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【RIZIN.49超絶簡単解説】On The Road 誰も旅の途中 本当の自分自身出逢うため
*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている可能性があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。
➀はじめに
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この記事は「RIZIN DECADE第3部 RIZIN.49」(12月31日10:00開始予定)の全カードを簡単に解説していこうという記事です。
3大タイトルマッチを始め今年のRIZINを締めくくるにふさわしい豪華絢爛なカードが多く取り揃えてありますので、盛り上がっていきましょう!
②横内三旺vs斎藤健心
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本当にこういうカードが大晦日に組まれる現実に嬉しさしかありませんね。
個人的には競技の今の頂点を決めるのは難しいですけど不可能ではないと思うんですよ。
ただ勝負事の競技においてこういう若手の頂点を決めるカードを大舞台に持ってこれるのは(数字やお客さんの理解度etc)本当に難しいと思いますので、関係者の不断の努力に頭が下がる思いです。
横内三旺選手は7年続けた柔道のバックボーンを持つグラップラーでアマチュアではアマチュア修斗東海選手権フェザー級で優勝とDEEPフューチャーキングトーナメント2023バンタム級で準優勝と素晴らしい実績を残しています。
その圧倒的な経験値とグラップリングでRIZIN甲子園では危なげなく決勝に進出しています。
齋藤健心選手は極真空手と伝統派空手をバックボーンに持つストライカーで極真空手では世界大会を連覇した実績を持ちます。
170㎝の身長から繰り出される打撃と柔術歴1年ながら組みの攻防でもセンスを感じさせるアクションで決勝までコマを進めています。
試合展開のカギは斎藤選手が有効なカウンターを持っているかですね。
横内選手視点だと伝統派の遠い間合い+極真の蹴り+170㎝の身長という斎藤選手の距離はおそらく映像以上に遠くて長いんですよね。さらに柔道バックボーン=相手を投げるために胸をつき合わせなければいけないため、他の組み技バックボーンの選手よりも近づかなければいけないんですよね。
ただ準決勝を見る限りは横内選手は割と自分よりリーチが長い選手に対してしっかりタックルで組み付けているんですよ。
となると斎藤選手が不利になりそうですが、今までの相手と違って斎藤選手は伝統派のステップで距離を調節しやすいので横内選手のタックルに合わせて待ってましたとカウンターを合わせる…!ということをかなりの確率で狙っていると個人的には思います。
当たり前ですけど、頂点を決めるためにはそれ相応の人数が必要です。
今回のRIZIN甲子園だと16~18歳男子バンタム級に絞っても約300人越えの募集があったもんですから本当に日本のMMAは明るそうですね。
おそらく彼らが成熟して格闘技界の主役になった時に語られる伝説のような試合になってほしいと老婆心丸出しで思いますね。
③大雅vs梅野源治
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第0試合の青春感が吹っ飛んだようないかにもRIZINらしい試合が今年の大みそかの第1試合です。この”RIZINらしい”の言葉の行間にどういう意味を感じるかでこれを読んでる人のJ-MMA理解度がわかるんじゃないでしょうか。
大雅選手は元K-1スーパー・フェザー級王者、RISEスーパー・フェザー級王者と正にキックボクシングの一階級の頂点に立った選手です。
誰が相手でもアグレッシブに攻めるスタイルで現在6連勝中と非常に勢いに乗っています。
梅野源治選手はもうRIZINではおなじみの選手ですね。ムエタイ2大殿堂の1つのラジャナムダンの元ライト級王者であり、キックボクシングでもRISEの61㎏トーナメントで準優勝するなどムエタイスタイルをうまくキックボクシングに適応させた選手です。
