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第849回 日本三鳴鳥コマドリ(2回目)

①https://jp.123rf.com/ストックフォト/馬のいななき.html?sti=lwcglfnfmb18mkwxk5|より引用の『駒』のいななき

   ①の写真は栗毛の『駒(馬)』が「ヒンカラ、ヒンカラ」といなないでいるところです。なぜこの野鳥を語る場で、哺乳類の馬をタイトル写真に持ってくるのでしょう。それは本当のタイトルである②の写真のコマドリのことを語るためです。コマドリの漢字表記は「駒鳥」で、将棋の『駒』の駒か、でもそれは遠からずで、どの騎馬(駒)を使って相手方に攻め入ろうかという将棋の戦術だからです。戦国の世にも騎馬を駒といいました。馬のことを『駒』。そのいななきがコマドリです。

コマドリ(体長約14㌢)のさえずり

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   ②の写真のように、コマドリスズメより小さな野鳥です。何かこのさえずりの姿勢を見ていると、オペラ歌手のようだと思ってしまいます。このコマドリは、日本では夏季に繁殖のため九州以北に飛来夏鳥する夏鳥です。また国際的に珍しい学名を持つ野鳥としても知られています。それは学術調査の際二種いたひとつがコマドリですが、相手が似たアカヒゲの種小名は和名から採られていますが、登録の際に取り違えられたと考えられており、和名と小種名が入れ替わっています。

③https://www.rekishiwales.com/entry/2016/08/02/200000より引用の英国のロビンフッド

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   日本ではコマドリウグイスオオルリと並んで日本三鳴鳥に選ばれています。あまりにも「ホー、ホッケキョ」で有名すぎるウグイスの煽りをうけて、なぜかオオルリと共にあまり目立つ存在ではない印象があります。ちょっとだけ昔には演歌歌手のこまどり姉妹が活躍しておられて、一世を風靡しましたが、やはりこれもコマドリの小さな身体から飛び出すさえずりの美しさに憧れて、芸名をこまどり姉妹とされたのでしょう。でもそれ以上にヨーロッパのコマドリ人気は凄いです。

④https://zukan.com/jbirds/internal15026より引用のヨーロッパコマドリ(体長約14㌢)

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   それがイギリスやアメリカなどの英語圏の国では、クックロビンあるいはコックロビンとして、童謡であるマザー・グースの一篇となっています。原題は'Who Killed Cock Robin'といい、日本語訳として「駒鳥のお葬式」や「誰が駒鳥殺したの」などと呼ばれることもあります。コマドリの死から葬送までを語る内容で、マザー・グースとしては比較的長大な十四連で構成される作品です。日本でのコマドリは日本の風土に溶け込んで、栗毛の『駒』からきたコマドリなんです。

コマドリのつがい(左がメス、右がオス)

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   マザーグースで活躍するコマドリは日本の濃い顔色のコマドリのオスと違って、この⑤の写真の左側のメスのような色をしています。④の写真はその主人公であるヨーロッパコマドリですが、この色合いでは日本のコマドリのような『駒鳥』とは言えないと思います。しかし、"Robin"とされるヨーロッパコマドリは、イギリスの国鳥でもある馴染み深い野鳥であり、様々な伝承に登場します。面白いことに英国ではコマドリは全てオスとされ、コマドリのお嫁さんはミソサザイでした。

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