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第2248回 ワシらもタカ科

①https://jp.123rf.com/photo_10798101_%E9%B7%B2%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88.htmlより引用のワシのシルエット

   何故だか私にはわからないのですが、猛禽類にはワシ、タカ、ハゲワシ、ハヤブサ、コンドル、フクロウが該当致します。日本にはハゲワシとコンドルは分布致しませんので、タカ科の仲間としましては、ワシ、タカで、ハヤブサ科のハヤブサチョウゲンボウ、フクロウ科のフクロウ、ミミズクとなります。この中でタカ科にワシが含まれていますが、①のタイトルシルエットをご覧頂いても、これがワシなのか、タカなのかは判別出来ないと思います。ワシとタカの区別は大まかには身体の大きさだといいます。オオワシオジロワシの様に体長が100㌢を超える種を見ますとなるほどと思いますが、タカの中にはイヌワシの約90㌢の体長に迫る大きさの約80㌢のクマタカがいます。何故、ワシとタカと名前を区別していますのに、同じタカ科に入れられているのか解らないです。

②-1.https://www.birdfan.net/2017/02/03/49719/より引用のオオワシ(体長約89〜102㌢) 

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②-2.https://www.birdfan.net/2017/04/07/51682/より引用の飛翔するオオワシ

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   「ワシ」と「タカ」の境界線が身体の大小でありますように、フクロウ目にはフクロウ科があり、フクロウ属に止まり、中称と致しまして羽角のあります「ミミズク」と羽角のない「フクロウ」に分かれます。しかし、羽角のあるはずの「ミミズク」の仲間に羽角のないアオバズクが含まれていましたり、羽角のない「フクロウ」に羽角のありますシマフクロウが含まれています。ワシタカに於いて、両②の写真のオオワシは、ハイタカ属ながらオオタカは「大鷹」と表記される名前が付いてはいますが、身体の大きさは中型で、クマタカがその上にいましたが、オオワシはタカ科の中でも最大級です。漢字表記は「大鷲」「羗鷲(きようしゆう)→悪い鷲」。ここはすんなり大鷹でいいと思います。日本では冬鳥で、北海道や本州北部に飛来します。海岸や河川、湖沼などに生息し、主にカラフトマス、サケ、スケトウダラなどを食べ、鳥類のカモ類や小型から中型の哺乳類、動物の死骸なども食べます。主食は魚類の海鷲です。

③-1.https://www.birdfan.net/2014/03/14/27000/より引用のオジロワシ(体長約80〜94㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2017/03/10/50823/より引用の飛翔するオジロワシ

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   両③の写真は漢字表記は見たままの「尾白鷲」で、尾羽が白い鷲。オオワシのほうがもっと白いのですが、オジロワシとなっています。日本には冬季に北日本に飛来する冬鳥ですが、北海道北部および東部では周年生息する留鳥でもあります。海岸、河川、湖沼などに生息し、単独もしくはつがいで生活しますが、冬季になると集団でねぐらを形成することもあります。魚類、鳥類、哺乳類、動物の死骸などを食べます。ヒツジの幼獣、タンチョウのヒナを襲い食べることもあります。水面付近にいる獲物は急降下して捕らえます。同じ生息域にオオワシがいますので、餌を横取りされます。大きなオオワシは天敵かもしれません。

④-1.https://medium.com/?source=post_page-----5b2a379dcfeeより引用のイヌワシ(体長約81〜89㌢)

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④-2.https://www.birdfan.net/2009/08/28/4090/より引用の飛翔するイヌワシ

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   両④の写真は冬季に南下することもあるイヌワシで、日本では周年生息する留鳥です。漢字表記は「犬鷲」「狗鷲」です。「狗鷲」の『狗』は神社の狛犬です。両方の漢字のイヌは「大きい」という意味を持っています。 つまり「大きなワシ」という意味です。開けた森林や草原などに生息します。日本ではノウサギ、ヤマドリ、ヘビ類が主で、とりわけノウサギがもっとも重要な餌です。上空から獲物を発見すると、翼を窄め急降下して捕らえます。通常は単独で獲物を捕らえますが、一羽が獲物の注意を引きつけ一羽が獲物の後方から襲い掛かるという連携プレーも行います。珍しいケースでは小鹿を襲います。北海道ではオオワシオジロワシとの生息域が同じとなります。

⑤-1.https://www.birdfan.net/2008/10/03/3007/より引用のカンムリワシ(体長約55㌢)

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⑤-2.https://www.naturingnews.jp/?p=12269より引用の飛翔するカンムリワシ

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   最後に現れましたのが、今回の本当にワシかと疑われる両⑤の写真のカンムリワシです。漢字表記は「冠鷲」です。⑤-1.の写真をよくご覧頂きますと、頭部に黒っぽい部分があり、興奮などをしますと冠毛が逆立つわけです。日本には八重山列島、石垣島、西表島、与那国島に分布致します。両生類、爬虫類、甲殻類、昆虫類等を捕食します。特にヘビを好み、英名のCrested Serpent Eagle(カンムリヘビワシ)はこの食性に因む命名です。また沖縄地方ですから、プロボクシング世界王者の具志堅用高のニックネームとして有名です。小さな身体で世界を制したことからです。ひとでは許されますが、ことワシとなりますと、ワシはタカ科の仲間のヘビー級のはずですから、困り物です。体長は雌雄揃って約55㌢しかなく、クマタカは80㌢、トビでも70㌢はあります。またトビのいないこの地位では屍肉食も食べる困り物。

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