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第1047回 暦の中の鳥(1/6〜4/9)

①https://www.543life.com/campus111.htmlより引用のイラスト

   遠い昔から暦は古今東西で作られていました。その暦の背景には自然の風景や日々の空模様があり、四季折々の草花や色んな動物や虫なんかも登場して毎日の変化を表しています。そんな暦の中にも色んな鳥たちが情景を映し出しています。因みに「陰暦月名」で一月は睦月(むつき)  鳥はなし    二月  如月(きさらぎ)、または雁帰月(かりかえりづき)、星鳥(せいちょう)、三月  弥生(やよい)、またを雛月(ひいなつき)  四月  卯月(うづき)、またを鳥月(とりづき、ちょうげつ)、鳥待月(とりまちつき)、得鳥羽月(えとりはづき)、鳥来月(とりくづき)  五月  皐月(さつき)  鶉月(うずらづき)(じゅんげつ)  六月  水無月(みなづき)または鶉火(じゅんか)  七月  文月(ふづき) 鳥はなし  八月  葉月(はづき)  雁来月(かりきづき)、燕去月(つばめさりづき)
九月  長月(ながつき)、十月 神無月(かんなづき)  十一月  霜月(しもつき)  十二月  師走(しわす)  九月から翌年一月までは鳥の名前はありません。

②https://www.ken22.com/2017/05/13/キジの鳴き声/より引用の雉始鳴(雉初めて鳴く)

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   この②のキジの母衣打ちは「七十二候」の第六十九候「雉始雊(きじはじめてなく)」 一月の15〜19日頃、七十二候が小寒の末候に変わり、キジのオスがメスを求めて鳴き始める頃となります。キジのメスは全体的に茶褐色をしていますが、オスは目の周りに赤い肉腫があり、深緑色を主色とした長く複雑美麗な羽をもっています。早春の発情期になると、オスは「ケーンケーン」と甲高く鋭い声で鳴いて縄張り宣言をします。大昔は一月から三月が春とされ、一月は早春にあたりました。

③https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/malama-wainani/entry-12437162456.htmlより引用の鶏 鶏始乳(鶏初めて鳥屋に就く)

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   第七十二候「鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)」 1/30~2/3頃は七十二候が大寒の末候に変わり、春の気配を感じた鶏が卵を産み始める頃となります。「乳す」の意味は、鳥が卵を産むということです。養鶏が中心となった現代では分かりづらい状況となってしまいましたが、本来、鶏の産卵期は春から初夏にかけてで、卵はその時期にしか産まない貴重品でした。今は季節を問わず店頭に並ぶため旬の感覚は希薄ですが、卵の旬は二~四月。春の卵は栄養価の高い食料と言えました。

④ウグイス 黄鶯見睨(鶯鳴く)

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   第二候「黄鶯睍睆 (うぐいすなく)」 2/9~2/13頃
七十二候が立春の次候に変わり、山里ではウグイスが鳴き始める頃となります。「睍睆」とは鳴き声の良いという意味で、その美しい音色からウグイスは、オオルリコマドリと共に日本三鳴鳥に選定。「ホーホケキョ」という、ウグイスおなじみのさえずりは雄のみで、気象庁ではこのウグイスのさえずりを初めて聞いた日を「ウグイスの初鳴日」とし、梅や桜の開花とともに観測しています。別名「春告鳥」や「報春鳥」と呼ばれます。

⑤http://suzumeshiki.blog.fc2.com/blog-entry-844.htmlより引用のスズメ 雀始巣(雀初めて巣くう)

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   第十候「雀始巣 (すずめはじめてすくう)」 3/20~3/24頃  七十二候が春分の初候に変わり、スズメが巣を作り始める頃となります。昼の時間が少しずつ伸びる春から夏にかけては、スズメにとっての繁殖期で、早朝から夕方まで、枯草や毛をせっせと集めて巣作りを始めます。「雀の巣」、そして春に生まれた雀のひな鳥「雀の子」は、春の季語。田畑や人家のすぐそばに棲息するスズメは、古くから日本人にとって最も身近な存在で、俳句や民話などに用いられることも多い野鳥です。

⑥https://kaiun-net.com/tsubame-sudathi/よりツバメ 玄鳥至(燕来る)

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   第十三候「玄鳥至 (つばめきたる)」 4/4~4/8頃
七十二候が清明の初候に変わり、夏鳥のツバメが渡来する頃となります。「玄鳥 (げんちょう)」とはツバメの異名で、黒い鳥という意味です。冬を暖かい東南アジアで過ごしたツバメたちは、繁殖の為、春になるとはるばる海を渡って生まれ故郷日本に帰ってきます。ツバメが飛来してきたら、本格的な農耕シーズンの始まりです。ツバメは米などの作物を荒らさず、害虫だけを食べてくれる益鳥として親しまれ、民家に巣作りをします。












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