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薄野小噺 #71 ご時世もあってか安易に儲かる話に安易に乗る飲食店オーナーが微量ですが増えてきてると体感したって話。

ネットワークビジネス? いやいや、ネズミ講でしょ。

世の中には『絶対儲かる』という文句を掲げ、怪しげな商売をする輩がいらっしゃいます。
まぁ、それもまた一つのカネを稼ぐ方法として確立はされておるわけですし、グレーとはいえ合法なのですが、大体は良く聞いてみると理論はガバガバな上、到底儲かるとは思えないビジネススタイルなんですよね。

と、

ワタクシ、個人事業主になってから複数回、知り合いのママさんから明らかに怪しげなビジネススタイルなのですが『マスターもやりなよ!』みたいな勧誘を受けたことがあります。
分別のある大人ならば少しなりとも理論的なものを構築すれば、おかしいことはわかるようなことですが、相手の話が巧いのか本気で

儲かる!

と、信じさせて洗脳してしまうため厄介なんですよね。
これが勧誘してきた相手がタダの顔見知りくらいの立場なのであればバッサリ断って縁を切ってしまえばハイ終わり! なのですが、飲食店を経営していると

飲みに来た上で勧誘される。

基本、相手が法律上合法とされているものを信じていることに対し、無下に否定はしないというスタンスをとっているワタクシの性格上、いくら騙されているとわかっていてもウンウンと肯定しつつ話を聞くことしか出来ないわけですよ。
そうなると、やんわり嫌がっている空気感を出していても洗脳されてしまっている人だからですかね、やんわりと『やりたくない』という意思表示を示しても

微塵も気付かないのですわ。

『否定しないのは肯定している証拠』というマニュアルがあるのか『一度説明会に来てよ、来るべきだ、来ないなんてありえない!』的な感じで詰められてしまうわけですね。

そうなると、

ワタクシが『わかりました行きますね』という態度を見せる(とはいえ絶対行かない)を見せない限り一歩も引かない、なんてことはザラですよ。

いやほんと、

ネズミ講の洗脳技術とは百戦錬磨のママさんやマスターですらコロっと騙してしまうのが恐ろしいところですわ。
正直、その会話技術の1%でもモノに出来ているのであれば、ワタクシの店は地道に頑張らなくても繁盛店になるんじゃないかと思い、多少なりとも羨ましくも思えるわけですよ。

それをふまえて、

昨今のコロナ禍もあってか、今まで堅実な経営をしていたオーナーさん達が、怪しいビジネスに手を染め始めたということを微量ですが増えたかもなぁと感じることがあります。

それは、

酒屋の配達時に勧誘を受けたからです。
本来ならある程度時間を取って洗脳しないと成り立たないネットワーク……いやもといネズミ講ですが、納品時にも話を振ってくるという事態がありましてね、しょうがないので話は一通り聞きましたが心の中で

……イヤイヤイヤ、無理筋でしょ。

なんて思うような小学生でも賢い子なら理解できるであろう理論は破綻している話の内容でしたが、当のオーナーさんは本気で儲かると思っているわけなのでタチが悪い。
とはいえ立場上、アルバイトとはいえ酒屋の看板を背負っているため無下にもできないんですよ。

それもあって、

断ることを前提とつつ、ワタクシの対応としては腫れ物に触らないように触らないように、やんわりと交わして事なきを得ることが出来ましたが、納品を終え、そそくさと店を後にするワタクシに吐き捨てるように

『こんな儲かる話を蹴るなんて勿体ない』

と、呟いたのを聞き逃しておりません。
まぁ、その飲食店のオーナーとは長い付き合いですし、件のこと以外は悪い印象を持っていないため早いこと目が覚めることを心底願っております。
ホント、コロナウイルスってのは肺炎の重たいヤツで死に至るともい言われる怖い疫病ですが、それ以上に

人の心も蝕むヤバい病気なんだな。

なんてことを再確認した事例ですね。
ホント、絶対儲かるビジネスというものは存在しません。
てか、そんなものがあるのであれば世には広めず独り占めして公表するわけないじゃないですか。
世間的に日本の経済は厳しい状態は続いておりますが、くれぐれも

甘い勧誘には引っかかってはいけませんよ。

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