「やめたい」その心境から脱却するには対話と感謝の時間が必要
こんにちは。私は50歳で教員を辞め、現在はWebライターとして活動している54歳の主婦です。このnoteでは、50代の女性教員の方々に向けて、私の経験を基にお伝えしたいことを綴っています。少しでも参考になれば幸いです。
私は40代前後になり、私は教員を辞めたいと思い始めました。それは単なる仕事の問題ではなく、私自身の問題、生活環境や家族との関係性が大きく影響していました。
今回は以下の流れで、辞めたいと思い始めたころの心境と、対話や感謝する時間を持つことの大切さについてお伝えします。
なぜ辞めたいと思ったのか
結婚、出産、子育て、さらには義父母との同居など、私の人生には多くの変化が訪れました。それらは単なる出来事ではなく、私と他者との関係性を複雑にし、悩みを増やしました。その中で、教員として働き続けることは非常に困難で、精神的な強さが求められたのだと思います。
まずは義父母と離れたいという欲求が募り、彼らとの同居を解消する決断をしました。しかし、その後も「教員を辞めたい」という気持ちは薄れるどころか、さらに強くなったように思います。
家事と子育て、仕事を両立するのは、私にとって実は非常に苦しいことだったかもしれません。単純に「家にいたい」という気持ちが強かったのでしょう。辞めることでしか苦しみから解放されないと感じていました。
しかし、”夫の収入だけでは教育費や生活費などすべてまかなえるほどのゆとりはなくなる”といった不安があったのも事実。それが、辞めたいと思って10年以上続けた主な理由です。
自分自身で消化しきれない闇を抱えたまま教員を続けたー。
しかも、仕事に手抜きをすることはあまりなかったー。
この状況が10年続けば、心も体も疲れるはずですよね。
"人間をやめたかった"
私はおとといの学生さんとのインタビューのあと、夫に次のことをたずねました。「私は40歳前後から、辞めたい辞めたいって思い始めたけど、それって、本当は何が理由だったのかな」
夫は、しばらく考え、そうして言葉を選びながら次のように答えました。
「う~ん、たぶん 先生辞めたいというより、人間をやめたいといった感じだったと思う…」
正直、夫からそのような言葉が発せられるとは想像していませんでした。辞めたいのは「もう疲れ果てて家にいたい」と思っていただけでもなかった…。
私は夫の言葉を否定できませんでした。当時の気持ちは私だけでなく、夫にとっても辛いものだったと思います。なぜなら当時、私と義母との折り合いが悪く、別居しても心の奥で「結婚しなかったほうがよかったかもしれない」「もっと違う人生を歩めたかもしれない」と思っていたのは否定できないためです。夫婦関係も決して良いものではありませんでした。
夫婦関係が完全に崩壊せず今に至るのは、唯一子どもの存在があったからです。そして、喧嘩しても、それでも対話の時間をもったことが大きかったー。なんとかそこで私たち夫婦はつながっていたのだと思います。それでも個人としては、やはり辛いものでした。
人間をやめたい、か…。
私にとって、教員を辞めたいという気持ちと人間を辞めたいという感情はつながっていたのだと気づきました。それは複雑でありながら、本質的にはシンプルなもの(非常に重いものですけど)。
私はそうした気持ちを覆い隠すように、子どもや夫、友人とつながり続け、そうして、教員としてなんとか頑張り、新たな道を探ろうとしていたんですね。その当時からしっかりと専門家に相談したほうがよかったかもしれません。
10年以上抱えた闇
私はその後も10年以上、心のどこかに闇を抱えながら生きてきました。教員として働き続けた背景には、子どもの成長や家族の支えがあったからこそです。そして最終的には教務として職務内容が変わり、自分の能力や性格に合わないと感じるようになりました。
そのとき、夫が「もう休みなよ」と言ってくれたことが、退職への大きな一歩となりました。あれほど、夫に対して辛く当たり続けていた私です。その私を夫は支えてくれました。休職や退職という決断にいたるまで、その前後も、その後もとにかく、私は夫に頼りぱなしでした。
「夫婦であってよかった、私にはこの人だったんだな」と思えるようになれたのは、教育現場から離れて辞めてからというのも皮肉ですが…。ただ、私にとっての本当の幸せとは、これだと気づかされたのも事実です。教員を続けられたのも、辞める決断を後押ししてくれたのも、そしてこうして生きていられるのも家族の存在があってこそ。そして、辞める前も今も変わらず私を支えてくれる友人たちの存在も大きいものです。
私自身をやめなくてよかった
今振り返ると、私は人間をやめる一歩手前で踏みとどまっていたようです。当時の思考は自分の悩みだけにフォーカスしており、そこから抜け出すのに50代までかかりました。それは情けない話ですが、気づけたことは大きな収穫です。
これからは、夫をはじめとした家族や友人たちに感謝の気持ちをもっと伝えていきたいと思います。そして、多くの悩める先生方に伝えたいのは、一人で悩みを抱え込まず、誰かに相談する、対話することの大切さです。
また、日々の生活の中で「感謝の時間」を持つことも大切です。たとえば、ご飯を食べられること、支えてくれる人がいること、自然への感謝など、小さなことで構いません。小さくもそのすべてが大切な存在。実は、私がこれまで生きてきたなかで、最も足りなかった部分です。毎日しっかりと感謝の時間を習慣にすべきだったと反省しています。
悩みそのものでなく、感謝できることに目を向けること。そうすると心が少しずつ解放され、柔らかくなっていくと信じています。
まとめ:対話、感謝する時間の大切さ
教員を辞めたいという気持ちを一人で抱え込みすぎず、一度すべてから解放される時間を作り、感謝の気持ちを持ってみるー。
解放される時間は人それぞれ。自然散策したりジョギングしたりするのも良いでしょう。誰かに話をとことん聞いてもらうのでも構いません。
そして、対話の時間は自己の気づきのほか、他者から自分の価値を教えてもらえる機会となります。
加えて、感謝の時間を設定すること。この習慣が、心を軽くし、人生を前向きにする大きな一歩といえるのでは、と感じています。
ネガティブな感情を洗い流して「ありがたい」と感じるための方法として、ヨガや瞑想、六方拝など様々な方法が考えられます。自分に合う方法を見つけて、夜寝る前や朝起きた後など、やりやすい時間を選びましょう。私もこれから夜寝る前に感謝の時間を設定しようと思います。
今回もここまで読んでくださり、ありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。次回もどうぞお楽しみに。