第2140回 色んな鳥の和名事典 (な・は行)
①-1.https://www.google.co.jp/amp/s/musasino01.exblog.jp/amp/25605249/より引用のつがいのニュウナイスズメ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)
①-2.https://www.birdfan.net/2017/04/14/51887/より引用のノスリ(体長約52〜57㌢)
(188) ナキイスカ
→元々はシマイスカ(嶋交喙)と呼ばれていたが、鳴交喙と誤記された。シマは北海道のこと
(189) ナベヅル→鍋のように煤(すす)けた黒さ
(190) ニュウナイスズメ
1. 江戸時代中期から「にうないすずめ」と呼ばれ
新しい穀物を新嘗(にいなめ)といい、人より先に新嘗を食べる鳥でニイナメ、転じてニュウナイスズメ。未熟な稲の種子を好んで食べるという説も。
かつてニュウナイスズメは秋になると北方から大群で飛来して稲作に被害を与えたといわれる
※ 入内は内裏(だいり)に上がること
2. ニュウは黒子(ほくろ)のことで、雀のように頬に黒い斑がないので
3. 入内は、昔奥羽に流されて死んだ藤原実方の怨霊がこの鳥に乗り移り、内裏の食物を荒らしたという伝説から
4. 津軽領内に入内という地があり、ここで初めて捕獲されたから
(191) ノグチゲラ
→長崎県出身、北海道で開拓使職員として活躍した通訳の野口源之助氏が標本採集されたから (192) ノゴマ
1. 江戸時代から「ノゴマ」「のごとり」と呼ばれ
喉紅鳥(のごとり)→のごであったのが、コマドリに似ているのでノゴマに変化した
2. 野にいるコマドリ
(193) ノジコ
→野地子、野路子で、野地 (草原)で見られるから
(194) ノスリ
1. 野原の上を滑翔するので野擦り
2. 他の鳥の獲物を横取りすることもあり、野生の泥棒のスリのようなのでノスリとなった
3. 韓国では猛禽類にスリと付くものが多く、野原の猛禽類で野スリ
※ 他に、アビは韓国語でもアビ。ツルはツルミ
4. ノスリの古名はノセ。セはセウ(兄鷹)の略。従って野原に居るオスの鷹
②-1.https://www.birdfan.net/2018/11/30/66389/より引用のハイタカ(体長約32〜39㌢)
②-2.https://zukan.com/jbirds/internal15021より引用のハチジョウツグミ(体長約24㌢)
②-3.https://www.birdfan.net/2019/05/31/71033/より引用のハヤブサ(体長約42〜49㌢)
(195) ハイイロヒレアシシギ
→アカエリヒレアシシギは夏羽から名付けられたが、こちらは冬羽から名付けられた。冬羽を名前にすることはごく少数。英名の直訳かもしれない
(196) ハイタカ
1. 平安時代からメスは「はしたか」と呼ばれ、鎌倉時代から「ハイタカ」
鷹狩に重用されたなかでオオタカに似て、それより小さくけれど、執拗(しっこい=執着しない)鷹のことで、ハシタカかハイタカになった
2. 『疾(はや)き鷹』から
3. オスは「このり 」で『小鳥に乗りかかる』の意
(197) ハギマシコ
→江戸時代中期から「ハギマシコ」で、腹部の模様が萩の花に似ていることから名付けられた
(198) ハクセキレイ
→江戸時代中期から「ハクセキレイ」と呼ばれ、
中国での漢字名「白鶺鴒(バイチーリエン)」を日本語読みにしたことによるもの
(199) ハシブトガラス
→江戸時代中期から「ハシブトガラス」
(200) ハシボソガラス
→江戸時代中期から「ハシボソガラス」
(201) ハチクマ
→江戸時代前期から「ハチクマ」と呼ばれ、当初は「八」の字があてられていた。江戸時代中期以降は実際に主食が「蜂」なのでハチクマとなる
(202) ハチジョウツグミ
1. 江戸時代中期から「ハチジョウツグミ」「りゅうきゅうつぐみ」
2. 八丈島の鶫(ツグミ)は最初に日本で記録されたのは函館という事実があり、実際には日本より南方に生息し、遠いという印象から名付けられた
3. 八丈紬の黄八丈の色合いに似ているから。
秋田八丈に似た色
(203) ハヤブサ
1. 奈良時代から「ハヤブサ」
2. はや(速)ふさ(総)
鳥の羽が束ねられ、広げたさまが総
3. ハヤフセ(早伏)
4. 速羽
5. はや(速)+とぶさ(翼)
6. 速飛翼→速翼→はやぶさ
(204) ハリオアマツバメ
→尾羽の羽軸が突出していて、木の幹に垂直に止まり、キツツキのように尾羽で支えている
(205) ハリオシギ→外側の尾羽が細いから
(206) バリケン
→オランダ語の『山アヒル(bergeend)』から
(207) ハリモモチュウシャク
→シギと付かない。大腿部の羽毛の軸(羽軸)が長く、針状になることが和名の由来となっている
(208)バン
→水田に良く見られ『田の番をする鳥』の意味
③-1.https://www.birdfan.net/2016/06/03/43953/より引用のヒガラ(体長約11㌢)
