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第2249回 フクロウ、ミミズクにも異端児

①https://akiba2960.com/jp/mimizuku/より引用の左がメガネフクロウ(体長約50㌢)と右がアメリカワシミミズク(体長約46〜64㌢)

   もう何回でしょうか、総称の「フクロウ」の話を投稿したことかと思います。「フクロウ」は総称の名前であり、その下の中称の「ミミズク」とともに「フクロウ」も中称で、ついには呼称にもフクロウはいるわけです。近年にはその呼称でありますフクロウは別名ウラルフクロウですが、あまりにも古来の中国からの漢字表記の「梟」「鴞」でもわかりますように全体的にも、呼称的にも『フクロウ』のイメージが強いです。そのため総称にも、①のタイトル写真の中称の「フクロウ」のメガネフクロウも「ミミズク」のアメリカワシミミズクも、呼称もすべてに「フクロウ」が存在している訳です。その分別はどうなんでしょう。

②-1.https://www.birdfan.net/2020/06/26/79087/より引用のウラルフクロウ(体長約50㌢)

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②-2.https://spirituabreath.com/hukurou-supirityuaru-70226.htmlより引用の闇夜に音もなく襲い掛かるフクロウ

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   総称にしろ、中称にしろその代表的な存在として、両②の写真のウラルフクロウがいます。この種が私たちが今でも呼んでいますフクロウの別名です。夜行性であるため、人目に触れる直接の機会は多くありませんが、その知名度は高く「森の物知り博士」「森の哲学者」などとして人に親しまれています。暗闇でも木の枝で待ち伏せて音もなく飛び、獲物に飛び掛かることから「森の忍者」と称されることもあり、暗闇でも透視出来る眼と、左右が非対称の耳、そして風切り羽のおかげで、枯葉等に潜む獲物を立体音で的をえます。

 ③-1.https://www.birdfan.net/2010/01/08/4795/より引用のコノハズク(体長約20㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2018/07/20/63947/より引用の「ブッポウソウ」とは鳴かないのにブッポウソウ(体長約29㌢)

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   中称のフクロウの代表的なのはウラルフクロウなら、ミミズクの代表的なのは、私は本当にききなしで「仏法僧」と鳴く正体の③-1.の写真のコノハズクだと思います。漢字表記が「木葉木菟」「木葉梟」と、身体の色合いがまさに夜の木の葉にまぎれそうな容姿です。日本では北海道、本州北部では夏鳥で、本州南部では留鳥です。山地にある森林に生息します。夜に活動し鳴きますので、山のふもとの人には正体がわからないわけです。どの鳥が鳴いているかの勘違いが「仏法僧」と鳴くのは③-2.のブッポウソウであろうとなりました。この鳥は日本には夏鳥として飛来し、本州、四国、九州で繁殖します。生息域内では平地から山地まで分布し、水辺に近い森林に生息致します。樹洞を巣にするが、鉄橋の穴や木製の電柱、ダムに設けられた排水溝等を巣として利用することもありますので、やはりコノハズクの生活域に似ています。またこの鳥の鳴き声は「ゲッゲッゲッ」

④-1.http://www.forest-akita.jp/data/bird/06-shima/shima.htmlより引用の日本最大級のフクロウのシマフクロウ(体長約70㌢)

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④-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%95%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A6より引用の羽角を立てたシマフクロウ

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   日本の中称「フクロウ」の仲間はウラルフクロウを筆頭にキンメフクロウと④-1.の写真のシマフクロウシロフクロウの四種です。この中でも一番身体が大きなフクロウがシマフクロウです。日本では北海道のみに生息し、体長63~71㌢、翼開長180㌢に達する、日本最大級のフクロウです。海岸や河川、湖沼の周囲にある広葉樹林、混交林に生息し、つがいで縄張りを形成します。食性は動物食で、主に魚類のアメマス、ヤマメ、ウグイ、カレイ、サケなどを食べるほか、両生類、甲殻類、他の鳥類、哺乳類のウサギ、コウモリ、ネズミ、リスなども食べます。この「フクロウ」には⑤-2.の写真のように羽角があり、同じく北海道に生息致しますユーラシアワシミミズクという「ミミズク」はやはり体長が50~75㌢ですが、この鳥には羽角があるため、約束通りの中称が「ミミズク」となります。矛盾したフクロウの異端児です。

⑤-1.https://lowch.com/archives/95より引用の羽角を立てたワシミミズク(体長約58〜71㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/pg/kind/ord12/fam1200/spe120009/より引用のアオバズク(体長約29㌢)

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   対する「ミミズク」には⑤-2.の写真のアオバズクに、オオコノハズク、③-1.の写真のコノハズクリュウキュウコノハズクコミミズクトラフズクユーラシアワシミミズクの七種となります。「仏法僧」と鳴きますコノハズクには三種がおり、コミミズクユーラシアワシミミズクの二種がいますが、フクロウとは対照的に『ミミズク』という呼称の鳥はいません。そのミミズクの約束は⑤-1.の写真のように耳に見える羽角を持っていることですが、日本には春以降の青葉が繁ります時期に繁殖のために飛来する夏鳥のアオバズクには羽角がありません。異端児だと思います。

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