![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926132/rectangle_large_type_2_200dbe3d5af751df85c664ef15e019b4.jpeg?width=1200)
第1969回 究極の郁雛放棄の鳥
①https://www.google.co.jp/amp/s/www.nanigoto.net/entry/2016/12/27/125658/ampより引用の托卵のイラスト
この世の中には、熱心に蛾の繭の糸や苔などを使い、きめ細やかな巣を作るエナガや、真面目にコツコツ民家に巣作りのツバメ、がっちりした巣作りのカラス、訳あり水上に作られた浮巣のカイツブリ、反対に簡素な巣作りするキジバト、これも巣と思えるような巣のコチドリ、自然の素材を生かした産座だけのヨタカ、集団営巣することで巣作りしないウミガラスと、手の込んだ巣作りをする鳥や、簡単に巣作りする鳥、まったく巣作りしない鳥など、色んな環境のもと、巣作りはしなくても、必ず郁雛して、幼鳥になるまで子育てします。しかし産卵はすれど郁雛は自分ではせず、ほかの野鳥に押し付ける不届きな鳥がいるのです。
②-1.https://www.birdfan.net/2019/08/23/72791/より引用のホトトギス(体長約28㌢)
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926136/picture_pc_dd4d0461ada1b9bd0097922e5bea6812.jpeg)
②-2.https://www.birdfan.net/2011/10/14/16742/より引用の一番多い托卵相手のウグイス
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926142/picture_pc_ba200e2055562bed77bd9405dba9a433.jpeg?width=1200)
②-1.の写真のホトトギスといえば「特許許可局」「テッペンカケタカ」のききなしや「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」の詩や、俳句など文学の世界や「杜鵑」「杜宇」「蜀魂」「不如帰」「時鳥」「子規」「田鵑」などの漢字表記や「郭公」などの古名など色んな文野で有名な鳥です。そんなホトトギスは、日本では5月中旬ごろに飛来する夏鳥です。他の夏鳥よりも渡来時期が遅いのは、托卵の習性のために対象とする鳥の繁殖が始まるのにあわせ、食性が毛虫類を捕食するためです。その托卵相手は②-2.のウグイスやミソサザイ、クロツグミです。その中でも藪中にいるウグイスが一番の標的です。驚かされるのは体長わずか約10㌢しかないミソサザイに、成鳥になれば約28㌢にもなるホトトギスを育てさせるのです。
③-1.https://www.birdfan.net/2016/06/24/44489/より引用のカッコウ(体長約35㌢)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926143/picture_pc_a03d35f586c2a712968324e2cbc45e32.jpeg)
③-2.http://yama2k32.watson.jp/arekore_htm/yatyou_takuran1.htmより引用の托卵相手のオオヨシキリ
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926152/picture_pc_30476d1d13aef5f56199320dd88e15b1.jpeg)
昔の日本では、③-1.の写真のカッコウが日本には夏鳥として5月ごろ飛来するやはり夏鳥です。夏鳥の割に飛来が遅いのは、ホトトギスと同じ理由です。カッコウ(郭公)の名前の由来は鳴き声からきていて「カッコー」と鳴くことからこの名前がつきました。さびれたさまを表す「閑古鳥が鳴く」の閑古鳥とはカッコウのことで、古来、日本人はカッコウの鳴き声に物寂しさを感じていたようです。また、カッコウの方が日本では知れ渡っており、ホトトギスの当字が「郭公」であるのは、二種の識別が出来なかったことにあります。そのカッコウが托卵相手に選ぶのは、オオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に托卵します。近年ではオナガに対しても托卵を行います。托卵の際には巣の中にあった卵をひとつ持ち去って数を合わせます。別のカッコウが同じ巣に卵を産むことがあり、二つの卵がほぼ同時に孵った場合、二羽のヒナが落とし合いをします。仁義なき托卵鳥です。
④-1.https://www.birdfan.net/2021/10/08/83356/より引用のツツドリ(体長約33㌢)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926158/picture_pc_49362b03d3e4425c8176b4e6d7f8ed0d.jpeg)
④-2.より引用の托卵されることが多い相手のセンダイムシクイ
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926165/picture_pc_8509330f95f065356211d135ae5f2f68.jpeg?width=1200)
③-1.の写真のツツドリは、四月中下旬に飛来して8月から10月にかけて飛去します。繁殖期のオスの「ポポ、ポポ」という鳴き声が筒を叩くような響きであり、和名はここに由来します。日本ではウグイスの仲間に托卵し、特にセンダイムシクイへの托卵が多いです。そのほかメボソムシクイ、ヤブサメ、メジロ、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ、ウグイス、ホオアカ、ノジコ、アオジ、モズ、ビンズイと托卵する数多くの相手を持ちます。ツツドリのヒナの真っ赤な口の中の色や食べ物をねだる鳴き声に仮親は反応する様です。
⑤-1.https://www.birdfan.net/2011/10/14/16742/よりジュウイチ(体長約32㌢)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926173/picture_pc_a7fba9c9a270887a8e73fd837be717cb.jpeg)
⑤-2.https://www.hinohara-mori.jp/より引用の托卵されたオオルリ
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73926181/picture_pc_36abdcbdf7d746ac51b5dbd62dba66fe.jpeg?width=1200)
⑤-1.の写真の別名ジヒシンチョウ(慈悲心鳥)のジュウイチ(十一)は、日本では、夏季に九州以北に飛来する夏鳥です。名前の由来は「ジウイッチーィ」と繰り返しながら、次第に早くなり「ジュビビビビ」で終わる鳴き声からです。食性は動物食で、托卵する鳥は毛虫が好きなようです。托卵する相手はオオルリ、コルリ、ルリビタキ、コマドリ、キビタキ、ビンズイと少しツツドリと重なるところがあります。またこれらの四種の托卵鳥はオスは小枝を咥えてメスに求愛行動をするこは
大昔は巣を作っていた証拠です。また繁殖形態は育雛をしないので、もちろん乱婚となります。