第903回 鳥の漢字の意味
①https://okjiten.jp/sp/kanji58.htmlより引用の鳥の象形文字
①の図解は象形文字です。「とり」の象形から「とり」を意味する「鳥」という漢字が成り立ちました。「鳥」によく似た漢字で「烏」がありますが「とり」ではありません。音読みはチョウでとり。「鳥獣・鳥類/益鳥・花鳥・窮鳥・禽鳥 (きんちょう) ・禁鳥・候鳥・白鳥・飛鳥 (ひちょう) ・放鳥・野鳥」訓読みはとり(どり)「鳥居・鳥肌/小鳥・水鳥・椋鳥 (ムクドリ ) 」難読は、飛鳥 (あすか) ・善知鳥 (うとう) ・啄木鳥 (キツツキ) ・鳥渡 (ちょっと) ・玄鳥 (つばくらめ) ・鳥座 (とぐら) ・鳥屋 (とや) ・時鳥と霍公鳥 (共にホトトギス)
②-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/wataruyagawa/entry-12440152833.htmlより一番当て字の多いホトトギス
②-2.アホウドリ(体長約91.5㌢)
⑴アホウドリ→信天翁 中国では、鷹(を天と信じて)の落とした魚を食う、運を天にまかせている鳥と思われていた。天から魚が降ってくる事を信じている馬鹿な鳥の意味。
⑵イカル→斑鳩 中国語の斑鳩(はんきゅう)から
中国ではキジバトのことをさす。 ⑶ウトウ→善知鳥 義理人情の厚い、善を知る鳥
ヨシが茂る場所に生息するので『葦(善し)+ちどり(知鳥)』 ⑷カッコウ→閑古鳥
⑸キツツキ→啄木鳥 クチバシで物を突いて食べることを『啄』。木を突付いて餌を探して食べるので『啄木鳥』
②-3.ホトトギス(体長約28㌢)
⑹クイナ→水鶏 中国語の水鶏(すいけい)から
体型が鶏に似て、水辺に生息。肉が水っぽい。 ⑺トキ→朱鷺 中国語の朱鷺(しゅろ)から 朱色の鷺で朱鷺(サギ科でなく、トキ科だが、同じコウノトリ目) 旋目 朱鷺は誤り。中国の文献にある字だけで推測して朱鷺=トキとした。
⑻ヒバリ→雲雀 中国語の雲雀(うんじゃく)から
雲に届くほど天高く飛翔する雀に似た鳥。晴れた雲の間で鳴くので。 ⑼ホトトギス→1.霍公 奈良時代の万葉集 2.郭公 平安時代から(本来はカッコウに用いられるべき) 3.不如帰 中国語の不如帰(ふにょき)から
鳴き声をプルクイチュ不如帰去(帰り去くに如かず)と聞いて。4.杜鵑 中国の故事、杜鵑啼血から。5.時鳥 夏だけ鳴く鳥。
②-4.モズ (体長20㌢)
(10)ミミズク→木菟 中国語の木菟(ぼくと)から
足が太く、羽毛で覆われていてウサギに似るから
兎のように羽角があるから、木に棲む兎で木菟。 (11)コゲラ→小啄木鳥 漢字にすると長くなる鳥。 (12)モズ→百舌鳥 中国語の百舌鳥(ひゃくぜつちょう)から コゲラ、モズ だけが漢字より発音短い。(13)ヤマガラ→山雀 中国語の山雀(さんじゃく)
雀の字をガラと読ませるのは、雀を麻雀(あばたの雀)とも書くように、ガラは柄で、雀の斑点のこと
(14)ヤマショウビン→山翡翠=ヤマセミ
(15)ユリカモメ→百合鴎 優麗鴎 優雅できれいなカモメ。
②-5.オオルリ(体長約16㌢)
(16)アオサギ→蒼鷺 蒼は顔面蒼白の蒼。
(17)アオジ→青蒿 蒿はヨモギやヨモギのように背の高い草。アオジの好む生息環境を表している。
(18)アトリ→花鶏 オレンジなどの複雑で美しい体色から。獦子鳥 大群を作るので、まるで獲物を追いたてる勢子(せこ)のようだから。 (19)ウ→鵜 中国ではペリカン。中国でウは鷧 (20)オウチュウ←鳥秋 黒いので『カラス』、『秋』=鳥がヒラヒラと舞う。
(21)オオルリ→大瑠璃 瑠璃は仏典の七宝の一つ。
②-6.カイツブリ(体長約26㌢)
(22)カイツブリ→鳰 国字 元来は鸊鷉(へきてい)
(23)カササギ→鵲 昔(しゃく)はカササギの鳴き声から。烏は唖唖と鳴き、鵲は唶唶(せきせき)と鳴く。鵲音 うれしい便り 鵲喜 吉事の前兆、カササギがさわぐと福が生じる。鵲声 吉事の兆し (24)クジャク→孔雀 孔は子+乚(するりと抜け出ることを示す符号) 子が産道を通って出てくる情景。『あな』を意味する。抵抗なくするりと通る穴のイメージから、空間的にゆったりとして大きいというイメージに展開。 (25)シノリガモ→晨鴨 晨(しん)は星の名 白斑などを星座に見立てた。
(26)ジョウビタキ→尉鶲 尉は『白髪の老人』『下に残り火があり、上は白い灰になっている炭火』
②-7.メジロ(体長約12㌢)
(27)チュウヒ→沢鵟 沢に住むノスリ 沢とは『水が浅くたまった所、草木が生えている湿地』
(28)ツクシガモ→筑紫鴨 筑紫は筑前筑後(福岡県)(29)ブンチョウ→文鳥 文(あや、模様の意)があって美しいので。 (30)ミズナギドリ→水薙鳥 『薙ぐ』は、刀や鎌を素早く横に振って草などを切ること。『凪ぐ』は風が止んで水面が穏やかになることでおかしい。 (31)メジロ→繍眼児 眼の周りの白い部分が刺繍のよう 児は『小さな愛すべきもの』 (32)ヤツガシラ→戴勝 戴(頭に物を載せる) 勝(婦人の髪飾り)