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第2252回 鳥対虫 ⑶
①https://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=81145010398より引用のヒナに虫を与えるヒヨドリ(体長約27㌢)
前回、前々回と虫にとっての、鳥に食べられないための防衛努力を紹介致しました。食べられる側の虫も食べる側の鳥にしても生きていくためのごく自然な生活の努力だと思います。①のタイトルイラストはヒヨドリが子育てのために、に
②-1.https://karapaia.com/archives/52099261.htmlより引用のアナホリフクロウ(体長約19〜28㌢)
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②-2.https://petheim.net/funkorogashi/より引用のフンコロガシ
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②-1.の写真はアメリカフロリダ州やブラジルの砂漠や草原、農地などの開けた環境に生息致しますアナホリフクロウで、珍しく昼行性です。また漢字表記が「穴掘梟」と呼ばれる割に、プレーリードッグの古巣や地面に掘った巣穴を棲家とし、バッタなどの昆虫類や小型哺乳類を捕食致します。地上の昆虫などを捕えるときはかなりの距離を走ります。フクロウの脚が長いことを世に知らしめたのがこの種です。またバイソンなどの糞を巣穴の近くに運び、それに集まってきた甲虫類を捕食するほか、その糞の発酵熱を暖房代わりにしたり、臭いを身体に付けて外敵から身を守るなど活用しています。仕掛けを自ら作り、③-2.の写真のフンコロガシなどを誘き寄せ、捕食致します。
③-1.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=01543018317より引用のシロハラオオヒタキモドキ(体長約20㌢)
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③-2.https://okavangomoremi.web.fc2.com/birds_of_africa/BeeEater/BeeEater.htmlより引用のルリムネハチクイ(体長約17〜19㌢)
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③-1.の写真のシロハラオオヒタキモドキは、米国南部からアルゼンチンに掛けて分布し、カリフォルニア南部には繁殖期の夏季に飛来し、冬季にはメキシコかフロリダ南部に移動します。いわゆる日本でいうツバメなど昆虫食で、冬には果物も食べるようてす。昆虫の中には蜂もいて、その蜂の武器はメスが持っていますので、針を持たない雄蜂だけを常食すると言います。またそのシロハラオオヒタキモドキよりもっと蜂が好きな③-2.の写真のハチクイは、オーストラリアで繁殖し、オーストラリア北部では留鳥として周年見ることができます。蜂が大好物ゆえに、捕食する場合は毒針を抜いてから食べます。また、蜂の毒に対する免疫を持っているため、蜂に刺されても死ぬ事はありません。蜂の他には地上で蟻も捕食します。
④https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/docs/pages/rika/guide/bird/sijukara.htmlより引用の大量の虫を食べるシジュウカラ(体長約14㌢)
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虫とは切っても切れない縁を感じてしまいます鳥に、④の写真のシジュウカラがいます。この鳥は日本全国に何処にでもいます留鳥で、最近では街中の住宅街でも一年を通じて見ることができます。「ツーピツーピ」「ツィピーツィピーツィピー」「チュチュパーチュチュパー」「パチュパチュパチュパチュパチュパ」「ツーピピッ」「ジャージャー」など二十種類ほどあり、それゆえに単語でする文章を作る鳥とされます。そのシジュウカラは、年間を通じて大量の昆虫を食べることから森林性の有益鳥類とされ、一説では、体重16gの鳥が一年に食べる虫の量は約85000匹にも及ぶとされています。育ち盛りのヒナたちのお腹を満たすため、この時期の親鳥たちはエサ集めに大忙しです。シジュウカラなどカラの仲間には共通点で、ヒガラ、ヤマガラが増えましたら、恐らく、製薬会社の殺虫剤は不要になるかもしれません。
⑤-1.https://www.sankei.com/article/20180609-FDWVWR72NNI6DIILW2H4PAGKII/?outputType=ampより引用のナナフシ
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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/article/20180529-TO652WJNEFPYTCG2HXJ32IVGZY/%3foutputType=ampより引用の鳥に食べられて繁殖するナナフシの仕組み
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最後に登場致しますのは鳥ではなく、昆虫です。⑤-1.の写真は草食性の昆虫で、木の枝に擬態した姿が特徴的なナナフシです。ナナフシの漢字表記は「七節」「竹節虫」で、和名の由来は「七節」の「七」は単に「たくさん」という程度の意味でのナナフシです。また「竹節虫」は中国語由来です。細長い体で、その姿は葉や枝などの植物体に擬態しています。また、硬い卵殻に覆われた卵も植物の種子に似ています。体長は数㌢から50㌢を超えるものまで様々で、日本には15~20種類程度が生息していると言われています。ナナフシの硬い卵殻に覆われた卵が鳥に食べられても消化されず、排泄後に孵化いたします。ナナフシは翅のない種が多く、移動能力は低いのですが、しかし、伊豆大島など、陸続きでない場所にも生息します。鳥の捕食でメスの体内に居た卵が運ばれ、分布域が広がった可能性があります。研究では、三種のナナフシの卵をヒヨドリに食べさせた結果、5~20%の卵が無傷で排泄された。このうち、一種であるナナフシモドキで孵化を確認致しました。