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第1209回 野鳥の枕詞 ⑴

①https://hiyokoyarou.com/tag/寝る/より引用のイラスト

②https://www.google.co.jp/amp/s/asitahuku.exblog.jp/amp/10043234/より引用の葦鴨(ヨシガモ)の群れ

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    )  ⑴  枕詞  朝鳥の(あさとりの)  被枕  音のみ泣く(ねのみ被枕)  (朝の鳥は盛んに鳴くので)
❶  朝鳥の音のみし泣かむ妹子に今また更に逢ふよしを無み
(朝鳥が鳴く声のように、毎朝泣くのだろう。我妻に今またもう一度逢うすべもない) 高橋朝臣
   ⑵  枕詞  あしひきの  被枕  山鳥 (山に関係した言葉にかかる)
❶  あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む
(山鳥の尾の、長く垂れ下がった尾のように長い夜を独り淋しく寝ることだろうか)  柿本人麻呂
❷  足引の山ほゝぎす里なれて たそがれどきになのりすらしも  今昔物語
  ⑶  枕詞  葦鴨の(あしがもの)  被枕  うちむれ  鴨の群棲する習性から「うちむれ」
❶  あしがもの うち群れてこそ 我は来にけり
(葦辺で群れる鴨のように、群れて私たちは来た) 
土佐日記
   ⑷  枕詞  葦鶴の(あしたづの)  被枕  音に泣く(ねになく) たづたづし  葦辺に棲む鶴は高い声で繰り返し鳴くことがある。
❶  住江のまつほど久になりぬれば あしたづのねになかぬ日はなし  (住江の松ほど、逢えず久しくなったので、葦鶴の声に、根で泣かぬ日はないことよ)  古今和歌集
   ⑸  枕詞  あぢさはふ  被枕  目(め)  『あぢ』はトモエガモ  味澤相 目者非不飽 携 不問事毛 苦勞有来
❶  あぢさはふ まはあかざらね たづさはり こととはなくも くるしくありけり  詠人知らず

③https://www.google.co.jp/amp/s/ha128256ak.exblog.jp/amp/23706908/より引用のイカルコイカルの群れ集まり

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   あ〜う)  ⑹  枕詞  あぢむらの  被枕  とをよる さわく かよい  トモエガモの群れのようにの意で
❶  あぢ群のとをよる海に船浮けて 白玉採ると人に知らゆな  万葉集
   ⑺  枕詞  天飛ぶや(あまとぶや)  被枕 1.  雁(かり)  雁は天高く飛ぶ鳥であるから。
❶  天飛ぶや雁を使ひに得てしかも 奈良の都に言告げやらむ  万葉集
  被枕2.  鳥(とり)  鳥は天を飛ぶものであるから。
❶  天飛ぶや鳥にもがもや都まで 送りまをして飛び帰るもの  万葉集
   ⑻  枕詞  斑鳩の  被枕  因可(よるか)  イカルが寄り集まって住む習性から「寄る」と同音の地名の「因可」
❶  斑鳩の因可の池の宣(よろ)しくも 君を言はねば思ひそ我がする  万葉集
   ⑼  枕詞  鶯の(うぐひすの)  被枕  春  (枕詞と見ない説もある)
❶  うぐひすの春になるらし春日山 霞たなびく夜目に見れども  万葉集
   ⑽  枕詞  鶉鳴く(うずらなく)  被枕  古る、古し  鶉は荒れ果てて草深い野に住むところから「ふる」にかかる。
❶  鶉鳴く 古りにし郷の 秋萩を思う人どち 相見つるかも  詠人知らず

