第1822回 古文書での鳥
①https://www.google.co.jp/amp/s/nlab.itmedia.co.jp/nl/amp/1903/28/news025.htmlより引用の「古事記」と「日本書紀」の比較
①の二つの古書よりのちに編集された『出雲国風土記』は、出雲国の風土記。編纂が命じられたのは和銅六年五月、元明天皇によるが、天平五年二月三十日に完成し、聖武天皇に奏上され「国引き神話」を始めとして出雲に伝わる神話などが記載され、記紀神話とは異なる伝承が残されています。現存する風土記の中で唯一ほぼ完本の状態。この神々発祥の国出雲に伝わる神々のこと、風土、自然、生き物、地名などなど、編集を加えられているその中の鳥はどう表現されているのか。
②https://glyphwiki.org/wiki/u9c1eより引用の「鰞」
⑴ 鵜飼 鰞(う)→ウミウ ※ 鰞鰂(うそく)は、烏賊(いか)のこと。カラスもウもイカの墨も黒いから⑵ 食用 1. 鶉(うずら) 2. 鴨(かも) 3. 鴻鷹(かり)→雁 4.雉(きぎし)→キジ 5. 鳧(たかべ)→コガモ ※ 鳧→ケリとも 6. 鶫(つぐみ)→ツグミ類 7. 鳩→鳩(きじばと?) 8. 鶬(離黄)→ヒバリ ※ 「鶬」は一般にマナヅルまた「離黄」は説文に「倉庚」の別名とあり、鶯(うぐいす) 9. 山鶏(やまどり)→ヤマドリ ⑶ 鑑賞用 1. 鴛鴦→オシドリ 2. 鵠(くぐい)→白鳥 3. 法吉鳥(ほっきとり)→ウグイス ⑷ 鷹狩 1. 鷹→鷹 2. 晨風(はやぶさ)→ハヤブサ ※ 「晨風」は一般にシンプウで夜明けに吹く風。夕風より速いの意味有り ⑸ 道具(矢羽) 鵰(わし)→オオワシ、オジロワシ ⑹ その他 鴟鴞(横致)ずく→ミミズク(梟類) ※ 一般に「鴟鴞」は梟、ミミズクは「鴟鵂」
③https://doubutsuga.com/portfolio-item/竹内栖鳳二雀/より引用の雀の日本画
タイトル画に「古事記」と「日本書紀」両書比較の表を掲載しましたが、神々に至っても、❶ 古事記と❷ 日本書紀には隔りがあるように思います。 ⑴ ヤマトタケル(日本武尊)→❶ 倭建命 ❷ 日本武尊 ※ 現代の漢字表記は日本書紀を採用
⑵ 仁徳天皇→❶ 大雀命 ❷ 大鷦鷯天皇
⑶ 武烈天皇→❶ 小長谷若雀命 ❷ 小泊瀬稚鷦鷯天皇
⑷ ハヤブサワケノミコ(隼別皇子)→❶ 速総別命
❷ 隼別皇子 ※ 現代の漢字表記は日本書紀を採用
⑸ アメワカヒコ(天若日子、天稚彦)の葬儀
古事記 ❶ 川に住む雁→お供えの食事を運ぶ役
❷ 鷺→葬式の場を掃き清める役
❸ 鴗(翡翠)→お供えの食事を作る役
❹ 雀→米つき女の役
❺ 雉→葬式の時、大声で泣く女の役
日本書紀
❶ 鶏→棺を運ぶ役
❷ 川鴈(川に住む雁)→葬式の場を掃き清める役
❸ 雀→米つき女の役
❹ 鴗(そび=翡翠)→弔問の受付
❺ 鶺鴒→葬式の時、大声で泣く女の役
❻ 鵄(トビ)→死者の衣服を整える役
❼ 烏→食物を与える役?か鳥葬?
④-1.https://www.nippon.com/ja/features/c03902/より引用の雁金の群れ
④-2.https://blog.goo.ne.jp/ttetsuo_2005/e/5f38011b73941db32f6fddfe0876fae9より引用のセビの水墨画
「古事記」に現れる鳥 1. ウ→鵜 2. ウヅラドリ→ウズラ
3. オホタカ→オオタカ 4. カケ、トリ→鶏 5. カモ→鴨 6. カリ→雁 7. カワカリ→カルガモ?
8. キギシ→キジ 9. クグイ、クビ、シラトリ→白鳥 10. サギ→鷺 11. サッサギ→ミソサザイ
12. シギ→鴫 13. スズメ→スズメ
14. ソニドリ→カワセミ 15. タヅ→鶴 16. チドリ→千鳥 17.トコヨナガナキドリ→長鳴鶏(長時間鳴くように品種改良されたニワトリのこと)
18. ニホドリ→カイツブリ 19. ヌエ→トラツグミ
20. ハヤブサ→ハヤブサ 21. ハト→鳩
22. ヒバリ→ヒバリ 23. マナバシラ→鶺鴒
24. モズ→モズ 25. ワシ→鷲
⑤-1.https://www.fromjapan.co.jp/en/auction/yahoo/input/s844187325/lgk-link_top_aucid_aucより引用のイカルの日本画
⑤-2.https://www.pinterest.jp/pin/227502218646877379/より引用のトコヨナガナキドリ?の日本画
「日本書紀」に現れる鳥
1. アカハラ→アカハラ 2.アトリ→アトリ
3. イカル→イカル 4.ウ→鵜 5. オウム→鸚鵡(こんな昔の時代に輸入されていた) 6. オシドリ→オシドリ 7. オホトリ(大鳥)→鳳(神格化された架空の鳥) 8. カササギ→カササギ(この時代から朝鮮半島より移入) 9. カズクドリ→アビ 10. カモ→鴨 11. カラス→鴉 12. カリ→雁 13. キジ→キジ 14. クグイ、ハクチョウ→白鳥 15. クジャク→孔雀 16. クヒナ→クイナ 17. コクチョウ→コクチョウ 18. ササギ→ミソサザイ 19. シギ→鴫
20. シトド→頬白類 21. スズメ→スズメ
22. セキレイ→鶺鴒 23. ソニ→カワセミ
24. タカ→鷹 25. チドリ→千鳥 26. ツバメ→ツバメ 27. ツル→鶴 28. トキ→トキ
29. トコヨナガナキドリ→長鳴鳥 30. トビ→トビ 31. ニホドリ→カイツブリ 32.ニワトリ→鶏
33. ハト→鳩 34. ハヤブサ→ハヤブサ
34. フクロウ→フクロウ 35. ホウオウ→鳳凰
36. マトリ→立派な鳥の意 矢羽では鷲、時には鵜また、鷹狩では雉、鷲、その他、鶴、梟、木菟など 37. ミミズク、ミミヅク→木菟 38. モズ
→モズ 39. ヤマドリ→ヤマドリ 40. ワシ→鷲
※ 上記の鳥の名前の漢字表記は鳥の名前の「総称」。カタカナ表記は現在の「呼称」。またフクロウは「総称」の場合もあり「呼称」の場合あり