まぁおそらく試合展開は超RIZIN.3の皇治vs芦澤竜誠の焼き直しになりそうと個人的には思っています。
具体的には勢いのある大雅選手が前に出る→首相撲が強いが打たれ弱い梅野選手が四つでダメージを与える→嫌がった大雅選手が無理やり押し倒す→グラウンドで両者決め手に欠けて時間が過ぎブレイク→スタンドで大雅選手が突っ込む…の展開がずっと続くのかなぁと思います。
キックボクサーだけではなく立ち技からMMAの転向に関してはグラップラーだと組みで圧倒される、戦績の浅い相手は見つけるのが難しいとマッチメイクのむずかしさが如実に出てしまいます。なのでこうして同系統で戦わせれば少なくとも見栄えはするという鬼畜判断でこういう試合が組まれたんだと思いますね。
ただまぁ言ってしまえば自分の強さに信頼が1ミクロンもないということを上から言外に伝えられているわけで、その空気感すら客側が察知している始末です。だからこそそんな上の思惑をブッ飛ばすくらいのスカ勝ちを見てみたいと思うのは筆者だけではないはずだと勝手に思っています。
④貴賢神vsエドポロキング
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大晦日らしい絵力のあるヘビー級の試合です。
こういうカードに関しては恐らく何回も書いてはいますが、筆者があーだこーだ書くよりも試合を見るのが本当に一番わかりやすいんですよね。100㎏越えの大男が殴り合う姿なんてそう見れませんからね。
そんなもん見慣れてるよっていう人は日本では立派な格オタか相撲部屋の女将くらいでしょうね。
貴賢神選手はスダリオ剛選手を兄に持つ元十両力士といういかついバックボーンの選手です。前戦のコーディー・ジェラベック戦で念願のRIZIN初勝利を修めました。
エドポロキング選手はナイジェリア人の父と韓国人の母から生まれたダブルで、MMAを始めてわずか2年でRIZIN大晦日出場にたどり着いたとてつもないポテンシャルの選手です。204㎝の身長と異次元のリーチから繰り出されるパワフルな打撃でRIZIN出場経験もある侍マーク・ハント選手にTKO勝利しています。
両選手とも相手を一撃で終わらせる攻撃を持っていますが、おそらくこの試合は1Rで決着がつかなかった場合かなりの地獄絵図になりそうです。
というのも両者ともにMMAの試合経験が少なく2R以降の経験はありません。
ですのでスタミナ配分に気を使ったら動きのない試合になってしまい、逆に1Rにフルスロットルで攻めても相手に凌がれたらやられてしまう…というまさに前門の虎後門の狼という状態になると思います。
ある意味会場の盛り上がりや自身の勝ち星などを天秤にかけたチキンレースみたいなもんですね。どっちが先にエンジンをかけるかが重要になってきそうです。まぁとにかくボブ・サップvs大砂嵐というRIZINが誇る名作のリバイバル上映にはなってほしくないと心の底から願います。
⑤武田光司vs新居すぐる
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格闘家という狭い業界でなおかつ年齢も階級も近いのでこういう気ごころ知れた同士の試合というのが起きるのはしょうがない部分がありますが、まさか同じ釜の飯を食った仲ではなく同じ乳を揉んだ仲なのは予想外でした。
まぁスケベ話を共有できるのは本当に仲の良い証明だと思いますがね。
武田光司選手は元DEEPライト級王者で日本人離れしたフィジカルに高校レスリング五冠という実績が示す通りの組み力の強さ、そして相手がどれだけの強敵でも臆せず立ち向かうメンタルの強さが特徴です。
前戦はラシャブアリ・シェイドゥラエフ選手に敗北してしまいましたが、まだまだ国内フェザー級では存在感のある選手です。
新居すぐる選手は元PANCRASEフェザー級王者で柔道で培った強靭なフィジカルと破壊力ある右のパンチ、そして必殺のアームロックが武器の見どころしかない選手です。またクラブセキュリティとしての顔も持っていて、それを前面に出したYouTubeチャンネルでバズっている選手でもあります。
試合展開のカギは武田選手のスタンドのプレッシャーですね。
