第758回 本当のオシドリ(7回目)
①http://maroleopie.blog118.fc2.com/blog-entry-193.htmlよりオシドリ(右側がオス体長約80㌢、左側がメス体長約60㌢)のつがい
一般的にオシドリのつがい は、仲が良いからぴったり寄り添うのではなく、他のオスに横取りされないようにつがい相手から離れず、結果的に寄り添っています。メスが猟師に撃たれてもオスが逃げないこともあり、オスはメスに対して執着心が強いです。オスの換羽が始まり、抱卵期の初期を終えるとオスは巣を離れます。オスは雛の世話はしないで、その後オス同士は気ままに過ごしたり、元気なオスは、別のメスに求愛することもあります。オシドリ夫婦の時期は繁殖期だけです。
②https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アメリカオシより引用のアメリカオシのつがい(左側がメス、右側がオス共に体長約45㌢)
アジアのオシドリには仲間として、北アメリカのアメリカオシがいます。胸のブドウ色、その端の黒白帯、脇の淡褐色の連斑は共通です。骨格、行動、習性、血清反応、卵白分析から両種は同系と考えられます。アメリカオシが先で、アジアに渡って孤立したものがオシドリ。染色体の型はアメリカオシはバリケン属に近く、マガモ属などとも共通ですが、オシドリの染色体は特別で、アメリカオシは他のカモと交雑するのに、オシドリはアメリカオシも、番になっても雑種はできません。
③ナンキンオシ(左側がメス、右側がオス共に体長約33㌢)
ナンキンオシは全長約33㌢。日本で記録されたカモ科の鳥としては最小です。日本で記録されたカモ科の野鳥としては、最も小型の種類に属が小型の種類に属します。食性は植物食で、水草や植物の種子などを食べ、こうした食物を水中に頭をつけて採ります。繁殖形態は卵生で、樹洞に営巣します。こういうところもオシドリに似ています。ナンキンオシはオシドリ属ではなく、マメガン属になります。このナンキンオシにしろ、仕草もやはりオシドリに似ています。
④https://afan.or.jp/survey-research/3099/より引用のオシドリの営巣
④の写真のように、オシドリの営巣の多くは樹洞で、まれに地上に営巣します。巣の選定はメスが行いますが、常にオスがつき回ります。産座にはメスの綿羽を敷きます。普通10m以上の高さの樹の洞に巣を作るため、孵化したヒナはそこからダイビングしなければなりません。樹洞は巣の底から入り口の穴まで深いものでは1m以上で、ヒナは爪が発達していて、巣穴まで登れます。5月上から中旬に産卵。抱卵はメスのみで、オスは抱卵期前半まで巣の近くでメスの採餌に付き合います。
⑤https://www.google.co.jp/amp/s/silverdawn.exblog.jp/amp/27425025/より引用の雑種ガモ
カモの仲間は「交雑種」があります。一番有名なのは⑤の写真のマガモとカルガモの「交雑種」の『マルガモ』です。ホシハジロxキンクロハジロ、ヒドリガモxアメリカヒドリ、スズガモxキンクロハジロ、マガモ×ハシビロガモ、メジロガモxホシハジロなどカモの交雑種は多いです。人が餌を与え続けたので、北へ渡るのが遅れ、繁殖時期を日本で迎えてしまったために、留鳥のカルガモと混ざった渡り鳥も観察されますが、オシドリだけは決して雑種を作らず、血統を守ります。