人が多くても平気な妻 と 人がいなくても人酔いする夫
皆さんは、人混みを歩くのは平気だろうか?
私は、へっちゃら派だ。多少ゴミゴミしていても、平気で歩いていける。目的が明確な場合は、長距離でも歩ける。
AMAZONが普及する前は、推しのCDを探し求めて何件もCDショップをハシゴしたものだ。なかなか手に入らなかったんだよなぁ、ポポロクロイス物語のヴォーカル・コレクション(遠い目)
かたや、夫は人混みが苦手だ。
人の多い街中などに出かけた日には、プシューーーー!と空気の漏れる音が聴こえてきそうなくらい、あからさまにシオシオになる。
どうやら、彼は人酔いするらしい。
「人酔い」を知らなかった
それまで、周囲にそういった人がいなかったので、夫と出かけるようになるまで私は「人酔い」という言葉を知らなかった。
なので付き合い始めた頃は、デートへ出かけるたびに口数が減り、なんならしょっちゅうアクビをする夫に対して「私といるのが、ツマラナイの?!」とイラついてしまったりした。
申し訳ないことをしたものだ。
当時の夫は自分でも何故そうなるのか、よく分かってなかった。だが、人混みが駄目と分かってからは、静かで人の少ない場所へ出かけるようにしている。
・・・・・・のに、夫が人酔いしてしまった時があった。
人の少ない閑静なお寺なのに、なんで?
その日は、夫と二人でとあるお寺を訪れていた。参拝者はそれほど多くなく最初は順調だったのだが、とあるポイントで夫が呟いた。
「ごめん。一回、外に出て休憩しても良い?」
「良いけど、どうしたの?」
「人酔いしたっぽい」
「人酔い??」
周囲を見渡すが、参拝客は私達を含めて数組ほどしかいない。
「そんな人酔いするほど、お客さんいないけど?」
「人酔いっていうか・・・仏酔いしたっぽい」
「ん????仏酔い????」
言われて横を見ると、そこには大量の仏様が並んでいた。
そう。何を隠そう、私達がその日に訪れたのは京都の三十三間堂というお寺だったのだ!(正確には仏堂)
京都「三十三間堂」は、ほの暗い本堂内に整然と並んだ1,000体の千手観音像が黄金色に輝き、その幻想的な雰囲気が大人気のお寺。
是非、WEBサイトの写真をご覧いただきたい。
とにかく、凄い数の千手観音像なのだ!写真で見ても「うわぁ」と思うくらいの圧がある。
結果、夫は仏酔い、という聞いたことのない症状を引き起こしてしまい、外でグッタリと休憩することになったのだった。
※ちなみに三十三間堂は、本当に素晴らしいので機会があれば是非。風神・雷神像もあるのですが、これまたかっこよくて眼福です。
横にいる夫に、当時のことを聞いてみるとしっかり覚えていた。
「人は混み合ってなかったんだけどね、仏様が混み合ってた」
仏様が混み合っていた、もあんまり聞いたことの無い文章だ。
暇をつぶすのは人間だけ、なんて言葉を聞いたことがあるが、夫と暮らしていると新しい刺激が色々とあるので、おおいに暇をつぶして生きていけそうだ。
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