![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69947175/rectangle_large_type_2_6f9e96c4fd276655cf55554c29ef9bfa.jpeg?width=1200)
第1903回 長いものが短いものを虐める
①https://www.google.co.jp/amp/s/www.tasseisyaenomichi.net/entry/2018/11/01/163045%3famp=1より引用の長いものには巻かれろのイラスト
①のイラストは「長いものには巻かれろ」ということわざのイラストですが、その意味は「自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが無難で得策であるというたとえ」ですが「長いもの」というのは漠然としていますが、権力や社会的な強者を指して使われています。この場合は、むしろそれ以上明確にしないことによって、ことわざの威力を増しているようです。ここまで、人間社会の話しであり、イラストの「長いもの」=『大蛇』が獲物を巻きつけた時には、肋骨がおれ、窒息死した挙句に飲み込まれる運命だと言わざるを得ないです。この回では、鳥達の世界にもある弱肉強食の事実が浮かんできます。
②-1.Twitterより引用のホトトギスのウグイスに対する托卵
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69960095/picture_pc_a0d21fe3028d2cfd6f342a33098b3523.jpeg?width=1200)
②-2.http://www.birdfan.net/2019/08/23/72791/より引用のホトトギス(体長約28㌢)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69975704/picture_pc_bd1d54055a1d93ce7c454b0a7122edef.jpeg)
②-1.の写真はウグイスがホトトギスに托卵され、そのホトトギスがウグイスの営巣に産み落とした卵が孵化し、ホトトギスのヒナの産まれて初めての仕事が、借宿のウグイスの卵を背中で巣の外に排除して、自分だけ親鳥ウグイスの給餌を独占致します。ウグイスの体長は約14〜16㌢、托卵を仕掛けた②-2.のホトトギスは体長約28㌢。ウグイスの二倍くらいの大きさです。写真をご覧になってお解り頂けますように、給餌されているホトトギスのヒナの方が親ウグイスよりも大きいのです。大きなホトトギスが自分より身体の小さなウグイスに強制的に子育てをさせてるみたいです。
③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/miao10.exblog.jp/amp/13494543/より引用のオナガ(体長約36㌢)の子育て
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70004740/picture_pc_fafeaffe8bdfab0871040ac351bf4377.jpeg?width=1200)
③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/asitahuku.exblog.jp/amp/13131387/より引用のオナガを襲うハシブトガラス(体長約56㌢)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70005016/picture_pc_c69f04863633382f8154c1214dcc624d.jpeg?width=1200)
③-3.http://www.birdfan.net/2021/09/10/83216/より引用の猛禽類最小のツミ(体長約27〜30㌢)
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70007386/picture_pc_c83586cc41a2e68c315db9363c0e6bd6.jpeg)
③-4.http://kurome.asablo.jp/blog/2011/06/10/5904552より引用のツミがハシブトガラスを襲う
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70005067/picture_pc_ebbac73fcfa44052a20f53d5ed3082f4.jpeg)
③-1.の写真の留鳥のオナガは以前の「尾っぽの長い鳥」にも登場致しましたカラスの仲間です。現在、1980年代以降西日本で繁殖は確認されておらず、留鳥として姿を見ることはなくなったと言います。九州の個体群については近年になって分布を拡大し続けているカササギとの競争に敗れたという説もあります。このように分布域を狭めてはいますが、東日本に集結するような気配もあるといいます。そんなオナガが生息数を減らす原因のひとつに③-2.の写真のように、カラスがオナガのヒナを餌にしたりすること、長いものに巻かれろではないオナガの巻き返しは、③-3.の写真の猛禽類のツミと共生関係を持ちます。それは、わざとツミの営巣の近くに複数のオナガも営巣します。もしカラスが自分たちの巣を襲うようなことがあれば、周りのオナガがツミに知らせる様に鳴き立て、それを聞いたツミも③-4.の我が子を守る為にカラスを迎撃します。オナガも助かります。
④-1.http://www.tanpopo-law.jp/article/15431676.htmlより引用のカッコウに托卵されたオナガ
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70008804/picture_pc_8058af8afd46239ae4ce79a3a066deed.jpeg)
④-2.http://www.birdfan.net/2016/09/30/46497/より引用のカッコウ(体長約35㌢)
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70008868/picture_pc_0e74776ccd1d9fab1ea94d785e493a3e.jpeg)
オナガという鳥も不思議な鳥です。カササギとの抗争から、西日本を追われて、東北に止まったのか、また、前項のようにカラスにヒナを餌食にされるからか。また、共生のはずの猛禽類のツミにも、冬期の餌の乏しい時に自分自身も餌食になったり。なぜ自分より大きな鳥や、強い鳥に餌食にあうのか。またここに来て、④-1.の写真のように、今度はカラスや猛禽類ではなく、④-2.のカッコウの托卵先になっているようです。本来なら、カッコウの托卵先は、モズやオオヨシキリ、セキレイ、ノビタキですが、この中のオオヨシキリやノビタキ等は、営巣を離れる振りをして、カッコウが現れるのを待ち、応酬すると言います。他の托卵先の鳥等も何らかの対応をし、カッコウは新しい托卵先に騙されやすいオナガを選びました。
⑤-1.https://mori3066.at.webry.info/201707/article_7.htmlより引用のヤイロチョウの子育て
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70010778/picture_pc_6c492e55837858272937211a2daba15e.jpeg?width=1200)
⑤-2.https://mori3066.at.webry.info/201707/article_7.htmlより引用のヤイロチョウ(体長約18㌢)
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70010992/picture_pc_cd880c767e147de499ff64e43fa6d4ee.jpeg)
⑤-3.http://kogera2002.blog.fc2.com/blog-category-12.htmlより引用のサンジャク(体長約70㌢)
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70011163/picture_pc_4db2615297ba5ec3225fa8a0399c6eff.jpeg)
⑤-1.の写真は以前の「尾っぽが短い鳥もいる」で紹介致しました夏鳥のヤイロチョウの子育ての様子です。⑤-2.の写真のようにヤイロチョウはとても構造色を持ち合わせた鳥で、身近ではありませんが、カワセミと肩を並べるような尾羽の短さと綺麗さは目を惹きます。オナガのように繁殖地が固まるように、このヤイロチョウも高知県の四万十川周辺がそのようです。そんなヤイロチョウは生息数は減少していまして、その新たな原因のひとつに⑤-3.のカササギと同じくやはり尾羽の長い外来種のサンジャクが関わっているようです。サンジャクは中国中南部等に分布するカラス科の外来種。雑食性で、果実や肉、他の野鳥の卵等も食べるとされ、ここでも長いものに巻かれます。