第2071回 なぜこんな名前ですか
①-1.https://kotori-pastry.com/kannkodoriganaku/1671/より引用の「閑古鳥」が鳴く店
①-2.https://www.birdfan.net/2014/06/13/28805/より引用の「閑古鳥」が鳴くのカッコウ(体長約35㌢)
①-1.のタイトルイラストのその内容は、有名だと思います。このイラストの意味は「閑古鳥が鳴く」です。このイラストの鳥は托卵で有名なカッコウで、その由来は、カッコウの鳴き声がもの寂しい印象だったこと、また人里離れた静かな山間にその鳴き声が寂しげに響くさまから、言われるようになったそうです。托卵以外でも有名です。
②https://www.birdfan.net/2019/01/11/67222/より引用の「糞鳶」ことノスリ(体長約52〜57㌢)
②の写真は猛禽類のノスリです。写真では雄大に飛行していますが、名前の由来は、低空を「野を擦る」ように飛ぶからといいます。また仲間のチュウヒは繁殖期の求愛行動の際に、中空を舞うように飛行する「宙飛」からきていると言われます。しかしノスリの別名は酷くて「糞鳶(くそとび)」です。ノスリは気が弱そうな鳥で、大きな獲物を捕獲出来ず、ちょうど身体が大きな割に屍肉を主食としていますトビの様だからといいます。
③https://www.birdfan.net/2017/04/21/52104/より引用の「スドリ」ことカワセミ(体長約17㌢)
この青の輝く構造色で人の関心を惹き「清流の宝石」と呼ばれ、また実際の宝石でもあります『翡翠(ひすい)』に名前を提供したくらいの美しい③の写真のカワセミは、別名を「州鳥」または「渚鳥」と表記致します。『州(川の中洲)』の鳥とか『渚』の鳥としては納得は出来ますが、発音がこの二つともが「スドリ」と読むのが納得いきません。関西で『す』はすうどん(かけうどん)など飾りかけがなく、素のまんまという意味なのです。
④https://www.birdfan.net/2017/10/27/56374/より引用の「死出田長」ことホトトギス(体長約28㌢)
①の項の托卵でも、別名の「閑古鳥」でも有名なカッコウと同じく托卵も、文学上でも、ききなしでも有名なホトトギスの古名のひとつに「死出田長(しでのたおさ)」があります。ききなしのひとつに「テッペン、カケタカ」や初夏の句に山口素堂の「目には青葉山ほととぎす初鰹」など明るいイメージが多いホトトギスになぜ「死出田長」なのでしょう。「死出田長」はあの世を意味する冥土冥途、冥府と結び付けられたとされます。また「田長」はこの世とあの世を結ぶ田畑の鳥です。
⑤https://www.birdfan.net/2016/08/05/45455/より引用の「禁鳥」ことウグイス(写真はオス体長約16㌢)
そんなホトトギスも托卵や文学上で有名な鳥かもしれませんが、オオルリやコマドリと並んで、三鳴鳥のひとつであります⑤の写真のウグイスは、そのさえずりとともに文学上でも有名で、たくさんの別名があります。そのひとつに「禁鳥(とどめどり)」があります。辞書には禁鳥(きんちょう)は「無断の捕獲が禁止され、保護の対象となる鳥類を指す」とありますが読み方が違います。こちらは『とどめどり』で、これは民家にあって、春になると、ウグイスがさえずっていました梅の木を村上天皇が宮中に移すのを断念した鶯宿梅(おうしゅくばい)の故事。ウグイスが阻止したから。
⑥https://www.birdfan.net/2016/04/28/42928/より引用の「漫画」ことヘラサギ(体長約86㌢)
この鳥の名前にははっきりと『サギ』の名前が入っていますが、実はトキの仲間でありました。⑥の写真のヘラサギは、日本では数少ない冬鳥として有名です。そんなこの鳥にはあろうことか、別名に「漫画」という名前がつけられています。漢字の意味は本来ならアニメの「漫画」ですが、その場合の読みは『まんが』です。ヘラサギは『まんかく』と読みます。「漫画」は中国語では「漫」は、落ち着かない様子の事で「画」は描くという意味です。いつもそわそわしているかも。
⑦https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%82%B3-1595092より引用の「猿子」こと四種のマシコのイラスト
⑦のイラストは四種いますマシコの仲間を表しています。図の様にオオマシコ、ハギマシコ、オガサワラマシコ、ギンザンマシコです。その「マシコ」とは漢字表記では「猿子」です。猿は猿でもニホンザルです。赤い顔した鳥だからでしょう。
⑧https://www.birdfan.net/2019/05/31/71157/より引用の「鳥馬」ことツグミ(体長約24㌢)
この⑧の写真の鳥は冬鳥ゆえに秋口に飛来した時には鳴いていたのに、冬になるとさえずらないので、口をつむぐとされ、それが名前の由来となりましたツグミです。この鳥の別名には「鳥馬(ちょうま)または、その以前には「跳馬」があります。この鳥の面白い習性に「達磨さんが転んだ」が有名です。また、餌を捕獲する時の習性として、地面を跳ねるように跳んで捕獲する姿からです。
⑨https://www.birdfan.net/2016/09/09/46047/より引用の「山椒喰ってヒリリ」のサンショウクイ(体長約20㌢)
最後に登場する日本では夏鳥の⑨のサンショウクイです。この鳥が有名になりましたのは、ききなしの「山椒喰って、ヒリリン、ヒリリン」です。山椒は小粒でもピリリと辛いという諺がありますが、その鳴き声がサンショウクイの名前の由来となっていますが、決して山椒の実は食べません。
⑩https://www.google.co.jp/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/946228より引用のうちの犬?オオバンケン(体長約47〜52㌢)
⑩の写真はカッコウやホトトギスと同じく托卵鳥のオオバンケンです。いままでは日本で見られる鳥ばかりでしたが、ここにきて日本では見られない鳥の登場です。この鳥はネパールからインド、中国、インドネシアにかけて分布しています。漢字表記は「大蕃鵑(おおばんけん)」で『蕃』は「草が生い茂る場所」で『鵑』はホトトギスのことです。野にいる鳥はキジですが、その様に気強い性格で漢字は違いますが『番犬』代わりになるか。
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