薄野小噺 #65 (全てではないが)北海道民にとって雪というものは呪詛の言葉を吐きたくなるほど嫌な存在というお話。
路面店にとって冬は地獄の始まり。
北海道において『冬』というものは雪が降らない県の方からすると憧れであり、積もっている時期を一度は見たい。
そんな話をメディアなどで『北海道といえば冬だよね』なんてことを見聞きすることがありますし、観光雑誌などでも特集を組まれるほどなのでウリの一つということは事実です。
それに、
観光客が増えるこの時期は、ワタクシが一日の半分以上を過ごすススキノにとっても頑張り時で売り上げに繋がればいいな、そんなことを思ってます。
確かに、商売的には良いこともありますが北海道民にとって冬、そして雪というものは一般家庭に落とし込むと
親の仇の次に憎いモノ。
なぜなら『除雪』という余計な作業が増えるからですね。
寒い、というだけならまだ我慢できます。
なぜなら、暖房を炊くなり厚着をすれば寒さはしのげるわけですからね。
しかしながら、
積もった雪というものは少しの移動も困難になることがあるため除けることが必要、ということになるわけですなぁ。
ホント、雪が忖度して山間部にだけ降ってくれたらどれほど良いか、そんな空絵事を考えてしまうくらい厄介な存在なんですよね。
……さて、
ワタクシの店は路地裏にある路面店。
とはいえ目の前の歩道は私有地、いわゆるひとつの私道なんですよ。
そうなると何が問題なのか、それは
公の除雪が入らない。
公道ならばロードヒーティングが入っていたりするものですが、私道ともなるとそうはいきません。
店前の除雪は完全に
人力。
吹雪で外が阿鼻叫喚の地獄絵図になっていようとも、お客さんがいつ来ても良いように入り口は常に綺麗にしておかないといけないわけですよ。
しかも大荒れの天気の時は営業時間中に3~4回、ってこともあるんですよね。
とまぁ、
長々と語ってきましたが、北海道民にとっての『雪』というものは大敵ですが、道外からのお客さんにはそんなこと気にせず楽しんでいただけたらと思います。
あ、
余談ですが除雪を生業としている方から話を聞く機会があったのですが、雪予報を見ると
『空からカネが降ってくるな』
って思うって言ってましたよ。
北海道とはいえ、立場によって雪の捉え方が違うんだなぁと思いました。