第595回 ハゼの木に集まる野鳥たち
①https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹③/ハゼノキ/より引用のハゼの木
ハゼの木になるハゼの実といえば、私たちには和ロウソクの原料であるというのが、まず始めに頭に浮かんできます。ロウソクの蝋を私たちは食べれませんが、野鳥にとっては有難いご馳走なのでしょう。私は以前にいつも散歩に行く私の近くの大きな公園のハゼの木で、これまた珍しい「ヤマバト」ことアオバトが数羽で、ハゼの木の実をパクパク食べているのを拝見しました。
②https://www.weblio.jp/content/はぜのきより引用のハゼの木になる実
ハゼノキはウルシの仲間の落葉小高木で、別名にリュウキュウハゼ、ロウノキ、トウハゼと沢山の名前が地方にあります。③の写真の果実は薩摩の実とも呼ばれているそうです。秋に紅葉し、ハゼノキを櫨紅葉(はぜもみじ)とよび秋の季語としていたようです。ウルシほど強くはないですが、かぶれることもあるので注意が必要です。熟したハゼの実は和ロウソクの材料としても有名です。
③http://basaranihonshi.la.coocan.jp/hazerouhon.htmlより引用のハゼの実
この「ハゼの実」はヤマガラしか好まないという「エゴの実」とか、キレンジャク、ヒレンジャクという二種の野鳥が好む「ヤドリギの実」とかの特殊な木の実ではなく、どんな野鳥でも好んで食べるのがこの「ハゼの実」なのです。ちなみに、ハゼやウルシの実から抽出する蝋を木蝋(もくろう)といいます。ミツバチの巣からとる蜜蝋、石油からとるパラフィン蝋などと区別できます。
④http://photozou.jp/photo/show/174781/233961226より引用のハゼの実を食べるヒヨドリ
私が冬になるとよく目撃するのは、④の写真のヒヨドリがいち早く、甲高い声で鳴きながらやって来て、ついばみ始めます。するとそのヒヨドリの行動を近くの木の枝からシジュウカラが偵察し、ヒヨドリが立ち去ると、ほかのヤマガラなどのカラ類を集めます。するとどこからかコゲラやメジロなどおなじみのちょっと身近な野鳥たちが混群を形成するようにハゼの木に集まります。
⑤http://photozou.jp/photo/show/174781/233864229より引用の最後に現れたハシブトガラス
そのカラ類の混群が去った後に、冬鳥であるジョウビタキやルリビタキなどヒタキ類やツグミなどがこのハゼの実を美味しそうについばみます。最後は、「カーカーカー」とみんなを追い払いハシブトガラスが独占します。みんなが大好きなハゼの実には難しいことはわかりませんが、高カロリーな脂肪分が含まれており、寒い冬を乗り越えようとする野鳥たちにもってこいの食料です。