![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76040797/rectangle_large_type_2_56321b2002aa7eb62c4a4a701b5c3ceb.jpeg?width=1200)
第2008回 電線の鳥 ⑵
①https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?search_word=%E9%9B%BB%E7%B7%9A+%E9%B3%A5&srt=-releasedate&page=0より引用の電線に止まるスズメのイラスト
いま、全世界中に、私としては街中での鳥たちの休憩場所となっていると思ってならない電線がある電柱が撤去され、電線を地中に埋めている国が多いと言います。経済大国とされる日本は大きく出遅れているといいます。電柱を撤去するメリットはまず景観が良くなることと、強い台風や、大きな規模の地震がきて、電柱が倒れて、ライフラインの電気が各家庭に供給出来なくなるのが防げるというものです。それはわかるのですが、郊外より樹木の少ない街中では、鳥達には大切です。
②https://www.agara.co.jp/sp/article/75348より引用の電線に集うツバメ(体長約17㌢)
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76040809/picture_pc_cf4fd9242d8b72517a5911e4d26cda76.jpeg?width=1200)
私が最も電線を利用しています鳥は②の写真のツバメだと思います。ご存知のようにツバメは夏鳥で、毎年の三月中旬頃に、生まれ故郷の日本に帰ってきます。まず生まれ育った地について身内と共に長旅の疲れを②の写真のように集合場所として利用しているわけです。また子育てには民家の軒先に営巣して幼鳥になるまで郁雛をします。その巣立った幼鳥への給餌はやはり電線上で致します。その幼鳥が若鳥となり、親元を離れ独り立ちしても、越冬の為日本を離れる時も、皆んなが集まり、旅立ちの時の集合場所も電線に集合です。
③http://birdstyle.ldblog.jp/archives/46351573.htmlより引用の電線から獲物を狙うサシバ(体長約47〜51㌢)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76040819/picture_pc_5028eb350ec570380fa17dad319674ed.jpeg?width=1200)
何も電線は街中にしかないことはありません。郊外にも電線はありますし、また街中にはない送電線が郊外にあります。広がる田園風景に山があり、河川が流れていると言う風景が頭に浮かびます。送電線の張られている高さは、そこらの樹木より背が高く、③の写真の猛禽類にとっては格好の見張り場所となります。もともとは空から獲物を探しますが、電線なら自分は動かずしてえあを探す事が出来ます。街中の鳥達は、休憩場所や仲間との集合場所に使用していますが、郊外の猛禽類たちは生きる為の餌の監視場所でもあります。
④https://www.google.co.jp/amp/s/shabonyukuro.com/electric_shock_b/amp/より引用の電線に止まっても感電しない鳥のイラスト
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76040831/picture_pc_a7b50605bb8dacf490ef1a390045adb3.jpeg)
これまでの項で、色んな鳥たちが、街中のスズメやカラス、ハトであろうが、郊外の猛禽類のトビやサシバであろうとも、人工物の最たる電線を利用していることが分かりました。しかしながら、疑問点は何故、電線に止まる鳥たちは感電しないのでしょう。どんな電柱にも高圧危険と表記してあります。ではどうやって鳥たちはそんな危険な電線に止まるのでしょう。クマやサルは感電するのに、鳥は感電しないのか。電柱や鉄塔の電線は3本1組で送電されています。鳥が感電しないのはその一本だけに止まっているから感電しません。電流は水の流れ同様、高い方から低い方へ流れる性質があり、なおかつ流れやすいルートを通っていきます。一本の電線上で鳥が触れている両足の電圧の差がほとんどなく、電圧はないと言ってもいいほどです。そして、電流は流れやすいルートを通るという性質から抵抗のある鳥より、抵抗のより少ない電線内を通ることになり鳥には電流が流れず感電しないというわけです。それなのに…
⑤https://benjoe.hatenablog.com/entry/20130809/p1より引用のハシボソガラス(体長約50㌢)の感電死
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76040842/picture_pc_caa0c0347ec3e5a1f82a023a5802c2c3.jpeg)
電線に止まると鳥でも感電することを証明できるようなことが起きました。その電柱の下に毎年カラスが死んでいるということで、野鳥研究で有名な山階鳥類研究所が調査に乗り出し、そのカラスはハシボソガラスで、担当者の方によりますと「クチバシに溶けたような穴が開いており、足の裏にも火傷のような傷がありました。これまでも感電死したカラス類をいくつか見たことがありますが、今回と同じような特徴的な傷があります。確認のため解剖してみると、頭骨の後頭部を骨折しており、内臓も大きく損傷して腹腔内で出血していました」ということで、電線に止まったカラスが感電死したということになります。先の項で学んだように、通常の電線では鳥が止まっても感電しません。依頼者の話しでは、毎年のようにカラスの死体が同じ電柱の下に落ちていること、その年はすでに五羽の死亡を確認したことがわかりました。担当者は「東京電力に連絡してもらったところ、電線が露出している箇所が見つかりました。その部分をカバーしてもらい、一件落着となりました」としています。知能が高く、興味深いカラスが、今までと違う箇所を見つけ、そこにクチバシを当てて感電死したのではないかと判断されます。カラスが身をもって教えてくれました。