両選手とも組み技が強い選手ですが、スタンドの特にパンチの攻防に関しては新居選手の方が分があると思います。ただ新居選手は自身の必殺であるアームロックに絶対の自信があるからこそ、スタンド→組みの攻防になると割と安易に相手に組ませる印象があります。
そうなると相手を組んで固める攻防に関しては一階級上で王者になった武田選手のレスリング力とフィジカルで一気に押し切れそうなので、武田選手としては出来るだけ早く新居選手とのスタンドの距離感を掴み主導権を握りたいではずです。ですが武田選手は似たような相手であるガジ・ラバダノフ選手に右ストレートを貰ってあわやKOというシーンがあったので、どうやって新居選手に必殺の右を出させないかのプランに注目です。
個人的には新居選手の前手に触りながら右にサークリングしてスキを見てタックルという感じだと予想します。
今回の大晦日でも屈指の渋さを放つカードですね。
ただこういう地金の強さを求められる相手にしっかり勝つことがなんだかんだ言って一番重要なのかもしれませんね。数字や派手さだけを追っても骨粗鬆症のようなスッカスカの履歴書しか書けませんからね。具体的に何とは言いませんが。
⑥矢地祐介vs桜庭大世
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遂にというかいよいよというか、格闘技界だと今までの〇〇二世をすべて吹き飛ばすくらいの存在が出てきましたね。競馬でいうところのディープインパクト→コントレイルといった感じでしょうか。わからない方は調べてみて下さい。格闘技にも負けず劣らずの重厚ストーリーが競馬にもありますので。
矢地祐介選手は今回がRIZIN20戦目というRIZINを代表する選手の1人です。キャリア初期のストライカースタイルから徐々に四つからの崩しを軸とするオールラウンダーに変化をしていき、RIZINでは現在4連勝中です。
前戦では上り調子の宇佐美正パトリック選手をベテランの技術と経験できっちり跳ね返して勝利しました。
桜庭大世選手は日本総合格闘技のパイオニア的存在である桜庭和志選手の息子です。柔道をバックボーンに持ちQUINTET(桜庭和志が主宰するグラップリングマッチ)やアマチュアK-1を経てのRIZIN参戦となります。父譲りの独創的なグラップリングでQUINTETではアテネ&北京五輪の柔道金メダリスト内柴正人選手から一本勝ちをするなど逸材感はとんでもないです。
試合展開のカギは桜庭選手の打撃で矢地選手をビビらせられるかですね。
いくら逸材感が高くても相手が百戦錬磨の矢地選手ですので普通に戦ったら圧倒的不利です。
ですので桜庭選手は自身の寝技が生かせる組みの展開に持っていきたいはずです。ただ単発のタックルや投げだと矢地選手に通じなさそうなので、マン振りでもいいから思い切り打撃を振って矢地選手に少しでもプレッシャーを与えてから組みに行きたいのではと個人的には思います。
まぁここであっさり飛びつき腕十字や打ち合いでKOしたりなんかしたら、もうお祭りどころの騒ぎじゃないですね。バケモンにもほどがあります。
個人的には桜庭選手が試合発表の際に花道をSPEEDで入場する際にきょとんとしていたファンが多くてある意味安心しました。なぜなら桜庭選手に自分のようにサクの幻影を見るファンもいれば、サクを知らない新しいファンもいるというごった煮状態こそが新旧のファンが入り乱れている素晴らしい状態といえるからだと思います。本当に良い時代になったものです。
⑦神龍誠vsホセ・トーレス
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神龍選手は現在24歳ですがこのキャリアで堀口選手や扇久保選手と言ったフライ級の世界レベルのトップコンテンダーとの試合経験があり地元で自身のジムを立ち上げ、外国人経験も豊富と下手なUFCファイターよりもいいキャリアを作ってますね。マネジメントのシュウ・ヒラタさんのプランが本当に優秀なんでしょうね。
神龍誠選手は元DEEPフライ級王者で卓越したレスリング力が武器の国内ではほぼ敵なしのトップグラップラーです。
ホセ・トーレス選手は元Titan FC二階級王者、Brave CFバンタム級王者、元UFCと強そうな空気感がとてつもない選手です。実際にBrave CF時代には現UFCフライ級3位のアミール・アルバジ選手に勝利していたりとその実力は世界レベルです。
