第1108回 スズメの危機(16回目)
①https://www.dplay.jp/article/0000043427より引用のスズメ
都会の真ん中で産まれて、育った方にはツバメを見たことがない方はおられますが、スズメを見たことがない方はおられないと思います。そのスズメがある意味で危機に晒されていると思います。かつては「チュン、チュン」「チチチ…」という可愛らしい鳴き声で、スズメは朝がきたのだと知らせてくれていました。しかし、昨今のスズメの事情は危機が迫っているとされます。日本経済新聞によれば、日本のスズメの数は1990年から20年間で半減したと推定され、存亡が危惧されます。
②https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/dasai-osamu/entry-12142880058.htmlより引用の朝のスズメ
まだまだ私の住む街には田んぼや畑がたくさんあり、スズメを見かけなくなったということはありませんが、いま私が働いている職場の建物は築80年以上経っていて、高老化が進んだので新しい建物に移転した方となりました。その敷地には植え込みもあるのですが、以前より緑が少ないからか比べてみるとスズメの数は減ったと思います。以前の古い建物ではよくスズメの巣跡や、スズメのヒナをよく見かけましたが、新しい建物ではやはり、環境が合わないのか営巣は見かけません。
③http://kaonikki256.blog74.fc2.com/blog-entry-586.htmlより引用の最近のスズメの営巣場所
私が知る限りのスズメの巣は木造住宅の瓦屋根の間にある空気孔か、戸袋に枯れ草やワラを運んで作ると言うのがスズメの巣でした。それが③の写真をご覧ください。民家には近いというものの、電信柱の上部にある角柱を使って営巣したり、また、排水口を使ったものがふえています。なぜなら昔ながらの木造住宅が高老化を迎えて取り壊され、新建材の建物がどんどん増えてきましたら、スズメもそうですが、夏鳥であるツバメも営巣出来ず、子孫を増やすことが出来ないのです。
④https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/susan1770/entry-12386374751.htmlより引用のイワツバメの巣をのっとったスズメ
まだ民家での営巣をやめて、電信柱の角柱とか、排水口とか、私も見たことがある街灯の横穴だとか、スズメたちも次の世代へと子孫を残すために必死になって巣作りをしています。このように、スズメがスズメなりに頑張っているのはわかりますが、④の写真はイワツバメの古巣?にスズメが子育てをしています。またネットではスズメバチの古巣にも営巣しています。衝撃的な映像は子育て中のツバメの営巣をヒナごと叩き落として、スズメが営巣している写真などは心が痛みます。
⑤Twitterより引用のスズメの子育て
ちょっと前までは⑤の写真のような光景かあちこちで見られました。しかし最近ではヒナや幼鳥を見ることが少ないです。調査によれば、昆虫やイモムシなどの動物性の餌が不足しているためにヒナの生存率が低下しました。餌不足はヒナのみならず、成鳥の数を減らしていることも容易に想像がつきます。また、イネ系の雑草など、スズメが好んで食べる植物性の餌も緑地減少に伴い不足してきています。餌の量の低下とともに、質の低下もスズメの減少に拍車をかけているのです。