第1062回 早成か晩成か
①https://www.photolibrary.jp/img406/143407_3924153.htmlより引用のイラスト
今回は前回第1061回の続きで、早成と晩成の野鳥ではどう違うのかを比べてみました。
②https://www.nanigoto.net/entry/2016/12/27/125658より引用の手前がカッコウのヒナ、周りが宿主のヒナ
⑴早成性と⑵晩成性の色んな比較を調べると
⒈卵サイズ ⑴大型(9~21%) ⑵小型(4~10%)
⒉卵黄量 ⑴多い ⑵少ない
⒊抱卵日数 ⑴長い ⑵短い
⒋脳サイズ ⑴大(4~7%) ⑵小(3%)
⒌脳サイズ(成鳥) ⑴小 ⑵大
⒍小腸 ⑴小(6.5~10.5%) ⑵大(10.3~14.5%)
⒎成長速度 ⑴遅い ⑵速い(早成性の3~4倍)
⒏親による世話 ⑴小 ⑵大
※1.卵サイズ 早成性では充分成長してから孵化するので、充分な栄養が必要。※⒉晩成性の利点
卵が小さいので、❶母体の負担が小さく、❷体重が軽ければ敵に襲われにくく、❸餌もとりやすい。❹孵化後の成長が早い。早成性の雛はすぐに歩き出したりするが、歩けばエネルギーを消費する。晩成性のヒナは❺摂取したエネルギーのほとんどを成長に向ける。❻脳が大きい。※3.早成性の利点 ❶充分発育してから孵化、直ちに独立生活→
ツカツクリ ❷餌を自分で見つける→カモ、チドリ
❸餌のありかを教わる→一部のキジ類 ❹餌をもらう→カイツブリ、クイナ
③https://www.nanigoto.net/entry/2016/12/27/125658より引用のメジロの巣立ち
巣立ちまでの日数 ⑴10日→メジロ、ヒバリ ⑵10~11日→ヒヨドリ ⑶14日→スズメ、ウグイス ⑷17~18日→カケス ⑸20日→ヤマガラ ⑹22日→ツバメ、アカゲラ ⑺30日→カラス
※3.身体の大きさのわりにヒヨドリの巣立ちの早さが驚異的。
※4.メジロ、ヒヨドリ、カラスは飛べないうちに枝伝いに巣立ってしまう。
※5.ツバメは飛んで巣立つので巣立ちが遅い。
※6.ヒバリは天敵の多い地上で営巣するので巣立ちが早い
④https://mako4aoitori.blog.fc2.com/blog-entry-407.htmlより引用のキジの幼鳥
巣立ってからも10日~二週間ほど、親から哺育を受ける。
※7.小型のシギチ→巣立ち後25~30日で独立
※8.マガモ→巣立ち後50~60日で独立
※9.キジ→巣立ち後70~80日で独立
※10.小型のタカ→巣立ち後20日で独立
※11.大型のタカ→巣立ち後29日で独立
⑤https://tenki.jp/lite/suppl/usagida/2016/03/13/10751.htmlより引用の早成性のツバメの一家
⑴早成生の鳥と⑵晩成性の鳥におけるつがい関係、③全体と三つに分けて分析してみると ⒈一夫一妻 ⑴93% ⑵84% ⑶91.6%
2.一夫多妻 ⑴1% ⑵10% ⑶2%
3.一妻多夫 ⑴ー ⑵4% ⑶0.4%
4.多夫多妻 ⑴6% ⑵2% ⑶6%
哺乳類の一夫一妻は3% ※12.樹上で繁殖するものは晩成性が多い。ヒナは餌を採れず、親により長期間の給餌が必要。給餌の必要性が一夫一妻を進化させた。親による給餌の進歩により、天敵の多い地上から離れることができた。
⑥https://matome.naver.jp/m/odai/2143184899336012801より引用の晩成性のカラスの子育て
どれだけ安全に保てられているかの、卵に対する卵黄の割合は、早成性が35%、晩成性が20%
※13.卵の脂肪、蛋白質、卵黄量、熱量が多いほど早成性が増す。卵中の水分含有量が多いほど晩成性が増す。またどういう形態の野鳥が割合を占めているのかは、早成性には原始的な鳥が多く、水鳥に多い。晩成性はすべて高等で陸鳥に多い。