③-2.https://www.birdfan.net/2021/07/09/82821/より引用のヒバリ(体長約17㌢)
(209) ヒガラ
1. ツツピンとさえずるのでヒンと鳴くカラの意味
2. ヒンカラとさえずるから
3. 地鳴きがヒーと鳴くカラ類の仲間から
4. 首をかしげる様子から斜視を意味するヒガラメから
(210) ヒシクイ
1. 平安時代から「うかり」と呼ばれ、室町時代から「ひしくひ」と呼ばれた
2. 菱の実を食うのでヒシクイだが、四亜種中で、亜種オオヒシクイのみが主食にしている。また果実に太い四本の刺があるオニビシより、小型で果実に棘が二本と少ないヒシを好むみ、食する
(211) ヒドリガモ
※ 頭と首が赤栗色なので緋鳥と呼び、その後ヒドリガモとなった
(212) ヒバリ
1. 晴れた日に囀るのでヒハリ(日晴)
2. ヒマヒの転。ヒ(日)ニ、ムカ、ヘリの反
3. マヒツバサフリの義
4. ヒラハリ(翩張)
5. ヒーバルと鳴くから
※ ヒメコウテンシ(ヒバリの別名)
告天は『帝王が即位後、天を祭って告げ知らせること』を表し、ヒバリ類の俗称が告天で、子は『告天する者』姫はコウテンシ(日本未記録)より小さいから。細部としてヒメコウテンシはヒメコウテンシ属、コウテンシはコウテンシ属となる
(213) ヒヨドリ
1. ヒィーヨという鳴き声からの名前の由来で、当字として、比衣土里→比与止利
2. 鵯の音は「ひ」で、「ヒー」という声から
3. 平安時代から稗鳥(ひえどり)と呼ばれ、ヒエを好むから。室町時代から「ヒヨドリ」実際には、
本当は虫、果実、蜜を食べ、ヒエは食べない
(214) ビロードキンクロ
→黒い羽がビロード(ベルベット)のようで、次列風切が白く、キンクロハジロとはよく似ている
(215) ビンズイ
→江戸時代中期から「ビンズイ」「きひばり」
さえずりのビンビンツィーツィーから
④https://www.birdfan.net/2020/06/26/79087/より引用のフクロウ(体長約50㌢)
(216) フクロウ
1. 奈良時代から「ふくろふ」「いひとよ」
2. ふっくらした羽毛の様子から「ふくるる」が転じてフクロウになった
3. 昼隠居(ひるかくろふ=ひるあんどん)が転じて
4. フクグルホーコーと鳴くので下略のフグル。
親愛称コを添えたフクグルコが転じた
5. ききなしのの「ホー クロ ホー」と「フー クロ フー」からフクロウとなった
6. フクは夜のフクルの意で、ロフはカゲロフの意
7. 昔の中国からの言い伝えで、フクロウは親を食べる親不孝の鳥とされ「父食らふ(ふくらふ)」「父母食らふ(ふほくらふ)」と言われている
(217) ブッポウソウ
→鎌倉時代から「ブッポウソウ」で、『仏、法、僧』と美しい声であらかたに鳴き『三の御法(みつのみのり)』とも『三宝(みつのたから)』とも言われ有難がられていた。青緑色のきれいな羽色を持ったこの鳥こそ『ブッポウソウ』と鳴く奇跡の鳥にふさわしいと思われたことからブッポウソウ
(218) ブンチョウ
→文鳥の言い伝えは、目も文(あや)な鳥
(219) ベニアジサシ
→繁殖期における胸腹部のピンク色から
(220) ベニマシコ
→江戸時代中期から「ベニマシコ」
⑤-1.https://www.birdfan.net/2018/05/18/62501/より引用のホオジロ(体長約16㌢)
⑤-2.https://www.birdfan.net/2017/10/27/56374/より引用のホトトギス(体長約28㌢)
(221) ホウロクシギ
ホウロクとは素焼きの浅い土鍋。
腹の色が淡黄褐色で色が似ている。
鳴き声から
(222) ホシハジロ
→星羽白という漢字表記には白い背に黒い小さな星状の模様が点在することから名付けられた
(223) ホオジロ
1. ホオジロの仲間は奈良時代には「しとと」
奈良時代から「ほほじろ」「あおじとと」に区別
江戸時代から「くろじとと」「みやまほほしろ」「カシラダカ」と分類されてきた
2. 仲間のホオアカに対する名前から名付けられ
もとはホホ(頬)にイチジロシ(著し)となり、頬を膨らませて、著しくさえずることから名付けられた
※ ホホジロザメ(ホオジロザメ)の頬は白くない。
人を襲ってほおばって食べることが著しいことから、ホホ(頬)シロ(著)サメ(鮫)となった
(224)ホトトギス
1. 奈良時代から「ホトトギス」
2. ホトトキと鳴く
スは鳥を表す接尾語。
万葉集「暁に 名告り鳴くなる ほととぎす いやめづらしく 思ほゆるかも」自分の名を名乗って鳴く
3. ホトトキス(火時鳥)
※ 梵語から
4. ホトは女性の陰部、トギは伽相手を務めること
スは『姝』の会意兼形声文字で、『朱のように派手な美しさを備えた女』さえずりのききなし、『テッペンカケタカ、本尊カケタカ』テッペンは男性自身、本尊はホトケであるから女性自身
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