試合展開のカギは神龍選手が組み勝てるかですね。
トーレス選手は基本的にはスタンドでプレッシャーをかけてパンチでダメージを与えて行き、そこから組んで相手を削るスタイルを5分3R続けます。イメージとしては堀口選手から蹴りとスピードを抜いてフィジカルを足した感じですね。
そういうスタイルなためスクランブルの攻防が起きるのは必至ですが、そこで重要な要素になるのが下地となるフィジカルです。
ただこのトーレス選手は普段は1階級上のバンタム級で試合をしています。おそらく体重の兼ね合いで今回フライ級(57kg)から59キロ契約となっておりますがこれが意外と勝敗を分ける要素になるのではと個人的には考えています。日本のフライ級だと抜けているフィジカルとグラップリング技術を持つ神龍選手ですが、海外のそれも実質一階級上の相手と戦うのは初めてでしょうし意外とあっさりフィジカルでゴリ押しされて負ける事も考えられます。
正直堀口選手や扇久保選手よりも相性という視点では悪いと思います。ただ神龍選手が目指してるUFCのトップ層はこういう相手がゴロゴロいる人外魔境ですので、ここは明確に神龍選手が世界規模で何処まで戦えるかの線引きとして見られるというも確かです。年男神龍誠がどうなるか要注目です。
⑧上田幹雄vsキム・テイン
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絵力強めのヘビー級2戦目です。
先程よりかはよりMMAを期待されているカードではないでしょうか。
上田幹雄選手は2019年に極真空手世界一になったとてつもない経歴を引っ提げてMMAに転向した選手です。空手で培った多彩で強烈な蹴り技が最大の特徴で、MMAだけではなくK-1にも参戦して本場のK-1ファイターにも劣らないストライキングの技術があります。
キム・テイン選手はRoad FCのライトヘビー級&ヘビー級の2冠王者です。強烈な右のパンチを武器に現在無敗で全てKO勝利中です。
試合展開のカギは上田選手がテイン選手の前進をどう止めるかですね。具体的には左のミドルです。
テイン選手は右ストレートを打つために右手を上げて脇を広げるアップライトな構えなので、右脇腹が大きく空くのが特徴です。
なので上田選手の左ミドルがうまく噛み合うと思うんですよね。相手の突進をいなしたら左ミドルでダメージを与えて、最後には左ミドルを打つと見せかけて左ハイで倒す感じです。トフイック・ムサエフvsダミアン・ブラウン見たいな試合をイメージしています。
いわば日韓両国の重量級を担う若獅子対決ですね。
日本のヘビー級といえばスダリオ選手の最近の錯乱っぷりはちょっとYAVAYですね。一緒につるんでた地元のヤンチャグループで自分だけ就職が決まってないみたいな感じです。気になる方はスダリオ 安保でXあたりで検索すると面白いです。
⑨福田龍彌vs芦澤竜誠
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すごいカードが決まりましたね。
芦澤選手の幻想がパンパンの間にド派手なカードを作って、尚且つ内容がまだギリギリ「いや、それは絶対勝てないよ!」とはXに書き込めない位の塩梅にマッチメイクの妙を感じます。何よりこれを受けた福田選手がカッコ良すぎですね。
福田龍彌選手は元修斗フライ級王者で現DEEPフライ級とバンタム級の二階級王者と日本軽量級トップクラスの選手です。特に打撃の当て感と破壊力が凄まじくDEEPバンタム級タイトルマッチではRIZINバンタム級GPベスト4の瀧澤選手を1発で仕留めました。
芦澤龍誠選手はその独特のキャラクターと確かな実力で新生K-1で活躍し20203年にRIZINに電撃参戦しました。その年の年末にMMAデビューを果たし前戦では元パンクラス王者の昇侍選手相手に自身の打撃をMMAに落とし込んで圧勝しました。
試合展開のカギは芦澤選手のスタイルの完成度です。
福田選手も芦澤選手も基本的には相手の打撃が当たらず自分の打撃だけが当たる”際”から打撃を当てて倒すスタイルです。ただ相違点として福田選手は経験による組み技能力があり、芦澤選手には組み際の膝があります。
基本的にMMAは組み技=レスリングが強い方が試合の主導権を握れます。(相手の方が打撃が強い場合組んでグラウンドに移行できるため)
