第2098回 ジョン・ジェームズ・オーデュボン
①http://earth-words.org/archives/15058より引用のアメリカの鳥類画家及び鳥類研究家のジョン・ジェームズ・オーデュボン
①のタイトル写真はアメリカ合衆国の画家・鳥類研究家のジョン・ジェームズ・オーデュボンです。北アメリカの鳥類を自然の生息環境の中で極めて写実的に描いた博物画集の1838年に発表されました『アメリカの鳥類』によって知られました。また鳥類研究家と致しましてはオーデュボンは画集と並行して文筆活動も行なっていました。1820年から1821年にミシシッピ川、1843年にミズーリ川を蒸気船で旅して動植物やアメリカ先住民について日記に記録します。『鳥類の生態』で鳥の説明を書き、鳥への愛着を表明しています。
②-1.https://www.meisterdrucke.jp/artist/John-James-Audubon.htmlより引用のLouisiana Heronの写実画
②-2.https://www.audubon.org/birds-of-america/snowy-owlより引用のSnowy Owl
②-3.https://walpa.jp/products/detail.php?product_id=120835より引用のWhite Pelican
②全ての絵画は北アメリカの鳥類を自然の生息環境の中で極めて写実的に描いた博物画集の『アメリカの鳥類』です。画集『アメリカの鳥類』は、1827年から予約販売され、オーデュボンの水彩画を元にした彩色銅版画が収められました。彩色銅版画は435枚に及びました。『アメリカの鳥類』の解説書として、スコットランド人の博物学者ウィリアム・マクギリヴレイとの共著で『鳥類の生態』という全5巻の画集を発表しました。1839年にアメリカ合衆国に戻り、アメリカ版の『アメリカの鳥類』を出版しました。標本を元にして描かれる事の多かったそれまでの博物画と違い、オーデュボンの画集では生きた鳥が自然の生息環境の中で躍動的に描かれていて、一羽一羽の鳥が実物大の大きさで描かれているのも大きな特色です。
③https://blog.goo.ne.jp/fagus06/e/e4b044f647098f7f1cedbbe896f35664より引用のオーデュボンの代表的な鳥類画集『アメリカの鳥類』
ジョン・ジェームズ・オーデュボンが、10年以上の歳月をかけて完成させた北米の鳥の図版435枚は、黒船のペリーが来航の際には将軍への贈り物として献上され、今もなおアメリカの宝とうたわれる世界的名作です。白鳥、鷹、インコ、フラミンゴとさまざまな鳥たちが実物大に、色鮮やかに、躍動感たっぷりに描かれています。生きた鳥を観察し続けたオーデュボンだからこそ描けた野生の鳥の姿です。事業の失敗で破産したオーデュボンは『アメリカの鳥類』に再起をかけたが米国内では出版元が見つからず、苦労の末にイギリスで出版し、大成功を収めました。当時でも一般人の年収をはるかに超える極めて高価なこの画集の一冊が、2010年10月7日、ロンドンのサザビーズで競売にかけられ、印刷された書籍としては史上最高額の732万1250ポンド(約9億6500万円)で落札されました。日本では、伊坂幸太郎の推理小説『オーデュボンの祈り』(2000)に、オーデュボンのリョコウバトの話が多く用いられ、この小説の世界観の構築に役立てられています。一方米国では、世界的に有名人物のオーデュボンはアメリカの自然保護に関心を寄せた最初の人物とみなされており、 アメリカ最大の自然保護団体は『オーデュボン協会』と命名され今日まで続いています。
④http://www.phantom-film.com/americananimals/sp/より引用の映画American Animals
このアメリカの鳥類学者であり野鳥画家のオーデュボンが制作した画集『アメリカの鳥類』。下のフラミンゴなども実物大で描かれているため、本のサイズも縦1㍍×横68㌢と超大型です。本を開くと、縦1㍍×横1.3㍍になるわけです。そんな超高価な画集を盗むというスリリングな映画『アメリカン・アニマルズ』があります。『アメリカの鳥類』やダーウィンの『種の起源』初版本を所蔵しているアメリカの某大学で「人生を変えたい」という学生4人が、その貴重な収蔵品を盗むという大胆な計画を立てます。1回目は、4人とも老人に変装して図書館の特別室に入ろうとするものの、1人しかいないはずの司書が3人いたために急きょ中止。一旦は強奪をあきらめ、後日作戦を練り直した再度挑戦するというものです。この映画での鳥好きとしての必見はオーデュボンが描いた鳥の絵で、特にエンドロールでは、イヌワシ、ハヤブサ、フラミンゴ、クロエリセイタカシギなどの美しい絵が画面いっぱいに映し出されることです。
⑤-1.https://www.audubon.org/conservation/science/christmas-bird-countより引用のクリスマスバードカウントの様子
⑤-2.https://item.rakuten.co.jp/toppin/hm-46500/?より引用のオーデュボン バードコール
鳥を救うために、クリスマスの慣習を変える試みをしていますのが、博物画の本『アメリカの鳥類』を作ったジョン・ジェームズ・オーデュボンを記念する名称であります全米各地に支部を持つ自然環境保護を目的とする団体の全米オーデュボン協会は、ニューヨーク市に本部を置きます。アメリカ大陸におけるクリスマス恒例の狩猟は⑤-1.の写真のような、この協会のクリスマス・バード・カウントを行うことにより、それまでの1900年では、当時流行りの休日の慣習は、クリスマスの「サイド・ハント」で、目にした動物をすべて撃つために野外へ出ることでした。そんな狩猟の習慣から鳥を撃つのではなく数を数えに野外へ出るという物です。そんな時に⑤-2.の鳥笛と言われるバードコールで、鳥を呼び集めるよう試みたりして、楽しんで鳥類保護をするというものです。
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