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第2198回 紛らわしい鳥 (鷺)

①-1.https://blog.goo.ne.jp/donguriusagi1019/e/939403f1d706978cb769b7d3fc2c2b94より引用の白タイプのクロサギ(体長約62㌢)

①-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B5%E3%82%AE_(%E9%B3%A5)より引用の左の従来のクロサギと右は白タイプのクロサギ

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    本当にサギの仲間は紛らわしい鳥の種族だと思います。まず姫路城のことを白鷺城と呼ぶくらいに「白鷺」という白い鷺のグループがいます。普通では、ダイサギに、チュウサギ、コサギの三種のことを「白鷺」と呼びます。では①-2.のタイトル写真は、この三種のうちのどの白鷺なのでしょうか。というふうになりますが、前記三種の白鷺ではありません。この鳥の身体は実際に白い鷺なのですが、この鳥の名前はクロサギです。①-2.の写真のように2パターンがあり、岩礁に生息する個体は黒、砂浜海岸に生息する個体は白なのです。

②http://www.nagaimasato.com/bird/birder/birderjp_egret/SIRASAGI.htmlより引用の『シラサギ』四種の左からダイサギ(体長約89㌢)、チュウサギ(体長約68㌢)、コサギ(体長約61㌢)、アマサギ(体長約50㌢)

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   前項で、基本的な「白鷺」は全体が白色で、脚と首が非常に長く、クチバシも長く、脚は全体が黒く、夏羽ではクチバシが黒くなり、脚の基部がわずかに黄色がかり、胸や背中に長い飾り羽が現れ、眼先が緑がかる婚姻色が現れることもあり、冬羽では飾り羽がなく、くちばしが黄色くなるダイサギに虹彩は黄色く、クチバシも黄色く、後肢は黒いく、繁殖期になると背や胸部の羽毛が伸長して、眼先は青緑色に、クチバシは黒くなり、夏羽ではクチバシが黒くなり、背に飾り羽根が現れ、眼先が少々緑がかり、冬羽では嘴が黄色くなるチュウサギ、脚、首、クチバシは長いですが、ダイサギほどではなく、趾指が黄色いことと、夏羽では頭に二本の長い冠羽が現れること、背の飾り羽は先が巻き上がるコサギだと紹介致しました。その名前の通りに大中小と名付けられています。その他にはまだ正式に認定されていないチュウダイサギやダイダイサギといったダイサギの亜種もいるようです。②の写真には四種の「白鷺」が載っていまして、一番右端の「白鷺」にはアマサギとあります。白くないはずの鳥がなぜ故に…

③https://www.birdfan.net/2019/07/26/72376/より引用のアマサギ(真ん中の一羽だけが冬羽)

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   前項では、アマサギも「白鷺」であるというように紹介致しましたが、実際にネットのアマサギの写真はやはり③の写真のようなクチバシは短く、色彩はオレンジがかった黄色。後肢の色彩は黒褐色で、繁殖期は眼先が赤く、クチバシや後肢の色彩も赤みを帯びます。夏季は頭部から頸部、胴体上面はオレンジがかった黄色が飴色のような羽毛で被われる夏羽であり、和名の由来になってます。また、冠羽と飾羽が伸びます。冬季は頭部から頸部、胴体上面が白い羽毛で被われるのが冬羽で、この時期がアマサギが「白鷺」になります。

④https://www.birdfan.net/2014/08/08/29729/より引用のカラシラサギ(体長約65㌢)

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   ①の項の写真の白黒二タイプのいるクロサギや、②と③の写真のアマサギは冬羽の時期こそ「白鷺」で、夏羽ではそうでなくなるケースもあり、もうそれらを含めて「白鷺」は五種かと思われましたが、実は日本には越冬のため九州や南西諸島にまれに飛来する迷鳥、もしくはまれな冬鳥として、④の写真のカラシラサギがいます。虹彩は黄色で、後肢の色彩は黒く、趾は黄緑色です。夏羽は後頭部の冠羽が10㌢以上伸びるほか、肩部、胸部の飾羽がやや伸長します。またクチバシと眼の間が薄青色で、嘴の色彩はオレンジ色。冬羽はクチバシの色彩は黄色で、先端は黒褐色の「白鷺」

⑤https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/769184より引用の左がクロツラヘラサギ(体長約74㌢)と右のヘラサギ(体長約86㌢)

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   この「白鷺」は御三家の大中小のサギと、アマサギクロサギカラシラサギの六種で終わりだと思っていましたら、迷鳥や珍鳥として越冬のため日本を訪れます⑤の写真は、ヘラサギクロツラヘラサギです。二種共に数が少ないので「迷鳥」や「珍鳥」扱いとなります。白鷺とよく行動します。ヘラサギダイサギよりも首が短く、胴が太いため頑丈に見え、全身の羽毛が白いです。夏羽では喉や胸が黄色みを帯び、後頭部に黄色の冠羽が表れます。冬羽では冠羽が短く、クチバシは黒くて長く先がへら型をしています。クチバシの先端部は黄色く脚は黒いです。対するクロツラヘラサギヘラサギの目元部分が黒く、繁殖期になると冠羽が伸長し、冠羽や胸部や眼先の皮膚が黄色みを帯びクチバシがヘラ型「白鷺」の仲間です。

⑥https://www.birdfan.net/2008/10/24/3073/より引用の左がゴイサギ(体長約58㌢)と右がその幼鳥のホシゴイ

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   これでやっとこさ「白鷺」八種が終わったと思いましたら、今度はそれ以外の「鷺」が紛らわしいです。「白鷺」の他には「鷺」はいます。日本では最大級の大きさのアオサギ、天皇より五位の地位を授かったといわれるゴイサギ、ガニ股歩きするヨシゴイ、湿原などの葦原に生息するササゴイ、昔話のカチカチ山の裏話に登場するサンカノゴイ、珍鳥中の珍鳥ミゾゴイなど、ゴイサギを中心としたグループが殆どです。⑥の写真の成鳥になったゴイサギは醍醐天皇の宣旨に従い捕らえられたため正五位を与えられたという故事が和名の由来になっていますので、それまでの幼鳥から若鳥の時期の名前をホシゴイと名乗っていました。

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