なのでこの試合の主導権は福田選手が実質的に握っているわけですが、芦澤選手が勝つにはその状況を覆すくらいのスタイルの強さが無いと難しいと思います。その練度が浅かったら太田忍戦の繰り返しですが、もしこちら側の想像以上だったらもうそりゃあもう今年の大晦日でもとびっきりのアップセットになるでしょう。
2人とも令和にそぐわないというよりかは令和に向いていないような空気感を感じます。外連味というか華というか現代人が忘れた何かを持っている2人のような気がします。ちなみに筆者のこの2人の解釈は傾奇者です。
⑩YA-MANvsカルシャガ・ダウトベック
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元キックボクサーのビックマッチが続きますね。
実際優れたストライカーは興行を組む側だと重宝しやすいと思います。打撃で相手をド派手に倒すのとグラップラーに寝かされるかどうかという、わかりやすく大きな見どころを存在だけで提示できますからね。この試合は前者の方です。
YA-MAN選手はRISEを主戦場にしていた元キックボクサーで足を止めての打ち合い上等のスタイルが特徴です。前戦の怪物くんこと鈴木博昭戦ではキックボクシングの実績では上の鈴木選手相手に打ち合いでド派手に仕留めました。
カルシャガ・ダウトベック選手は「RIZIN.13」で朝倉未来選手に敗北してから7連勝中と勢いに乗っている選手です。前戦では木下カラテ選手を1R1分48秒でのワンパンチKOで沈め連勝数を7に伸ばしました。
零距離での打ち合いがしたいYA-MAN選手と遠距離から飛び込んでパンチを当てたいダウトベック選手だと、お互い相手にプレッシャーをかけてロープを背負わせている状況の方が何かと都合がいいです。
なので重要なのはそれまでの布石です。
ダウトベック選手はその破壊力あふれる左ストレートが注目されますが、その前段階に当たる打撃の散らしと距離感覚も一級品です。具体的には左ハイや左ミドル、左のボディなどで上下の打ち分けと相手との距離感をインプットして飛び込みからの左ストレートや右フックで仕留めるという二段階の攻めを行います。
ではそれと比較するとYA-MAN選手の場合は打ち合いに注目されがちですが、近づく際には左腕のガードを下げて右ストレート→左フックやカーフキック、左フックを振りながら近づいて四つでヒジや膝で削るなど、打ち合いまでのプロセスが丁寧に編み込まれています。
なのでこの試合はシンプルに左の攻撃がテンポよくあたってきたらダウトベック選手有利だし、四つの攻防の頻度が高くなったらYA-MAN選手有利という見方ですね。そして決着は少なくともKO必至でしょう。
ダウトベック選手としてはRIZIN復活後ずっと中堅層と試合をしてスカ勝ちを繰り返しているので、そろそろタイトルに絡むような相手と見たいですね。個人的にはケラモフ選手希望です。
逆にYA-MAN選手は値千金のチャンスをつかみましたね。シェイドゥラエフ選手やコレスニック選手のような他の強豪外国人選手よりは組みの攻防が起きる確率が一番低いダウトベック選手と戦えるのは流石ですね。東海大学工学部建築学科で培った建築によるリスクヘッジが上手いでしょうね。
⑪久保優太vsラシャブアリ・シェイドゥラエフ
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さっきの話でいうところのグラップラーに寝かされるかどうかの攻防が見どころの試合です。正直次期フェザー級王者挑戦者決定戦みたいな空気が漂ってきてますが、個人的に異論は全くないです。どっちの選手にもロマンがあるのがいいですね。
久保優太選手は元K-1ウェルター級王者でMMA転向してからは紆余曲折ありながらもその類まれなる分析力とストライキング能力で徐々にレベルアップをしていき、前戦では元RIZIN王者斎藤裕選手に衝撃的なKO勝利をしました。
ラシャブアリ・シェイドゥラエフ選手はキルギス出身の選手で12戦12勝全試合フィニッシュ勝利という驚異的なレコードを持っています。ムサエフ選手やケラモフ選手のようなフック系のストレートからバックボーンのレスリングとフィジカルを活かしたパワー全開の組み技が特徴の選手です。
