第2096回 かつては帰巣本能と渡りを兼ね備えた鳥がいた
①https://ja.m.wikipedia.org/wiki/より引用の渡りをしたリョコウバト(体長約40㌢)
この世の中には、帰巣本能がある鳥は、代表的なものとして、鳩の仲間があがります。その鳩は伝書鳩といい、ドバトの改良種で、訓練して通信に利用する鳩の原種はカワラバトとされ、その帰巣本能を利用したもので、その実用通信距離は約200㌖。新聞社などの通信用のほか軍事用としても使われましたが、現在では鳩レースなどに利用されています。レース鳩も同じ種の改良種です。そんな帰巣本能を持ち合わせていますドバトをはじめとします鳩の仲間は、その優れた本能を持ち合わせているのにも関わらず、渡りはしません。
②-1.https://www.birdfan.net/2017/04/07/51682/より引用の大きな猛禽類のオオワシ(体長約89〜102㌢)
②-2.https://www.birdfan.net/2015/05/29/35370/より引用の小さな夏鳥のヤブサメ(体長約10㌢)
すべての鳩の仲間に帰巣本能があるのならば、皆さんもご存知のように鳥の仲間には身近なツバメやカモの仲間をはじめとします渡鳥がいます。いま、日本に於いては渡りを致しませんスズメやカワセミなどの留鳥が約四割で、夏鳥や冬鳥、漂鳥、旅鳥、迷鳥を含めた鳥を渡鳥と致しますと約六割にあたります。ツバメはフィリピンやベトナム、マレーシア、インドネシアなど遠く南の方からはるばる日本に繁殖のために帰ってきます。これを距離にすれば、約2,000~5,000㌖にもなります。また大きな鳥の渡鳥は冬鳥としてやってきます③-1.の写真の猛禽類のオオワシはロシア東部からやってきます体長およそ1㍍近い大型から、③-2.の写真のウグイスの仲間のヤブサメは東アジアから繁殖の為にやってきます体長約10の最小です。
④-1.https://animalbattles.wealthyblogs.com/?p=5784より引用の左二羽がドバト(体長約33㌢)右一羽がキジバト(体長約33㌢)
④-2.https://www.birdfan.net/2013/09/20/24275/より引用の夏場に群れをなして海辺の磯に海水を飲みにやってくるアオバト(体長約33㌢)
日本の鳩の仲間には、④-1.の写真の元はといいますと、ヨーロッパからきた外来種の集団力の高いカワラバトが元のドバトと、いまでは街中にどんどん進出しています単体行動のキジバトと、いつもは殆ど山中の樹上生活をして、④-2.の写真のように、夏場になりますと、集団で海の磯辺にミネラル補給のために海水を飲みにやってきますアオバトの三種が身近な鳩で、あとはカラスバト、キンバト、ベニバト、シラコバトの全七種が日本に分布する鳩です。これらの鳩は、シラコバトのように埼玉県鳥に指名されているなど、留鳥性の高いことで知られ、鳩に渡鳥はいないことです。
⑤https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9671/?ST=m_newsより引用のリョコウバトの剥製
帰巣本能と渡りはよく似てはいますが、実は違う本能だといいます。「帰巣本能」は鳥に限らず動物が不慣れな地域を通って元々暮らしている場所に辿り着くことを可能とする生来の能力のことです。元々の場所は、縄張りや巣などに戻ることです。「渡り」は地磁気を感じ取るセンサーを持ち、このセンサーを用いたナビゲーション能力を持っているとされます。海馬に認知地図を持つとも考えられています。オオミズナギドリの場合、何らかのにおいを頼りにしているとする研究結果があります。もう絶滅してしまいました鳩の仲間に①のタイトルイラストやこの⑤の剥製写真のリョコウバトがいました。鳥類史上最も多く生息していましたが、乱獲によって20世紀初頭に絶滅しました。その名の通り渡りを行う鳩で、夏の営巣地はニューヨークから五大湖周辺にかけて、越冬地はメキシコ湾岸が主でした。移動速度は時速約96㌖に及んだといい、巨大な群れを作るのが特徴で、ウィスコンシン州の営巣地で約2200平方㌖に1億3600万羽が確認された例もあります。1810年にケンタッキー州の営巣地の群れについて、22億3000万羽以上と推計がされた記録もありました。
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