第1158回 鳥の舌と味覚
①https://www.google.co.jp/amp/fotrog.seesaa.net/article/473677691.html%3famp=1より引用のアオサギの長い舌
鳥の舌とネットで検索しますと、野鳥の部類では①の写真の大きなアオサギがぞろぞろ現れます。なるほど身体も大きい分、舌も長いです。舌は人でも鳥でも味覚を味わう身体の一部です。②のイラストは味を感じるための味蕾です。鳥の味蕾は必ずしも舌にあるのではなく、クチバシとか、呑み込んだ食べ物が喉に向かうとき口内で最初に接する箇所に存在したりします。鳥の味覚は人間と同じように、塩味、酸味、苦味、甘味に反応します。旨味に反応するかどうかは不明だそうです。
②https://note.com/hiho2351/n/nc4c4afc247adより引用の味蕾のイラスト
鳥が味覚を感じるとき、人でもそうですが、鼻が重要な役割を果たしているといいます。現に人が鼻を摘んでものを食べても美味しいかどうかわからないと思います。これは鼻の臭覚が味覚に影響しているからです。鳥は臭覚が鋭くなくむしろ反応は鈍いです。そんな臭覚を持つ鳥に味覚があり、美味しいの判断は難しいとは思います。人は美味しいか、そうでないかで食べ物を判断しますが、鳥には味覚は存在していても、旨味を感知することは臭覚が鈍いため旨味はないようです。
③https://hirahaku.jp/hakubutsukan_archive/seibutsu/00000059/62.htmlより引用のメジロの舌のイラスト
春になると、何処からともなく、メジロがやってきます。この頃はもう繁殖相手と一緒につがいとしてやってきます。向かう先は民家の椿の木や梅の木です。これらの花の蜜を吸いにやってくるのです。そして桜の季節ともなりますと、スズメに混じって蜜を漁りにきます。③のイラストはメジロの舌の構造を示しています。先が二つに分かれて、また分かれた先がまた分かれています。まるで筆の先みたいな、この舌の先で花によっては奥の方にある蜜を筆の先に締め込ませ吸います。
④https://jp.123rf.com/photo_11799682_彼のくちばしを開くと舌を示す鷲のクローズ-アップ.htmlより引用のイヌワシの舌
では猛禽類や肉食の野鳥はどうなんでしょう。捕獲した獲物を鉤状のクチバシで、喰いちぎり食べる鷲鷹やフクロウの仲間にモズやカワセミの仲間。これらの鳥類は、人と違い塩味や旨味を必要とせず、ただ苦味は毒という本能から、吐き出してしまいます。ということは、猛禽類は苦味をわかっています。大型の鳥類に入るアオサギなどの仲間は獲物を丸呑みします。味覚はあまり発達しておらず、口蓋や喉の基部などに味覚細胞があるので、餌を飲み込んでいる途中で味を感じます。
⑤http://okazaki8020.sakura.ne.jp/omosiro/kutibasi/kutibasi.htmlより引用のキツツキの舌
この⑤のイラストはキツツキの舌のイメージしているのですが、もう味覚があるなしではなく、長い舌を道具にして、幹の中にいる虫の幼虫を、舌の先端に後ろ向きのトゲがあり、表面は粘着性がある舌で、捕獲するのです。キツツキの仲間のアリスイは体長約17㌢に対して、舌の長さは伸ばせば20㌢にもなります。ハチドリの舌は蜜を吸い易くするため、ストロー状になっていたり、キジ の仲間のツカツクリの舌は、土中に産み落とした卵の孵化状況を調べる為に温度計の役割をします。