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第740回 托卵する側からすれば
①https://www.google.co.jp/amp/s/sirabee.com/2015/12/02/65163/amp/より引用の人間の「托卵」具合
私たち人間社会でも、別の男性の子を妊娠・出産し、夫に育てさせるという、驚くべき行動をとる女性がいるらしいです。最近では、カッコウやホトトギスなどに見られる習性、「托卵(たくらん)」になぞらえて「托卵女子」と呼ぶそうです。人間と違って裏の計算なんかしていませんが、托卵される側の野鳥たちにとっては、子孫を残すことができず、また托卵を託す側には、托卵をしないことには、自分たちの子孫が残せないという事情が発生している事実があります。
②https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2017042600058.htmlより引用のカッコウに托卵されたオオヨシキリ
托卵をする野鳥はこのカッコウを始めとして、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチの四種がそれに当たります。その中でもこのカッコウにとって、托卵をホストしてくれる野鳥は、オオヨシキリ、ホオジロ、モズ、アカモズ、コヨシキリ、アオジ、キセキレイ、オナガの八種もいて、また器用なことにそれらの野鳥に育ててもらいやすいとか関係なしに、托卵する卵の大きなは模様や大きさがまちまちにして合わせています。カッコウは夜鳴かずに、開けたところの巣が好きです。
③https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=25966000103より引用のホトトギスに托卵されるウグイス
対して、昔はカッコウもホトトギスも一種として扱われたホトトギスは、その後は文壇の場にも多く登場する托卵するにしては扱われ方が大変良くされた野鳥です。しかし、カッコウとは正反対のあまり目立たない林の中に営巣する習性の、よくさえずり、日本の「三鳴鳥」にも選ばれたウグイスやミソサザイ、クロツグミなどの体長の異なる野鳥の托卵する卵の大きさを種ごとにほぼ同じ大きさに整えて、ホストしてくれる野鳥が抱卵しやすいように調整するという気の使いようです。
④https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32214000160より引用のメボソムシクイの巣に托卵されたツツドリの卵
カッコウやホトトギスに近縁で、同様に托卵の習性を持つ④の写真のツツドリは、繁殖期のオスの「ポポ、ポポ」という鳴き声が筒を叩くような響きであり、和名はここに由来し、漢字表記は「筒鳥」で中国語ではホトトギス、カッコウとの大きさの比較から「中杜鵑」と称されます。センダイムシクイ、メボソムシクイ、モズ、ビンズイ、メジロ、アオジ、ウグイス、サンコウチョウ、ヤブサメとホストの数が多く、ホストの卵の大きさにあわせ、林の中ではあまり鳴きません。
⑤https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32214000171より引用のジュウイチのヒナに給餌するコルリのオス
托卵するカッコウ、ホトトギス、ツツドリに続いてこの⑤の写真のジュウイチも夏鳥ですあり、その漢字表記はそのままの「十一」で、名前の由来はききなしで「ジュウイチ」と鳴きます。別名「慈悲心鳥(ジヒシンチョウ)と言いますが、托卵するから、ホストであるオオルリ、コルリ、ルリビタキ、コマドリ、キビタキ、ビンズイの五種に対して、慈悲心をお願いしているのでしょうか。林の前に作るホストの巣では時々しか鳴かず、その卵の大きさもホストが困らない様に整えます。