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第1166回 クマゲラ
①https://www.istockphoto.com/jp/イラスト/より引用のエボシクマゲラのイラスト
①のイラストは本当はクマゲラの仲間のエボシクマゲラだそうです。容姿は全身真黒の礼服に、真っ赤なベレー帽を被っているような、黒装束のキツツキです。東北では、ヤマガラスあるいは赤い帽子をかぶったカラスなどと呼ばれています。クマゲラは北海道や東北地方でも北部にしか見れない国内最大級のキツツキです。アイヌの人々は、「舟を掘る鳥」と呼んでいたほか、クマの居所を知らせる鳥、道に迷った時に道案内をしてくれる神とも言われているほど、神格化されています。
②http://www.forest-akita.jp/data/bird/34-kumagera/kuma.htmlより引用のクマゲラ(左側がオス、右側がメス、共に体長約46㌢)の家族
クマゲラは日本に分布するキツツキ科の構成種では最大種で、和名のクマ(特大のの意)の由来になっています。後頭の羽毛は伸長する冠羽です。全身は黒い羽毛で被われ、英名(black woodpecker = 黒いキツツキ)の由来になっています。また種小名martiusは軍人の意で、黒い羽毛が軍服を連想させることに由来しています。オスは頭頂から後頭にかけて赤い羽毛で被われ、メスは後頭のみ赤い羽毛で被われ、果実も食べ主に枯れ木や切り株の内部にいる獲物の蟻を捕食する雑食性の野鳥です。
③http://blog.livedoor.jp/kitanohotaruya/archives/9291625.htmlより引用の激しく木を掘るため、「舟を掘る鳥」と言われるクマゲラ
クマゲラは②の写真のように、4〜5月の繁殖期になると枝の無い表面が滑らかな大木や枯れ木に穴を空けて営巣します。ヘビやクロテンなどの天敵が登ってこない10m以上の高さがある位置に、クチバシを起用に使って直径25cm深さ60cmほどの巣を作ります。一度の産卵数は2〜6個で、約12〜14日の雌雄による抱卵(夜間は主にオス)を経て卵は孵化します。育雛は孵化直後のみオスが行いますが、基本的には雌雄が給餌などを、協力して行います。24〜30日で巣立っていきます。
④https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1516.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jpより引用のクマゲラの波状飛行
クマゲラは波形飛行という羽ばたいては羽を閉じる。その繰り返しによって、飛行する形が波状になり、スタミナを出来るだけ温存する飛び方をします。この飛び方はヒヨドリやセキレイの仲間もします。キツツキ類は波形飛行をする鳥が多いですが、クマゲラはキツツキ類の中でも直線飛行に近い飛び方をします。クマゲラは飛行時には「コロコロッコロコロッ」と低い声で鳴きますが、木にとまると「キョーン、キョーン」と甲高い声で鳴きます。勿論ドラミングも繁殖期にします。
⑤街中に進出のコゲラ(体長約15㌢)
クマゲラは北海道や青森県、秋田県の北部に生息し、北海道では常緑針葉樹林・落葉広葉樹林・混交林などの様々な森林、東北地方では主にブナ林に生息する限られた地域のキツツキですが、もともとキツツキは代表格のアカゲラにしても、どこでも見れる野鳥ではありません。同じキツツキでも一番小さなコゲラは、最近は街中に進出してきて、私のマンションの植え込みにも現れ「ギーギーギー」って鳴きます。 体長約15㌢、クマゲラの三分の一の大きさです。小さな樹木で充分です。