第968回 鳥の体温測定
①YouTubeより引用の鳥の体温測定
全体的にみて、鳥の体温は高いように思います。実際に、子供の頃にヒヨコを飼っていた時、手にヒヨコを抱えているとあったかいを通り過ぎて少し熱かったような感触が今でも残っています。その体温を維持するために、箱にちぎった新聞紙を敷いて、豆電球を付けてあげていました。体温が高い故にそれを維持するためだと思っていました。手乗りにしたセキセイインコを飼っていた時も、ケージの外から中に入れるため、手の平に包んで入れた時も同じく体温の高さを感じました。
②ノスリ(体長約52〜57㌢)
⑴体温40°以上→1.アヒル、カッコウ42.1° 3.ハシボソガラス、ノスリ42.0° 5.オオタカ41.9° 6.カワラバト、ユリカモメ、ミソサザイ41.8° 9.ライチョウ41.7° 10.ハクチョウ41.6° 11.ニワトリ、スズメ41.5° 13.ハヤブサ、ホシムクドリ41.3° 15.七面鳥、ハイタカ41.2° 17.モリフクロウ、キツツキ41.0° 19.アオサギ40.9° 20.カモメ、フクロウ、鶴40.8° 23.ペリカン40.7 24.鳩(昼)40.5°【鳩(夜)36.4°】25.鴎40.3° 26.アマツバメ40.1° 27.カワセミ、ヨタカ、コウノトリ40.0°
③ドバト(体長約33㌢)
鳥の体温が高いのは、これによって新陳代謝を促進させて、空を飛ぶという激しい運動に伴う大きなエネルギーを得るためです。また自動車で言えば、いつでもただちに高速回転できるように常時アイドリング状態を保つ役割もあります。従って、鳥にとって高い体温は必要不可欠な機能です。鳥類は哺乳類と同じように、体内で自ら熱を生産し、体温調節する恒温動物で、外に熱が逃げないような機構を備えていますが、鳥類の場合、羽毛がその働きにおいて重要な役割を担います。
④アホウドリ(体長約91,5㌢)
⑵体温39.9°以下→27.アホウドリ39.3° 28.カイツブリ、エミュー、アカフトオハチドリ39.0° 31.
キーウィ38.4° 32.ダチョウ38.3° 33.ペンギ38.0° 34.キングペンギン37.7°となっています。上記の野鳥は鳥類の中でも体温が低い方で、42°前後あるカッコウは、様々なレベルの体熱産生を伴う能動的な体温調節の例が発見され、哺乳類・鳥類においても、ナマケモノやカッコウのように変温動物といっていい体温調節を行うものがいます。しかしカッコウは抱卵時の体温は低いです。
⑤飛行するドバト
もうひとつの体温の高いドバトは、恒温動物であれば、体温を下げる方法として一般に水分の蒸発方式をとっています。この場合、鳥類はパンティング(あえぎ呼吸)による蒸発方式があり、汗腺のない鳥や、犬のように全身をびっしりと毛でおおわれた哺乳類は、パンティングによって熱を放散します。パンティングでは口をあけて浅く早い呼吸を行ない、気道からの蒸発をさかんにして体を冷やす。パンティングの優れている点は、発汗と違って皮膚温をそのまま維持し、熱の発散します。
⑥コウノトリ(体長約112㌢)
ハトの例によると体温の高いドバトは、飛行時の休息時の七倍の熱量を発生させ、体温は急速に1~2度上昇します。鳥はパンティング以外にも体温を下げるさまざまな機構を備えています。例えば羽毛に覆われていない足の表面温度はぐっと低く、コウノトリの場合、体温40度に対して足は15度くらいで、足が放熱に最適の場所を提供していることを示しています。車でいうグラディエーターの役目をするのが足で、足を飛行中に大気に晒すだけでも体温を下げることが出来る構造です。