④https://gramho.com/explore-hashtag/カモメの群れより引用の夜の浦のカモメたち

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   お〜さ)  (11)  枕詞  沖つ鳥(おきつとり)  被枕  鴨
鴨は沖に浮かんでいる鳥であるから。
❶  沖つ鳥 鴨どく島に わが率寝し 妹は忘れじ 世のことごとに  古事記
   (12)  被枕  鴛鴦の  被枕  惜し 憂き 浮寝  同音によって「惜し」、水に浮くので「憂き」、さらに「浮寝」
❶  をしどりのうきねの床やあれぬらん つららゐにけり昆陽の池水  千載和歌集
   (13)  枕詞  鷗居る  被枕  藤江の浦  
❶  かもめゐる藤江の浦の沖つ洲に 夜舟いざよふ月のさやけさ  新古今和歌集
   (14)  枕詞  雁が音の(かりがねの)  被枕  なきこそわたれ 来継ぐ                                                      ❶  憂きことを 思ひつらねてかりがねの なきこそわたれ秋の夜な夜な  古今和歌集
   (15)  枕詞  さ野つ鳥(さのつどり)  被枕  雉(きぎし)   雉は野に棲む鳥であるから。
❶  ・・・青山に 鵼は鳴きぬ さ野つ鳥 雉は響む  古事記歌謡

⑤https://blog.goo.ne.jp/newf150045/e/5503f4da894dbe41d85aeb58dfd453acより引用の潜水するから息長鳥のカイツブリ

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   し〜な)  (16)  枕詞  息長鳥(しながとり)  被枕  猪名(ゐな)  息長鳥はカイツブリ。雌雄居並ぶことが多いので。
❶  しながとりや ゐなのふし原 あいぞ とびてくる しぎが羽音は おとおもしろき しぎが羽おとは
   (17)  枕詞  島つ鳥(しまつとり)  被枕  鵜(う)  鵜は島に居る鳥だから。
❶  吾はや飢ぬ 島つ鳥 鵜養が伴 今助けに来ね
古事記歌謡
   (18)  枕詞  白鷺の  被枕  濡衣  白鷺は水辺にいていつもその羽が濡れているから
❶  とめふれど湊たちいでぬ白鷺の 濡衣をだに着せむとぞ思ふ  忠岑集
  (19)  枕詞  白鳥の(しらとりの)  被枕  とば 鷺
❶  白鳥の 鷺坂山の 松陰に 宿りて行かな 夜もふけゆくを
(鷺坂山に立つ、この人待ち顔の松陰で一夜の宿をとろうかな 白鳥のような女が人待ち顔 夜も更け行くから宿をとろうかな) 万葉集
   (20)  枕詞  そに鳥の(そにどりの)  被枕  青  カワセミの羽が青いことから。
❶  鴗鳥の 青き御衣を ま具ぶさに 取り装ひ 沖つ鳥 胸見るとき はたたぎも こもふさはず
(翡翠の羽のような青い着物を丁寧に整えてくれたが、沖つ鳥のように自分の胸を見て、手の上げ下ろしをしてみても、この着物もどうも似合わない)
古事記

⑥https://zukan.com/jbirds/leaf122098より引用の高く飛ぶハヤブサ

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   た〜ち)  (21)  枕詞  高行くや(たかゆくや)  被枕  
隼  高く飛んで行く
❶  雲雀は 天に翔(かけ)る 高行くや 速総別(はやぶさわけ)の 鷦鷯捕らさぬ  古事記歌謡
   (22)  枕詞  栲領巾の(たくひれの)  被枕  鷺  こうぞで作った領布は白いので
❶  栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我れに にほはに 妹に示さむ  大伴家持
   (23)  枕詞  立鴨の(たちこもの)  被枕  発ちの騒き
鴨の飛び立つ時さわぐように
❶  立鴨の立ちの騒きに相見てし妹が心は忘れせぬかも  万葉集
   (24)  枕詞  鶴が鳴き(たづがなき)  被枕  葦辺
❶  鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡る あなたづたづし独りさ寝れば  万葉集
   (25)  枕詞  千鳥鳴く(ちどりなく)    被枕  佐保の川 み吉野川  千鳥で有名な川                                         ❶  千鳥鳴く 佐保の川瀬のさざれ波  被枕  やむ時もなし我が恋ふらくは  万葉集




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