第1743回 鳥が鳴き真似をする
①https://rankingoo.net/articles/owarai/20170711-2より引用の物真似芸人のイラスト
いま世間様では、歌なり、芸なり、顔なり、有名人(歌手、芸能人、芸人、スポーツ選手、政治家、作家、アナウンサー、評論家など)の物真似という物真似が大流行りで、2〜3ヶ月に一度や二度はテレビであらゆり物真似の番組が放送されています。演じるのは物真似芸人であり、また番組応募の素人、歌手などなど多岐にわたって人気番組のひとつになっています。その番組に演じられる側の本人を呼んだり、ありとあらゆる手段を講じて、テレビ局側は視聴率確保に躍起になります。
②https://www.google.co.jp/amp/s/entametimes.com/kotodori-3436/ampより引用のコトドリ(体長(80〜100㌢)
②の写真は野鳥の物真似界のスーパースター的な存在のコトドリです。残念ながら漢字表記が「琴鳥」なんですが、日本の野鳥ではありません。華麗なるスターの証か、スターで言えばドレスのレースの長さは60㌢もあります。そんなコトドリの物真似は他の鳥類の鳴き声を真似ながらダンスをし、個体によって人が発する言語の他、カメラのシャッター音、チェーンソーの音、車のブレーキ音など人工的な音を真似出来る事も知られます。
③-1.https://www.birdfan.net/2018/09/28/65182/より引用のモズ(体長約20㌢)
③-2.https://www.birdfan.net/2013/09/27/24380/より引用のカケス(体長約33㌢)
野鳥で「鳴き真似上手の鳥」と検索いたしますと、最初に表されるのが③-1.のモズです。モズのオスは他の小鳥の鳴き真似が得意。鳴き真似が、メスを誘う求愛なのです。メスはこうした鳴き声にひかれ近寄ってきます。このモズより上手をいくのは③-2.のカケスです。地方によっては「猫真似」と称されるくらい猫の鳴き声が上手く、また赤ちゃんの泣き真似もそっくり。自分たちを襲うこともある猛禽類のクマタカの鳴き真似をしたりと、やはりカラスの仲間は頭がいいから上手い。
④https://www.birdfan.net/2019/05/17/70804/より引用のガビチョウ(体長約24㌢)
次に紹介いたしますのは、④の写真のガビチョウです。ガビチョウは特定外来生物の日本の侵略的外来種ワースト百定種です。日本の鳥ではありません。中国南部から東南アジア北部から鳴き真似やさえずりが上手いとペット化されましたが、その発する鳴き声の大きさにドバトみたいに野に放たれ野生化しました。ウグイスやオオルリ、サンコウチョウ等のさえずりをかなり大きな音色で美しくさえずり、同じ生息域である藪中で暮らす神経質なウグイスを打ち負かすような激しさです。
⑤https://www.birdfan.net/2021/06/11/82612/より引用のキビタキ(体長約14㌢)
そんな大きな通った鳴き声で、ウグイスなどの鳴鳥の鳴き真似をするガビチョウは七色の鳴き声を持つと言われています。それに対して⑤のキビタキはやはり気が強く、鳴き声の大きなコジュケイの「チョットコイ」や珍しいセミのツクツクボウシの鳴き真似をすることで有名です。そんなキビタキに対抗するかのように、ガビチョウはより一層大きな鳴き声で「チョットコイ」「ツクツクボウシ」を連発してきます。何しろ本物より大きな通った鳴き声なので一瞬驚かされてしまいます。