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第1935回 日本らしい鳥 ⑴

①http://stamp-is.gsj.bz/Opt.Index/objectList/?cid=URUSEETORI_YURUSAMURAIより引用の侍の鳥のイラスト

   前回に最終的には「日本の固有種」の鳥を紹介させて頂いた次第です。現状のアオゲラアカコッコアカヒゲアマミヤマシギカヤクグリノグチゲラメグロヤマドリヤンバルクイナルリカケスの10種だったのが、それが今回、新たに5種が追加されることになり、オガサワラカワラヒワオリイヤマガラキジホントウアカヒゲリュウキュウサンショウクイの5種が加わることになり、15種に固有種が増えたのです。しかし、私には今回新しく追加となりましたキジが一番身近で、かろうじてヤマドリアオゲラが身近とは言えませんが納得いく野鳥だと私は思っています。残りの12種は離島に多く、遠い存在です。

②http://www.birdfan.net/2018/08/31/64593/より引用のつがいのキジ(左がメス体長約60㌢、右がオス体長約80㌢)

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    ②の写真のキジが日本の国鳥となりましたのが、1947年のことですから、戦後まもない頃でした。どなたでもご存知のキジが文献に現れるのは昔話の「桃太郎」です。私が幼少の頃に読み聞かせられました。その中に登場する勇敢なキジは、桃太郎に忠誠を誓うイヌ、知恵者のサルと桃太郎のお供として、鬼ヶ島に出向き、悪い鬼を退治します。それだけ昔から馴染んでいますキジでも、日本産の個体群のみで独立種とする説と、ユーラシア大陸に分布するコウライキジの亜種とする説があり、中々議論が進まず、やっと2021年6月に日本のキジも固有種であると認定されました。

③http://www.birdfan.net/2019/04/05/69615/より引用のセグロセキレイ(体長約21㌢)

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   昔話の「桃太郎」より、古い古文書のひとつに「日本書紀」があります。その中には私たちが現在に於いても生活場所にしている日本の誕生の話の中に「鶺鴒(セキレイ)」という鳥が登場致します。日本が生まれる直前の大昔のことですから、現在までのこの長い年月、日本人と共に暮らしているのですから、日本古来の日本の鳥に相応しいと思います。この日本に「セキレイ」と呼ばれる鳥は三種いまして、③の写真のセグロセキレイ、この鳥に似すぎるくらい似ていますハクセキレイ。その名の通り黄色い色のキセキレイです。

④-1.http://www.birdfan.net/2013/02/01/21119/より引用のハクセキレイ(体長約21㌢)

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④-2.http://www.birdfan.net/2018/08/24/64543/より引用のキセキレイ(体長約20㌢)

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   「日本書紀」には「鶺鴒」としか表記していませんので、イザナギ、イサナミの二柱の神様にこれから創設する日本のために、子作りの仕方を教えたのはどの「セキレイ」か…一番始めに脱落したのはハクセキレイで、国産みの時代日本にいたとしても、東北以北で、とても国産みの地にいそうもなかったです。また、キセキレイは九州以北に生息する鳥で、国産みの場所が今の淡路島だったので、三種いる「セキレイ」のうちで、キセキレイは水辺は水辺でも上流の清流を好みますから外れます。神話が語られた時代、日本列島の西部に暮らしていた人々にとって最も身近にいた「セキレイ」はセグロセキレイだった事から、神話の「セキレイ」はセグロセキレイだったのではないかと推察されています。真実は神のみぞ知るです。

⑤http://www.birdfan.net/2021/04/09/82086/より引用のカワセミ(体長約17㌢)

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   ③と④の両項は古文書に現れる日本の鳥として「日本書紀」の国産みの鳥とされる「鶺鴒」の紹介でした。その「日本書紀」より古いとされる古文書が「古事記」です。この中に登場致します鳥がいます。古くから日本の国鳥であるキジとその当時の名前がソニドリとして登場しています、⑤の写真のように青い構造色の背中の綺麗なセミ(背美)ドリからカワセミ(翡翠)と現在の名前になりました。その美しさは宝石に例えられ、清流の宝石と呼ばれています。宝石で日本列島においては世界最古と考えられるカワセミと同じ漢字表記のヒスイ(翡翠)は、カワセミからの漢字を頂きました。それほどカワセミは日本最古の鳥だと思います。

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