前戦では元Bellator&RIZIN王者のフアン・アーチュレッタ選手を計量オーバーした状態で組み伏せて一本を獲るという恐ろしいほどの強さを見せました。
わかりやすい打vs投の試合です。
おそらく久保選手は斎藤裕戦で行ったように自身の打撃で相手に接近させない空間=制空権を形成してそこから打撃で削っていくプランだと思います。
具体的には関節蹴りと首相撲だと思います。
久保選手が得意としているミドルキックは特に喧嘩四つだと定石的には有効なのですが、相手があのシェイドゥラエフ選手だと逆にキャッチされて組まれるリスクが高いです。なので相手にキャッチされにくく距離を作りやすい関節蹴りで距離を作るのかぁと思います。
また首相撲は勢い良くパンチを振ってきてその勢いのまま相手の脇を差すことの多いシェイドゥラエフ選手には、距離を取ったり打撃でダメージを与える際の重要な要素です。久保選手はこの首相撲は多用して試合を組み立てるんじゃあないでしょうか。
ただどう予想を組み立ててもシェイドゥラエフ選手に組まれたら圧倒的に不利なのは事実です。どこまで行ってもこの試合は久保選手は一回も組まれずにシェイドゥラエフ選手に攻撃をしなければいけないというわけなのです。
個人的今大会の裏メインです。
やはりMMAというのはこういう幻想同士を剥がしあうのを見るのがいっちばん面白いんですからね。結局こういう骨子の太いガチが一番生き残るんでしょう。雷神番外地ならぬ雷神ガチですね。
⑫元谷友貴vs秋元強真
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秋元選手はRIZINからの愛とも取れる暴力的な大会連続出場を見事に突破して幻想MAXで時期挑戦者決定戦まで行った事は凄いですし、そんな勝ってもそこまでメリットは無く負けた時のデメリットがデカい秋元選手を待っていればタイトルマッチが出来そうな元谷選手が受けるのもまた凄いです。
元谷友貴選手は2015年の「SARABAの宴」からRIZINで計20戦しているとてつもない選手です。代名詞と言える独創的なグラップリングに近年は手数と首相撲の強さを前面に出すスタイルで勝ち星が安定してきたイメージです。前戦では依然戦った太田忍選手により実力をはっきりさせる形で快勝しました。
秋元強真選手はまだ若干18歳ながらJTT期待のホープとして注目されている選手で、シャープな打撃とノーモーションの左ストレートが武器です。前戦では階級を1つあげてフェザー級でキックボクシングの王者だった怪物くん相手にスタンドで圧倒してより幻想を膨らませました。
試合展開のカギは元谷選手のスタンドの防御力ですね。
全局面穴がないオールラウンダーの元谷選手ですがRIZINでの瀧澤戦やDEEPの平松翔戦など自分よりリーチの長いストライカーは苦手としている傾向があります。その理由は元谷選手の構えです。元谷選手は相手の動きを見るためにノーガードの構えを多用します。またガードを上げてもガッチリ固めるのでは無く自分の両手を軽く上げて、そこから下げるフェイントも使います。それによって顔の周りに大きなスペースが生まれるんですよね。そこを元谷選手と対戦するリーチの長いストライカーは組まれない距離から一方的に攻撃できるので、苦手傾向にあるのではとおもいます。
そして今回の相手の秋元選手はその条件に合致しながら元キックボクシング王者の怪物くんを圧倒するストライキングの実力を持っているとてつもない選手です。ですが組みに関しては元谷選手の方が一日の長がありますので、問題はどうやって組める距離に近づくかという事ですね。ATTがどういうプランを持ってくるか楽しみです。
今回の裏メインその2です。
これで春先に予定されているバンタム級タイトルマッチの相手が決定しますが、RIZINの事なのでちゃぶ台返しになる可能性は全然あります。そうなった時にRIZINがどういう魔球を投げるのか楽しみですね。個人的には堀口恭司vs秋元強真のスペシャルマッチ辺りを予想します。
⑬伊澤星花vsルシア・アプデルガリム
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本来だったらRENA選手とのタイトルマッチだったのですが、RENA選手の怪我で流れてしまいました。代打の選手でこういう外国人のキックボクサーを当てるという事は明確な伊澤選手のRENA選手対策を見れるという事なので、個人的にはそれはそれで悪くねぇなって感じです。
