量に扱うわけなので、まともな大会運営にかかわる危険度はこちらの想像以上でしょう。大前提格闘技というケガの起きやすいスポーツなうえ煽り合いが黙認どころか推奨されているスポーツですので、危険度は高いどころか行う人たちがまともな方が少ないぐらいです。
事実今大会でも勝った側のシリル・ガーヌが試合中に足の指を骨折して自身の武器であるステップと蹴りがほとんど使えないまま勝ったり、コメインのシャフマト・ラフノモフに至っては試合前に靭帯を断裂しながらも無敗の強豪イアン・ギャラリーを倒しているなど、普通負けた側が言う試合後の隠していたケガ事情を何故か勝った側がするクレイジーっぷりです。
まぁでも一番クレイジーなのはこういう場所を喜々として創っているプロモーターを始めとした大会運営や、日曜日の朝一に眠い眼をこすりながら人が血を流している様子に一喜一憂しているボクら格オタなのかもしれませんね。類は友を呼ぶというかスタンド使いとスタンド使いは惹かれ合うみたいなもんでしょうきっと。
・アレッシャンドリ・パントージャvs朝倉海 〜負けたと言うことがいつか大きな財産になる~
いやぁ~、すごいもんを見させてもらいましたね。
元RIZIN王者朝倉海が段階を一気にすっ飛ばしてUFCフライ級王者アレッシャンドリ・パントージャに挑んだ世紀の一戦は、2Rパントージャのバックチョークによる一本勝ちでパントージャが3度目の防衛に成功しました。
序盤から飛び膝やボディ、スイッチからのインローなど多彩な打撃でパントージャを攻めていた朝倉でしたが、パントージャが1R後半くらいから朝倉の狙いが中間距離の打撃を撒き餌にして自分が無理やりタックルで前に出た所に対しての膝蹴りと見ぬいたことやレスリングの攻防で思ったより優位に立てなかったことで、スタンドでは無理にタックルに行かずに関節蹴りやミドルキックで出足を止めて朝倉がケージを背負ったときは相手をレスリングの攻防に集中させてテイクダウンには柔道の足払いで相手をこかすなど、UFC王者の技の多さとそれを適切に出すタイミングの良さ、何よりあの朝倉の打撃を貰っても逆に前に出る勝負根性の強さは本当にすさまじいですね。
改めて世界最強の壁の厚さと強さを目の当たりにしました。
ただ朝倉海も何もできずのあっさり負けたわけではなく、飛び込んでの左フックやノーモーションの右フック、スイッチしてサイドに移動しながらの攻撃など多彩な打撃を見せていたり、テイクダウンディフェンスに関してもパントージャとあれだけ渡り合えたのでUFCでもかなり信頼のあるスキルと言えるでしょう。
なによりパントージャの前進に合わせてのカウンターや右ストレートからのテンカオ(ムエタイで相手を掴まないで打つ膝蹴りのこと)はバツグンに刺さっていましたね。
パントージャからすれば今や同門の元谷友貴やフアン・アーチュレッタがこれ一発でKOされているのは知っているはずです。
なのにこれが2回はもろに刺さっていてさらにあの飛び膝のプレッシャーがあった中で、それでも前進を続けるパントージャは改めておそるべしですね。
そのパントージャの気になる次戦ですが、会見やインタビューではUFCフライ級で12連続防衛して今年引退した伝説の王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦状をたたきつけたり同門で自身が多大なリスペクトをしている我らが堀口恭司、さらに「UFC311」で行われるUFCバンタム級タイトルマッチの王者メラブ・ドヴァリシビリvs挑戦者ウマル・ヌルマゴメドフの結果にも興味があるなどいろいろな方向に対戦を要求しています。
こうなっている理由はシンプルにパントージャがフライ級ランカーと戦いすぎてめぼしい相手がいないからですね。元王者のブランドン・モレノや平良達郎に勝った現ランキング1位のブランドン・ロイヴァルには2回戦いどちらも勝利していますし、そもそも前戦も当時10位だったスティーブ・エルゼグというくらいフライ級は深刻なタレント不足です。
だからこそ今回のような超異例の飛び級マッチメイクが実現しましたし、言い方を変えるとそれくらいフライ級やパントージャのベルトの価値はUFCからナメられているともいえます。
露悪的な言い方をすれば他所のぽっとでの選手に取られても良いくらいのベルトと暗に言っているような試合でしたからね。そりゃあ日本が夢見たこの試合で格オタが意外にも100%は乗り切れなかったわけです。
格オタだからこそUFCのベルトは厳正な闘争の果てにある最強の証明と解釈しているので、こういう形の王座戦は特に平良達郎や他のフライ級を推している格オタからは親の力で割り込みをされたような感じで面白くはなかったはずです。ただそういうタイプの意見は少なくとも試合前は筆者のTwitterではほとんど見なかったですね。ぐっとこらえた皆様は本当に素晴らしいと思います。
ではその飛び級王座戦に敗北してしまった朝倉海の次戦ですが、ひとまずランキング14位に収まったことで次戦はおそらく程よいノーランカーで勝ち星を作るのかなぁと思います。これに関しては朝倉海陣営がどうしたいかというよりかは、UFC側が0勝の人気選手がいることがばつが悪いと思って早めに1勝をプレゼントしそうです。
最後になりますが個人的にはこの夢の世界に連れて行ってくれた朝倉海選手の挑戦は本当に素晴らしいと思いますし、試合までの間に多くの夢をその背中で観させてもらいました。今度は厳正な闘争の果てに誰にも文句を言わせない2回目を行ってほしいと心から思います。
・おわりに
今回の記事はいかがでしたでしょうか!
2024年のUFCは終わりましたが、2025年のカードが続々と発表されています。そして2025年初のナンバーシリーズである「UFC311」では前述したバンタム級タイトルマッチがコメインとなり、メインではライト級タイトルマッチで王者イスラム・マカチェフvs挑戦者アルマン・ツァルキヤンの人類最激戦区の最強決定戦が行われます。
まだまだ面白くなっていくUFCですが、是非この機会に「UFC Fight Pass」や「U-NEXT」の登録をしてみてはいかがでしょうか!皆様も登録して豊かな格闘技ライフを楽しみましょう!
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