なぜ格闘技ではトーナメントを行うのか 【MMAミリしらキット】
*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている場合があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。
➀はじめに
今年のRIZINの目玉イベントの一つであるRIZINバンタム級ジャパンGPのようにMMA、キックボクシング問わず格闘技の興行ではトーナメントというイベントスタイルを行う場合があります。その意味はWikipediaによると
「トーナメントとは、競技会で勝者や順位を決める方式。ただ一人の勝者を選ぶ・順位を決める・興行として面白いものにする等の目的の違いや、期間・場所等の制限に応じて、さまざまな方法が考案されている。」というように多数の選手を集めて1番を決める方式で日本では勝ち抜き戦をトーナメントということが多いです。また勝ち残りトーナメントの欄で詳しく書かれていますがトーナメントはギャンブル性が高い、消化試合が無いと興行的に盛り上がる要素が非常に多いためたくさんの格闘技団体でトーナメントというシステムを採用していると考えられます。
また格闘技的にはそのトーナメントで勝つことで選手に箔がつくことが多くあります。例を出すと2019年にRIZINで行われたライト級GPではアゼルバイジャンのトフィック・ムサエフ選手が優勝しましたが、これによりムサエフ選手は母国で国民的英雄となりRIZINファンからも様々な事情で約1年半試合ができていない状態ですがとても熱い支持を受けています。もちろんムサエフ選手の実力、人柄などファイターとしての魅力もたっぷりありますが、優勝したトーナメントで元UFCの超強豪やBellatorの看板選手といった選手たちを1日2試合という過酷なスケジューリングで倒したということによる箔付けによって大きく評価されているところもあります。
簡単にまとめると格闘技業界でトーナメントが行われる具体的な効果として主に大会自体の注目度を上げる、選手に箔がつくというこの2つが挙げられます。
②トーナメントが行われる理由(ポジティブ編)
ここからはトーナメントが行われる理由をポジティブ・ネガティブ・エクストラと3つの項目で解説していきます。
まずはポジティブ編ですがその理由は「同階級で非常に競った選手が多いためトーナメントという誰と戦っても盛り上がるもので一気に注目度を上げる。」です。ある階級でAとBという非常に強く実力的にも競った選手がいる場合、その2人でいきなり試合をしても盛り上がりますがその2人を含めた選手を集めてトーナメントという形にすることで、今まで戦ったことのない強者同士の戦いや新たなスターを発掘するなど色々なドラマをそのトーナメントだけで作り出すことができます。またトーナメントという一回負けたら終わりの状態なので見ているファンのボルテージもどんどん高まっていく非常に盛り上がった大会が作りやすいです。
ポジティブ編の例としては2019年からスタートしたBellatorフェザー級トーナメントです。2019年からコロナ禍による中止期間を経て2021年8月1日に決勝戦が行うこのトーナメントですが先ほどの例に当てはめて見ると、
・ある階級(フェザー級)
・AとBという非常に強く実力的にも競った選手(A・・・パトリシオ・ピットブル・フレイレ-Bellatorフェザー級&ライト級2階級王者。フェザー級では敵なしのBellatorのP4P。 B・・・AJマッキー-現Bellatorフェザー級ランキング1位。無敗の超新星で現在唯一パトリシオに対抗できるフェザー級ファイター。)
など非常に盛り上がる要素が多いトーナメントとなっております。そんな試合を含んだBellator263は8月1日の日曜日に全試合YouTubeで生放送します!午前8時からスタートでメインカードは11時を予定してますのでぜひ気になる方は見てください!
③トーナメントが行われる理由(ネガティブ編)
トーナメントが行われる理由のネガティブ編ですが個人的にはこの理由が一番開催される理由として多いと思っています。その理由はその選手が強すぎて相手がいないので挑戦者として箔をつけるためのトーナメントを行うということです。例としてはキックボクシング団体のRISEで行われたRISE DEAD OR ALIVE 2020-55㎏~那須川天心挑戦者決定トーナメント~です。皆さんご存じ那須川天心選手はキックボクシング無敗の神童と呼ばれる最強の選手ですが如何せん強すぎて相手がいなく特にコロナ禍のこの状態なため海外からも相手を呼べないため、仕方がなく日本人だけで那須川天心の相手を決めてその選手と戦わせようというトーナメントです。またトーナメント参加選手は55㎏のトップ選手ばかりですが4分の3の選手が那須川天心に倒されているという状態なためどれだけ相手がいなく苦肉の策で行われたトーナメントだったかということがわかります。
また現在RIZINで行われているRIZINバンタム級トーナメントもこの例に当てはまります。このトーナメントの開催理由はおそらく堀口恭二選手が那須川天心選手と同じく強すぎて相手が特に国内では誰もいないということだろうと考えられます。堀口恭二選手はこのトーナメント参加者を始めとした世界レベルのバンタム級ファイターを何人も倒しBellatorバンタム級のチャンピオンにも戴冠したことのある選手ですが、その強さのため国内で相手がいないため相手づくりをしなければいけない、また一度ケガで返したBellatorバンタム級のベルトを獲るために時間が必要などの理由で今回のトーナメントが開かれたと思います。
このようにトーナメントは選手へそのトーナメントを勝ったという箔付けができる機能があるので、それを利用して強すぎて相手がいない選手に対して無理やり相手を作るという効果もあります。
④トーナメントが行われる理由(エクストラ編)
トーナメントが行われる理由のエクストラ編(例外的な理由)ですが、その団体に新しく来たスター選手の注目度を利用して話題作りのためにトーナメントを行うというものです。例としてはONE Championshipでのフライ級トーナメントです。このトーナメントは元UFCフライ級絶対王者デメトリアス・ジョンソン選手(以下DJ)がONEに電撃移籍した際に行われたもので注目度もとても高いイベントとなりました。ですがこういうタイプのトーナメントは開催理由のための他団体からやってくるスター選手(UFCの元チャンピオンやそのレベルの選手)という存在が少ないのであまりないというまさに例外的な理由なのです。
⑤おわりに
今回も長々とお付き合いありがとうございます。今回の記事は投稿時間でなんとなく察せられると思いますがBellator263までに投稿したかったため、いつもよりも突貫工事気味で作っています。そのため文章での粗がある可能性がありますが、その時はコメント欄やTwitterなどで指摘いただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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