伊澤星花選手はキャリア無敗の現RIZINスーパー・アトム級女王です。レスリングと柔道のバックボーンを活かした組み技の強さが特徴です。前戦では浅倉カンナ選手に右の蹴りとパンチを駆使してスタンドでも優位に試合を進めました。
ルシア・アプデルガリム選手はMMA戦績は2勝3敗ながらキックボクシング戦績10勝2敗で当時無敗のぱんちゃん璃奈選手に勝利しているなど、打撃では光るものがあります。
正直試合展開のカギも何もなく、あっさり伊澤選手が圧倒すると思います。特に相手が戦績の浅い元キックボクサーという事で、不用意にミドルキックを打ってそれを伊澤選手がキャッチしてあっさり一本を取る画が見えますね。
結果がどうであれ、RENA選手とはここで戦うべきでしたね。伊澤選手最大の問題である強過ぎて相手がいないため、大体の試合がストーリーが続かない圧勝劇になるため次のカードへつながりません。
そのためこんだけ強いのですが伊澤選手が客の印象に残りにくいんですよね。ある意味想像の域を出ないというか毎回圧勝が分かっているから同じ画が続いてしまうんですよね。
それに危機感を感じたのか最近の伊澤選手はRENA選手に積極的に話題に出し、RENA選手もそれに乗る良い塩梅のトラッシュトークで盛り上がって来ました。そこでこの欠場なので流石にガツンと言いたくなりますわな。
次にこのカードが組まれた時の大会のカードには要注目ですね。その内容次第でRIZINが伊澤選手をどれだけ信頼しているかの期待値がおおよそ分かりますからね。
⑭ホベルト・サトシ・ソウザvsヴガール・ケラモフ
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階級越境のタイトルマッチは他のタイトルマッチよりもお祭り感がすごい気がします。別ジャンルの人たちとの合同誌作成といった感じですね。
ホベルト・サトシ・ソウザ選手は現RIZINライト級王者でボンサイ柔術黒帯の異次元の決め力で現在王座を3度防衛しています。
前戦では4連勝中の挑戦者ルイス・グスタボ選手をわずか21秒でパンチでKO勝利して、打撃でも隙がないオールラウンダーになってきました。
ヴガール・ケラモフ選手は元RIZINフェザー級王者で圧倒的なパワーとレスリングで相手を圧倒するスタイルでRIZINでは現在6勝2敗です。
前戦では約一年振りの復帰戦として摩嶋一整選手を右オーバーハンドフック1発で仕留めました。
階級の垣根を超えた王者vs元王者の試合ですが、正直サトシ選手ガン有利だと個人的には思います。
ケラモフ選手のスタイルの中軸はあのフィジカルとレスリングです。あの組み力があるからこそ、対戦相手がレスリングに意識を持って行かれてパンチに被弾したり、無理矢理組んでもフィジカルの強さで強引に一本を獲ることが出来ます。
ただサトシ選手は言ってしまえばケラモフ選手のスタイルを1階級上で行なっている訳なんですよね。あのサトシ選手がレスリングの展開が弱い訳ないですのでこの時点でケラモフ選手視点ではかなり厳しいはずです。
また最近のサトシ選手はそのリーチと組み技に行っても勝てる力があるため思い切りの良い打撃を振るうので、スタンドで1発というのもかなりしんどそうです。
おそらく本来はムサエフ選手とのタイトルマッチだったんでしょうがPFLとの契約問題が主だと思いますがバラしとなり、今回のケラモフ選手との越境タイトルマッチになったんだなと思います。
まぁ正直サトシ選手の相手不足問題は前戦のグスタボ戦でまたはっきりしてしまったので、今回は現実を隠す予期せぬ隠れ蓑になったのではないでしょうか。次のサトシ選手の防衛戦の相手を当てるのは今年の有馬記念より難しそうですね。
⑮堀口恭司vsエンガジムーロー・ズールー
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意外にも堀口選手がRIZINのベルトを防衛するのは初めてだそうです。まあ業界問わずどこの団体もそうですが王者をノンタイトルマッチで試合させたりは珍しくはないですね。おそらく大人の事情というやつですので黙ってみるのが吉です。
