わたしの山小屋生活
さて、ご無沙汰しております。
ざっと2年ぶりくらいです。お久しぶり、note.
再開して間が空いて、また再開して。
でも、記録しておきたいことがまた増えたので残しておくことにしよう。
間があいているあいだ、また私の移動生活に変革が起きまくっておりました。最後の投稿は2021年の冬。それからの2年間、夏は北アルプスの山小屋で2シーズン、北海道の農家でひと夏を越しました。
まずは、山小屋のことからサックと書いていこうかな。
山小屋生活
わたしが夏の2シーズン生活していたのは、長野は上高地、嘉門次小屋という古くからある山小屋でした。
山小屋といっても、登山客というよりもほぼ観光のお客さんがメインの山小屋である。
山小屋というと標高1000なんぼ、私たちの暮らす地上の遥か上を想像しがちだが、嘉門次小屋はバスターミナルから小一時間散策すればたどり着けるところ。
第二の実家と呼べるくらい、
生活しているのか仕事をしているのかわからなくなるくらい、家族感満載でした。
朝、夜はスタッフみんなで同じ釜の飯を食べ、夕食後は囲炉裏に移動し、携帯をいじるのではなく皆で酒を交わし、山の歌を唄い、楽器を演奏し、
まるで50年前の生活をしているかのようでありました。
囲炉裏はいいもんですよ~。
なんてったて、火を眺めながら皆が心をさらけ出せる場所であります。
大半は自己満な会話、時には愚痴。
“山小屋”という浮世離れしているところに働きに来る人って一風変わっているひとが多いの。こだわりや個性が強い。
どんな生活してきてたの!!?そんな人生を送ってきている人、初めて会った!! って方が多いです。
まぁそれは山小屋というところに働きにいってみてのお楽しみですね。
嘉門次小屋の名物はゴンゴン焚いてる囲炉裏でじっくり焼き上げるイワナの塩焼き。
これがまたうんまいのよ。
特に山を登ってきたときにはもぉ~。染みるっていったらありゃしない。
休日は近辺のお山登り。
春は残雪の涸沢へ上り、バックカントリースノーボード。
北アルプスの山たちは山が壮大でとっても気持ちがいい!
夏にかけては夏山登山も本格化
上高地周辺は3000メートル級の山に囲まれているのでとてもスリリングなお山も沢山いる。
それでも私のお気に入りのお山たち
焼岳、霞沢岳、明神岳
お山のお話はまた後で。
わたしらの生活
6時始業。
日中は観光で来ているお客さん向けに食堂営業。
晴れている日は屋根に上って布団干し。
夜は山から下りてきた人たちへの宿泊対応。
労働時間は優に14時間は超えるし疲れることも多かったけれど、苦痛ではなかった。
目の前に堂々とそびえたつ明神岳におはようとあいさつを交わし、人間への対応に疲れ、小屋の周りにたむろするサルたちを追い払い、
夜は囲炉裏で団欒する。
時には早朝まで飲み明かし、また始業。
何度も人間が嫌いになったことあったけれども、なんとも人間的な生活を送っていました。
早朝の囲炉裏から眺める木漏れ日。
梓川の純粋な水のいろ。
ずる賢いサルはわたしら小屋番の敵であるので追い払い業務。
近辺の山を眺め、明神池で心の浄化。
全てに生命を感じる生活でありました。
今や観光地化してしまった上高地に少し寂しさを感じるけれども、でもやっぱり、わたしは上高地が大好きです。
思い返すと、おとぎ話の世界に潜り込んでいたみたいな感覚になるけど、
わたしが山と生活していたのは事実で、いつまでもわたしの故郷でいてくれると感じている。
上高地は本当に素敵なところです。
みんな、一生に1度、いや、何度でも行ってください。
Hina
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