第795回 やっぱりシジュウカラ(9回目)
①お馴染みのシジュウカラ(体長約14㌢)
最近本当に街中に進出してきたシジュウカラ。前まではメジロやウグイスなんかと一緒に春の野鳥のイメージが強くて、季節感のある野鳥だと思っていましたら、今や年がら年中にこのサラリーマンのようなネクタイ姿をあちこちで見ることが出来るようになりました。これを喜んでいいのか悪いのかはこれからの見届けの必要があると思います。思い起こせば、私が初めてバードウォチングに出かけた際に、一番最初に出会ってくれたのが、このネクタイを締めたシジュウカラでした。
②https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2199/?ST=m_newsより引用の活力あるシジュウカラ
シジュウカラは最初に申し上げたように、胸の黒いネクタイが目印です。まずシジュウカラを見つけるポイントは鳴き声の「ツーツー、ピー、ツツピー」と聞こえたら、白い身体に灰っぽい色の翼に黒いネクタイ姿。その黒いネクタイが太いのがオスで、色合いがやや淡くて、ネクタイが細いのがメス。この判断が一目で判断できるのがシジュウカラです。また繁殖の際にはメスは色鮮やかな羽毛で、太くて黒々としたネクタイで、胸部に派手な模様のあるオスほど繁殖相手に選びます。
③虫を食べることには大食感のシジュウカラ
シジュウカラなど虫を主食とする鳥はそれでも沢山の虫を食べます。特に繁殖期にヒナを早く育てるためには虫などの高カロリーのタンパク質が重要です。シジュウカラ一羽が一年間に食べる虫の量をガの幼虫に換算すると、十二万五千匹にもなると言われています。研究者によりますと、アメリカシロヒトリというガの4287個の卵から、幼虫、さなぎを経て成虫になれたのは僅か七匹だったそうです。それを一年に換算してみますと、一日約340匹以上の虫を食べたことになります。
④似た者同士が集まるシジュウカラ
またシジュウカラは慎重派です。春先に餌台にみかんやピーナツなどの好物を置かれたら、いの一番に近くの木の枝や電線に現れるのがシジュウカラで、しかし、すぐに餌台に向かうのはシジュウカラより体長の小さな甘いもの好きなメジロで、我先にとみかんを頬張ります。そうこうするうちに同じく甘いもの好きのヒヨドリがやってきて、メジロを蹴散らし我が者顔でみかんを独り占めします。そんなやり取りを見て後から食べるシジュウカラにはいつも似た性格の同種がいます。
⑤http://chujume.littlestar.jp/06_torimemo/2009/2009-03-10.htmより引用の餌付けになってクチバシに変化が見られるシジュウカラ
一番最初に申し上げたシジュウカラの街中進出は、街中でも採餌が可能だからこそ、生活基盤を街中まで広げてきました。また人の生活も自然環境を取り入れる傾向が起きていて、小さな事で野鳥が好むガーデニングなどを施して、野鳥が来やすくしています。そのひとつが冬場の餌の乏しい時期の餌台です。しかし「カラス」には食べられたくないので、ケージに入れ防ぎますが、シジュウカラもクチバシを差し入れて採餌するしかなく、そのため、クチバシが伸びてきたようです。