薄野小噺 #39 業者になると女性のすっぴんを見られる街、ススキノ。
ワタクシの勤める酒屋は個人商店なので、主な配達先は営業面積が8坪~12坪くらいの個人経営の飲食店でございます。
その中でもスナックと呼ばれる営業形態の店が大体8割でしてね、その日の営業を始めるのが大体20時くらいなんですね。
そんなわけで、それ以前の時間のことをウチでは
早い時間。
と、呼んでおります。
酒屋は酒屋で前日の不足分をてんてこまいで定位置に置いたり並べたり、早い時間から営業している居酒屋の配達に追われております。
一方、
スナックではママさん達の戦闘準備が着々とおこなわれておるわけですよ。
彼女たちはススキノ界隈に点在する美容院で髪をセットしたり、着物の着付けをしたり、前日に減った商品の発注をして、開店の準備を整えます。
なので、
配達中、色々な光景を目にします。
美容院が入っているビルでエレベーター待ちをしていると、
「あら酒屋さん、おはよ」
みたいな感じで声をかけられ振り向くと、いつも和服でビシっと決めているママさんがボサボサ頭でGパントレーナーに身を包んでおったりするわけですよ。
ススキノの住人になりたての頃、ワタクシが見てはいけないものを見てしまったような微妙な表情をしていると
「あぁ、普段と違うからびっくりした? どうせここ(美容院)で全部セットしちゃうから来るときはこんな感じよ」
笑いながら言ってくれたりしましてね。
まぁ、色々あってワタクシも酒屋歴足掛け10年、道端で会ったママさん達がどんな格好をしていても全く気にもとめなくなりました。
あと、
そうですね、ママさんの中には店に来てから化粧をする方も珍しくありません。
配達に行ってドアを開けたらすっぴんだったというのもちょいちょい目撃します。
一般的に、
女性はすっぴんを見られたくないものだという認識なので、こちらとしては少々バツが悪く思えるのですが、当の本人は全く気にしていないんですよね。
営業中に配達に行った時と同じ反応なので、こちらももう気にしなくなりましたよ。
まぁ、
ワタクシの見ている範囲の話になりますが、ススキノの住人はオンとオフは一般的な認識とはちょっと違うのかもしれませんね、という
そんなお話。
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