失恋ソングの効能

最近ふと、自分の趣味の1つが「失恋ソングを聴くこと」であると気づいた。
ここには、その時々の自分の恋愛事情は一切関係ない。
失恋ソングでしか得られない養分のようなものがあり、ただ定期的にそれを摂取したくなる、そんな感じだと思う。


好きな点をいくつか挙げてみた。

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①心理描写が豊かで儚い
完全な主観だが、心理描写が豊かで、そこに1つの物語が成立していることが多いと思う。その深さこそ、私が考える失恋ソングの魅力である。
(「エモい」という感情、これかも。)
それ故に、歌詞解釈を調べてみたりするのも楽しみ方の1つだと思う。

②落ち込む気持ちに寄り添ってくれること
これも超個人的な話になってしまうが、私は悲しいことがあると、1回とことん落ち込みたいタイプである。
空元気で失敗するよりも、一度浸って完全修復した状態で浮上を待つのが性に合っているのだ。
そんなとき、「悲しい」という感情にひたすらに寄り添ってくれるような失恋ソングを多用することが多い。(その悲しい出来事が恋愛に全く関係ないものだとしても。)

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今回は、そんな「失恋ソングオタク」の私が厳選したおすすめ曲や好きな歌詞をゆっくり紹介していきたい。

①楓(スピッツ)

言わずと知れた名曲中の名曲。
この曲を一言で表すと「儚さ」。「風が吹いて飛ばされそうな…」という表現が歌詞中にあるが、もうこの曲の存在自体がまさにそんな感じ!マサムネさんのサビの高音も、その歌詞も、もうとにかくその全てが儚い。


「さよなら 君の声を 抱いて歩いていく
ああ 僕のままで どこまで届くだろう」

んーもう本当に切ない。
タイトルは「楓」だが、個人的には冬に聴きたくなる。

この曲には思い出があって(脱線タイム)
中学生のとき、当時飼っていた猫が亡くなってしまった。その時期に上白石萌歌ちゃんがこの曲を歌うCMがよく流れていたので、私にとっては当時の気持ちを思い出すトリガーなのだ。
部活の帰りの車の中で、母とこの「君の声」という歌詞を猫の鳴き声に重ねたなあ、と。

時間が経って、母がこの話を覚えていないことも少し寂しかったり切なかったり。

この時点で私にとって失恋ソングではないのだけれど。

思い出深い大好きな曲である。

②あの子コンプレックス(=LOVE)

アイドル曲だといって決して侮って欲しくない。
全編すべて比喩と言えるほど、心理を描写する表現が非常に巧みで、聴き流すには勿体ない良曲である。
作詞のさっしーは大天才といえる。

中でも私が関心したのが(何様なのか)、

「乾いた切ない胸に
あなたは少し水を足す」


という部分。

一見するとなんのこっちゃって感じで、サラりと聴き流してしまいそう。

ただ、この一言で、
* 乾いている=満たされない、都合よく扱われてる?
直接的な名言はせずとも、主人公と好きな人の関係性が見えてくる。

さらに、ポイントは
「少し」水を足すという部分。

動物でも植物でも、全く水がないカラカラの状態では生きられない。いっそ一切の水を与えず、放っておいてくれたら自然と消えていくのに。

ただ、この主人公の好きな人はそこに「少しだけ」水を与えるのである。(水=優しさ?甘い言葉?なのか)

このたった2行から、満たされもせず、かといって離れることも出来ず苦しむ主人公の心情や、ずるい男性の像が浮かんで来る。
聴き流してしまえそうな1片からも、物語が見えるところがまさに失恋ソングの良さだと思う。

私はこの考察を発売当時、高校生のときにYouTubeのコメント欄で見つけて非常に感服した。(自分で考えたものじゃないんかい)。
何度でも言うがさっしー大天才である。

他にも、さっしー作詞のイコラブ曲は「ラストノートしか知らない」
(ラストノート(香水の最後の香り)しか知らない=夜にしか会ってもらえない女の子の歌)
など、言葉の比喩表現が非常に巧みなのでぜひ聴いてみてほしい。


脱線に脱線を重ねるが、この曲のMV、
私の推し、齊藤なぎささん(元=LOVEメンバー)のビジュアルが本当に強い。

うん。まつ毛バチバチ。可愛い。

楽しくなってきたのでおすすめ曲②をやります。一旦この回はここで締めたいと思う。

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