ネギを刻む。
先程の記事を読んで下さった方がいましたら、ありがとうございます。
今はもう大丈夫です。
さて、タイトルの「ねぎを刻む」は私の好きな江國香織さんの短編集「つめたいよるに」の中に収録されています。
孤独がおしよせるのは、街灯がまるくあかりをおとす夜のホームに降りた瞬間だったりする。
三ヶ月に一度くらい、そういう夜がやってくる。会社でトラブルがあったわけでも、恋人とぎくしゃくしているわけでもないのにそれは本当に唐突に降って湧くのだ。こっちがすっかり忘れていても、ちゃんと律儀に降ってわく。
仕事から帰り、アパートについて、身に付けているものをすべてはずし、床に倒れこんだ彼女。ゴロゴロしても手足をバタバタしても孤独は減らない。
誰かと話そうと電話をかけるも誰かと話せば話すだけ孤独になるのもいやというほど知っている。
家族や恋人をもっと愛していればいいのに…。
でもどうしてこんなにいやなんだろう。一人のほうがまだましだ。
こういう夜は、ねぎを刻むことにしている。こまかく、こまかく、本当にこまかく。そうすれば、いくら泣いても自分を見失わずにすむのだ。
一心不乱に、まるでお祈りか何かのように。誰かに叱られたら改心できるのだろうか。私は改心したいのだろうか。なにを、どんなふうに。
私は特に孤独があったわけじゃないけど、今日は一心不乱にネギを刻んだ。
何かにお祈りするように。
自分自身への雑念を払うように。
心を整えるために。
こまかく、こまかく、たくさん。
そして冷凍保存へ…(笑)
なんなら生姜も刻みました(笑)
何かに集中してると色んな嫌なことを忘れられる気がします。
そんな時いつもこの話を思い出します。
何度も読み返す大好きな一冊。
他にも素敵な作品がたくさん。
(わたしは「デューク」も好きです)