第687回 野鳥の和名の由来 (2)
①https://kanji.reader.bz/%E5%92%8C%E5%90%8Dより引用
②https://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%82%AE-72542より引用のシギの仲間のイラスト
10)シギ(アオアシシギ、イソシギ、クサシギなど)→① 羽をシゴくのでシゴキが転じた。
② しきりに羽ばたくので、シキリが転じた。
③ しきりに羽ばたくので、動詞シク(頻)の連用形の重複シキシキのつづまった形。
④ 騒ぎ(さやぎ)から
⑤ 羽音の繁きに由来。
⑥ 敷く波などが後から後から寄せる。
⑦ 繁き。後から後から追いつき前の物に重なる。
③https://www.birdfan.net/2020/06/12/78970/より引用のセグロセキレイ
11)セキレイ(セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイなど)→①漢名の鶺鴒を音読みにした。
鶺は背(せき)、鴒は令で冷たく澄んでいること。
②尾を上下に振り『尾羽が石にお辞儀をしている』ように見えるから、石に礼をする。 12)センニュウ(エゾセンニュウ、シマセンニュウなど)→①仙入=草むらに潜入している鳥。②仙遊=仙人となって自由自在に飛び歩く。③『敏捿である、すばしこい』ことを憲(しぃえん)。『恥ずかしがる、はにかみや、内気』を忸(にゅう)。
人に中々姿を見せないので、『敏捿で内気な鳥』
④https://www.birdfan.net/2020/02/14/77122/より引用のタンチョウ
13)ツル(マナヅル、ソデグロヅル、タンチョウなど)→①古くは口語でツル、文語で田鶴(タヅ)と言った。鶴は鴻(コウ)を含めた広義の名だったので、特に田鶴と限定した。蔓(ツル)の原義は『細り、筋』だが、鶴も同趣旨でほっそりした鳥。②
連なって(つるんで)飛ぶ。③つるむ(交尾)に由来。④鳴き声のクルルルから。⑤朝鮮語のツリから 14)タカ(オオタカ、ミサゴ、トビなど)→①猛き鳥から。②高く飛ぶから。③手飼鳥(タカドリ)から
⑤https://www.birdfan.net/2011/04/22/14369/より引用のイヌワシ
15)ハト(ドバト、キジバト、アオバトなど)→①ハヤトリ(速鳥)を略してハト。② 羽音のはたはたから。 16)マシコ(ベニマシコ、ギンザンマシコなど)→猿子と書き、猿の古名(まし)に由来。 17)ムシクイ(センダイムシクイ、エゾムシクイなど)→見た目は似ているが、さえずりが異なる鳥 18)ヨシキリ(オオヨシキリ、ヨシキリなど)→ヨシの葉を切り裂いて中の虫を食べるから。 19)レンジャク(キレンジャク、ヒレンジャク)→連尺は物を背負うための背負子。この連尺を担ぎ各地を往来する行商が渡り鳥のようだから。 20)ワシ(オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなど)→①悪い鳥なのでアシ(悪し)から。強引に物を奪う悪鳥。②走ることをワルシとも言った。③強力な飛翔力で群鳥を追い詰め捕らえるところから。④走(ワ)シノ鳥の意。⑤輪過ぎ(輪を描いて空を過ぐる)→わす→わし。⑥車輪のように飛ぶことをワシ(輪如)というから。