妻が描いた素人イラストのTシャツを着用する、プロイラストレーターの夫
自分の描いたイラストがとても自分好みだったので、グッズにすることにした。YES,自分大好き!!!
SUZURIというサービスを使うと、自分のイラストがあっという間にTシャツやコップになる。
面白がって自分のイラストをTシャツにしてみたら、これまた大変具合が良い。なので、大きいサイズを自分で発注&届いたTシャツを夫にプレゼントしてみた。
「これ、私のイラストのTシャツをあげるよ。ぜひ、寝間着に」
ちょっとドキドキ緊張しつつ、夫にわたす。すると、Tシャツを受け取った途端に夫がキャピキャピと喜び始めた。
「わー!これは良いものだね!ありがとう!」
夫はウフフウフフと笑いながら、そそくさと私のイラストが描かれたTシャツに着替えて絵を描き始めた。(夫はフリーのイラストレーター。仕事場は自宅)
本当に有り難い夫である。こんな素人絵のTシャツを、こんなに喜んで受け取ってくれる人が果たして世界で何人いるだろうか?多分、いない。
この人と一緒に暮らすという選択をした自分を、大いに褒めつつ眠りについた。
そこまで喜ぶのは予想外
翌日、夫は久しぶりに自宅以外の職場で仕事をするため、早朝に家を出ていった。
私のイラストが描かれたTシャツを着て。
そのことに私が気づいたのは、自宅に帰ってきた夫の服を見た時だった。
「あれ?!私のイラストTシャツ、着て行ってるじゃん!?」
「うん。良いでしょ?(満足げ)」
「いや、寝間着にどうぞ、って言ったのに!」
「だって、良いTシャツなんだもん。職場の人にも『このイラスト、妻が描いたんです』って言ってきたよ!」
「なんで、わざわざ言うの?!」
「嬉しかったから(ニコニコ)」
「ググググ・・・・」
プロのイラストレーターである夫が、ここまで喜んでくれたのなら文句を言うのは罰当たりだ、ということは分かっている。
ただ、問題が一点。
その日、夫が私のTシャツを見せびらかした職場は、私の職場でもあるのだ。
常勤ではないから時折しか行かないものの、それでもちょっと気恥ずかしいというか、気まずいというか。
とは言え、喜んでもらえて正直嬉しいので大目に見よう。
今も夫は、私のイラストTシャツを着て、せっせと絵を描き続けている。
そのうち、夫のイラストもTシャツにしよう。
私が夫のイラストTシャツを着て、夫が私のイラストTシャツを着るのだ。
とんだバカップルで気恥ずかしいが、初めて会う人には誰がTシャツをデザインしたかなんて知る由もないだろう。
当人たちが幸せなのだから、それで良いのだ。