堀口恭司選手は現RIZINフライ級王者であり元RIZINバンタム級王者、元Bellatorバンタム王者を始めここでは書ききれないほどの偉業を成し遂げた選手です。伝統派空手仕込みの鋭い飛び込みとATTで鍛えたレスリングの2本の軸があることが特徴で打倒極全局面隙が無い選手と言えます。
エンカジムーロ・ズールー選手はアフリカ最大のMMA団体のEFCでフライ級とバンタム級の2階級制覇を達成した選手です。またバックボーンが極真空手だったり扇久保博正選手と共に「TUF.24」に参加したりと日本とも縁がある選手です。
ただ流石に堀口選手有利の見方は覆しずらいですね。少なくとも組みの展開は堀口選手圧倒的有利でしょう。不安なのはズールー選手のハイテンポ&ノンストップの蹴りが飛んでくる打撃の展開ですが、金太郎戦で見せたあのリカバリー能力を考えると一発ポカンと当たっても問題はなさそうだと個人的には思います。
2025年には念願のフライ級GPが開催予定です。
今回の神龍誠vsホセ・トーレスや「RIZIN LANDMARK.10」で行われた実質のフライ級GP0回戦突破選手など注目存在が多くて今から楽しみです。個人的実現して欲しい夢のカードは扇久保博正vs福田龍彌です。
⑯鈴木千裕vsクレベル・コイケ
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このタイトルマッチがRIZIN10周年を〆るというのは、本当にRIZIN内のストーリーがきちんと回っていることの証明のような気がします。RIZINで血を流して強さを証明した2人がここでまた交わるのは素直に激アツです。
鈴木千尋選手は現RIZINフェザー級&現KNOCK OUT BLACKスーパーライト級王者のMMAとキックボクシングの二刀流の選手です。ファイトスタイルは前い重心の構えで左のジャブと前蹴り、三日月蹴りで間合いを整え必殺の左フック&右ストレートの必殺コンボで倒します。
クレベル・コイケ選手は元RIZINフェザー級王者、元KSWフェザー級王者というとんでもない実績の選手です。どんな猛者をも極め切る圧倒的な柔術の実力が最大の特徴で、その力は現在までキャリア40戦を超えていますがそのフィニッシュ率は驚異の93%ととてつもない数字がそのやばさの一端を表しています。
試合展開のカギはどっちが自分の必殺技を当てるかですね。具体的には鈴木選手は右ストレートでクレベル選手は自分からタックルや引き込んでの寝技です。
そこで重要なのは最近のクレベル選手のファイトスタイルの変化です。
以前は蹴りで相手との距離感を探りガードを固めながら無理矢理組むというスタイルでした。このスタイルでRIZINで王者になったのですが、パトリシオ・"ピットブル"・フレイレ選手のような世界トップレベルや金原選手のような自分の組みに対応できる選手には敗北しています。
そこでATT修行などを経てスタイルを変化させてきました。明確なのは構えと組む前の前準備です。
構えは少し前重心で左足を前に出したレスリング系の構えです。これにより以前よりパンチの攻防に強くなったりタックルに行きやすいです。またそれにやり以前は蹴りだけでしたがパンチやタックルを組む前に振ることで、組む前段階で相手を削ることが出来ました。斎藤裕戦でもスタンドで斎藤選手と五部以上に戦えた事で、あのタックルに繋がったと思います。
ただこのスタイルは以前鈴木選手と戦った時よりパンチの被弾確率は高いですし、鈴木選手は金原正徳戦でそういうスタイルに対してパンチで完璧な勝利をしました。
それはクレベル選手陣営も知っているのでどういうスタイルで戦うか注目ですね。
ただ何処までいっても組んだらクレベル選手有利です。ただ鈴木選手の打撃はそういう不可能を可能にしてきましたので、どちらにBETしても面白そうです。個人的には勝ちの確率が高いのはクレベル選手で勝ちの目を引きやすいのは鈴木選手のような気がします。
RIZINが10周年というのも、立ち上げから見てる筆者からしては感慨深いものがあります。
ただあくまでこれは先の10年でまだ旅の途中です。次のDECADEまで幾度の試練が降りかかると思いますが、何度でも立ち上がりまた旅を続けましょう。
⑰おわりに
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