第564回 街中を闊歩するハクセキレイ(5回目)
①かっては河川の中流の水辺にいたハクセキレイ(体長約21㌢)
この①のハクセキレイに限らず、野鳥の世界にも棲み分けの変化が生じてきて、このセキレイの仲間でいうと、このハクセキレイは河川の下流の水際に生息していて、ハクセキレイとよく間違われる②のセグロセキレイは中流、また③のキセキレイは上流の流れが綺麗なところを生息地にしていました。近年野鳥を取り巻く環境が変化をして、ハクセキレイは水辺から街中へと…
②ハクセキレイに良く似た近種のセグロセキレイ(体長約21㌢)
この②のセグロセキレイと①のハクセキレイはとても似ていて、こうやって写真で比べると分かるというものの、とても街中や水際で見つけてもわからないと思います。体長も一緒で色合いも白と黒ですから。この他にセキレイの仲間として、河川の上流の水際に生息する身体のほんのり小さな、また色合いが黄色のキセキレイがいます。色合いが違うから遠目に見てもわかります。
③このキセキレイ(体長約20㌢)も歩くのが似合います。
このセキレイの仲間だけではなく、古くは日本に先住していたニュウナイスズメにとって変わったスズメ、街中に進出したハシブトガラス、山野から集団で街中に引っ越してきたムクドリ、最近では、海辺から街中に進出しているイソヒヨドリ、そしてだんだん山の生活から街中に進出しようとしているキジバト…まだまだ続きそうです。
④つがいのハクセキレイ(手前がメス、奥側がオス)
話をハクセキレイに戻して語ります。④の写真ハクセキレイのつがいです。セキレイの仲間に言えることは、雌雄同色なのですが実際には、オスの体色の方がメスよりはっきりしていて、そういう意味では種の保存のためにメスは目立ちにくくなっています。そんなどこにでもいるような野鳥のハクセキレイが街中に進出してきたのです。
⑤http://phylloscopus.web.fc2.com/image/tama/hakusekirei.htmlより引用のハクセキレイのねぐら
ハクセキレイが⑤のように、街中駅前のロータリーにねぐらを構えている写真です。やはりハクセキレイの天敵には猫や蛇、最大の敵はカラスです。集団防衛としてロータリーのような街路樹にねぐらを構えます。また最大のハクセキレイのポイントはイソヒヨドリもそうであるように、全部が全部街中に進出しているわけでもなく、河川の下流の水際に今でも生息する個体もいるのです。