第2080回 考古学の中の鳥 ⑴
①https://buhitter.com/search?q=%E8%80%83%E5%8F%A4%E5%AD%A6&offset=40&order=2より引用の考古学の中の鳥のイラスト
2021年5月に淡路島で国宝級の銅鐸が発見されて話題になり、鳥が描かれていることがあるので、その点でも注目されます。考古学者によると、縄文時代の遺跡からは鳥の骨がたくさん出土するものの、弥生時代になると骨が少なくなる一方、鳥を描いた銅鐸や土器が多くなるそうです。縄文時代には食糧でしかなかった鳥が、稲作が始まった弥生時代には何かの象徴として儀礼的に扱われるようになったからといいます。これまでに発見された約500点の銅鐸のうち、約20点に鳥が描かれていて、特徴はクチバシや首、脚が長いことで、サギやコウノトリではないかと推測されています。それを裏づけるように、大阪府の池島・福万寺遺跡の水田跡に鳥の足跡が残っていて、それがコウノトリのものであることが判明しています。
②https://blog.goo.ne.jp/fineblue7966/e/d91213998eff849e3eadf077132db917より引用の奈良市の若草山の「鶯塚古墳」
古墳
1. 死者の魂を永遠に和ませる役割
2. 前方後円墳の形は飛んでいる鳥を上から見た姿
3. 丸い部分が体、尾の部分が撥型。
4. 奈良県奈良市の鶯塚古墳は前方後円墳(②の写真)
5. 仁徳天皇陵古墳は大阪府堺市百舌鳥にある
「丁酉に、始めて陵を築く。是の日に、鹿有りて、忽に野の中より起りて、走りて、役民の中に入りて仆れ死ぬ。・・・其の痍を探む。即ち百舌鳥、耳より出でて飛び去りぬ」
6. ヤマトタケルの御陵は愛知県名古屋市「白鳥御陵」
③https://www.city.fujiidera.lg.jp/soshiki/kyoikuiinkai/bunkazaihogo/fuziiderasinositeibunnkazai/kunifusiteibunkazai/1387763015724.htmlより引用の大阪府藤井寺市城山古墳の水鳥形埴輪
埴輪
1. 畿内(京都に近い国々。 山城・大和・河内・和泉・摂津の五か国)から各地に広がった
2. 実物の鳥を見ながら作るのではなく、ほかの埴輪を見て作る。そのため、写実性はだんだん失われていく。
3. 円筒形の台の上に胴体を乗せる作り方。
❶ 鶏 約290 ❷ 水鳥 約110 ❸ 鵜 約10
❹ 鷹 数対 ❺ 鶴か鷺 数対
❶ 鶏→4世紀前半からみられる。
耳を表す粘土円板を貼り付け、目のきかない夜にそばだてる耳を強調。闇にまぎれて近づく敵の気配に気づくと鳴いて邪を退散させ、光を呼ぶ。
❷-1. 水鳥形埴輪(③の写真)
大阪府藤井寺市津堂城山古墳 4世紀後半
コハクチョウ 高さ1m以上のものも(最古、最大)
水鳥形埴輪は、中九州~北関東の59か所の遺跡から99体が出土 6世紀に多い
広い濠を渡る死者に付き添えるのは、水鳥だけ。無事、墳丘にたどり着くまで見届けてくれる。
❷-2. 鳥形埴輪
古墳時代には飼育された鶏、鵜、鷹。
野鳥の水鳥が多く出土。
❸ 鵜飼い
古墳時代には首に紐の付いた埴輪があり、飼育されていた。(5世紀)
紐には鈴を付け、葬礼に列している。
(縄文時代には鵜は食糧)
❹ 鷹狩り
権力者の象徴
尾には鈴が付けられ、鷹の行方を音で知る(5世紀)
④-1.https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/492121より引用の双鳳環頭柄頭(群馬県出土 古墳時代・6~7世紀 金銅製)
④-2.https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/148618より引用の金銅灌頂幡(片岡御祖命施入 法隆寺献納)
太刀(④-1.の写真)
❶ 銀象嵌銘大刀(熊本県) 鵜
5世紀後半~6世紀初め
❷ 双鳳環頭柄頭(古墳時代後期) 双鳥文
幡(④-2.の写真)
● 灌頂幡(古墳時代終末期) 双鳥文
⑤-1.https://www.yoshinogari.jp/ym/episode05/rites_1.htmlより引用の大阪府和泉市池上曽根遺跡出土の鳥形の木製品
⑤-2.https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0036970より引用の東京国立博物館の鳥形の土製品
鳥形木製品(⑤-1.の写真)
❶ 葬送儀礼 死者の霊を天空に運ぶ
❷ 愛知県 本川遺跡 古墳と関係ない窪地で発見。集落の境界を守る鳥か。
❸ 韓国では、村の守り神「長柱(チャンスン)」は、男女二柱が村の入り口に立てられ、一本の棹を立ててその上に木製の鳥を付ける。
鳥形土製品
縄文時代は、イノシシ形土製品に比べ、はるかに少ない。
弥生土器
鳥はシカに次いで二番目に多い。
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