第559回 身近なスズメ(13回目)だけど…
①身近なのにまだまだ分からないことが多いスズメ(体長約15㌢)
日本では人が住んでいるところには必ず生息しているスズメ。これだけでも私たちにとって身近な野鳥であることがわかりますが、現在の日本ではスズメは「留鳥」であります。しかし「留鳥」だから日本原産の野鳥であるかというと、そうではないのです。スズメの祖先は遠く離れたアフリカ大陸にいましたが、農耕技術の進歩によって、その先はヨーロッパまで生息を拡大しました。
②https://ja.wikipedia.org/wiki/シャカイハタオリより引用のシャカイハタオリ(体長約14㌢)
スズメの祖先はアフリカなどの熱帯サバンナに住む②のシャカイハタオリから分かれた種です。今ではスズメはスズメ目という括りでまとめられていますが、それ以前にはスズメはシャカイハタオリの仲間として扱われていました。その証拠には一目瞭然として、②の写真はスズメにソックリです。やはり思うにはスズメの祖先はアフリカ大陸にあったのです。
③https://ja.wikipedia.org/wiki/イエスズメより引用の日本にはいないイエスズメ (体長約16㌢)
そのヨーロッパで落ち着いたように見えたスズメはその先駆者であるイエスズメと競合します。体長約15㌢のスズメが体長約16㌢の進歩身体の大きなイエスズメに対応できるすべもなく、またスズメはほかの地に出向く羽目となりました。このようにして。いまは私たちの本当に身近にいるスズメはこの日本に定着したのです。
④スズメと一番近いニュウナイスズメ(体長約14㌢)
④のスズメは良く似ていますが、ニュウナイスズメです。かって日本に住んでいた先住のスズメはこのニュウナイスズメだったというのです。あの昔話に出てくるスズメはニュウナイスズメだと…アフリカ大陸からヨーロッパ、アジアを通じて日本にたどり着いた今のスズメ。イエスズメ に追い出され、この地の先住ニュウナイスズメより大きかったので、今度はスズメがニュウナイスズメを追い出しだのです。
⑤一番近いカシラダカ(体長約15㌢)
今ではDNA鑑定の研究が進んで、ハヤブサがインコの仲間だとかがわかってきました。それとは違う研究かもしれませんが、⑤のカシラダカもスズメに近い種であるとなりました。ホオジロの仲間とされていましたのに…またスズメにおいても、その種の中の棲み分けで「留鳥」でいるものと、かってのアフリカ大陸から移動してきた種がいるように、「旅鳥」として彷徨う種がいます。