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夫と初めて食事したときのことが忘れたくても忘れられない
夫と初めて出会ったのは大学生のころ。
そのころの夫は、
・無精髭にボサボサの髪
・黄色い細身のセルフレームの眼鏡(老眼鏡みたいなデザイン)
・痩せ型
・眼光鋭どい
・口数少ない
そんな青年だった。なんとはなしに、話しかけにくかった記憶がある。
そんな夫と紆余曲折あって、同じサークルに所属することになったのだが、初めて二人っきりで学食に行ったときのことが忘れられない。
注文した食事のトレーを受け取り、互いに向かい合って食事をしながら、会話も少ないなか、夫がおもむろに言い放った。
「歯に青のりがついてるよ」
皆さん、想像してみてください。
まだあまり親しくない、少し話しかけにくい雰囲気の相手と二人きりで初めて食事してて、世間話もそこそこにいきなり歯に青のりがついている、と指摘されたらどんな気持ちになるか?
しかも、指摘してきた相手が笑顔もなく至極真顔で指摘してきたとしたら?指摘された自分が人見知りだったとしたら?
そりゃ、もういたたまれない気持ちでした。いたたまれなさ1000%でした。
という話を夫にしてみた。
「覚えてる?」
「言われて思い出したよ」
「あの時、どんな気持ちだったの?」
「いやぁ、彼は彼なりにね、悩んでたんだと思いますよ。」
「なんで、当時の自分のことを『彼』って言うの?」
「でも、悩んだ上でこれは言った方が良い!ってなって言ったんですよね。その間、0.2秒くらいですけども」
「悩む時間、短くない?」
「で、言ったあとも後悔してたね。あぁ、ぶっきらぼうな言い方になっちゃったなー、って」
言った方も意外と思い悩んでいた
なんでも聞いてみないと分からないものである。夫も夫なりに色々と考えていたようだ。
こちらの質問に一切答えないのが少し気にはなるが、当時のことが分かってスッキリして良かった。
あと、ここからは勝手な推察になるが、夫の見た目に関するこだわりの無さも影響しているような気がする。だから、逡巡する時間が0.2秒と短かったのではないだろうか?なにせ普段から、私が髪を切ろうがメイクをしようが、あまり興味がない。
多少は気にしてくれ!と思う時もあるが、私は外見に対するコンプレックスが強いので、夫のこの性質にはずいぶん救われている。
そんなわけで、夫と初めて食事したときのことは忘れたくても忘れられない思い出なのだ。