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第1438回 鴨居と鳥とは

①https://shikishima-town.com/blog/word-kamoi-shikiiより引用の鴨居と敷居の認識写真

   どんな神社にも、その神社を参拝しますには、大なり小なりの『鳥居』をくぐり抜けなければなりたせん。また日本家屋の和室には『鴨居』という部分があり、神社にも『鳥』部屋には『鴨』が上に、下には共通して『居(たたずまう)』の漢字が付きます。神社の鳥居は前の項でご説明いたしましたので、今回は日本の家屋にとっては切っても切れない『鴨居』をご紹介することにします。この日本の和室には、①の写真のように『鴨居』に対して『敷居』という部分も一対で登場します。

②https://www.meister-coating.com/guide/choice/030.phpより引用の家の中の鴨居

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   建築的にいうと②の写真で赤い丸で囲まれた部分を『鴨居』と呼ぶのは『敷居』という部分に対し     ⑴  敷居に対する言葉として最初は《上居:かみい》だったものが、変化して《鴨居》になった。   ⑵  部屋を構成する為に大切な部分で、家の《構え:かまえ》を作るという意味で言われていた物が、変化して《鴨居》になった。                              ⑶  家を火から守るという意味で、水辺に住んでいる鴨の形を最初の頃はまねたものを取り付けたことから《鴨居》と言うようになった。                     ⑷  神社の鳥居に対して、くぐる部分を《鴨居》と呼ぶようになった。                                                 この四点の中で、一番近いのが、⑴の上居が、対する下居の『敷居』がある分で確率は高いです。

③https://www.lixil.co.jp/reform/yougo/kouhou/shitsunai/34.htmより部屋の室内の造作の用語

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   鴨居は③のイラストのように、開閉する障子の上に鴨居と呼ばれる横木があります。この「鴨居」は「鴨+居」で構成されます。では鴨とは何んでしょうか。かって、鴨とは水鳥の総称を言い、浮かぶ鳥を意味していました。すなわち下の床と上の天井の間に浮いたようにある水平の横木です。さらにあとの居ですが、これは人がくぐるという意味がありました。居はくぐるの意味があることから、鳥居にも使われ、ここをくぐって神社の中に入るのです。やはりこれが鴨居の意味です。

④https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/lifestyle/nageshi/より引用の鴨居と長押(なげし)の違い

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   他の説では、噛む居のこととしています。鴨居は建具が倒れないよう(④の写真)に溝のある構造で、支えていて、噛む居→「かむい」から鴨居。この場合の鴨は当て字です。なるほど、床に敷いてある敷居の「敷+居」に対して「噛む+居」=鴨居は理屈が合っているように思えます。居が付くのは鳥居と同様、やはり鴨居も敷居も「居=くぐる」意味からです。家を火事から守るという意味合いからも火を避ける様に、水辺に住んでいる鴨の形をした物を、鴨居に取り付けたらしいです。

⑤https://meaning-book.com/blog/20180921133311.htmlより引用の「カモにする」のイラスト

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   その他に『鴨』という漢字は、私たちの周りにまだまだあります。⑤のイラストの「カモにする」は良い意味ではありません。なんでも簡単に応じてしまう人のことをいいます。類似語には「いいカモ」があります。また良い例えとしては「いとこ同士は鴨の味」→いとこ同士の夫婦は、とても仲がよいということのたとえ。味がいい鴨肉のように、仲がいいという意。「鴨の水搔き」→気楽そうに見えても、人知れぬ苦労があることの例えのんびりと浮かんではなく、必死に掻いている。

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