第683回 いろんな酉
①http://www.1242.com/lf/articles/31863/?cat=life&feat=suzukianjuより引用の「酉」の漢字
『とり』という空を飛ぶとりのことを、漢字で表すと「鳥」「鶏」「鷄」「禽」「酉」の五つの漢字が現れます。このうちニワトリを表すのが二文字、そのニワトリも含めて、飼われている飼鳥を表すのが一文字で、今回の①のイラストの「酉」は正確に言うと生き物の『とり』ではなく、みなさんもご存知のように、十二支で表される、子年から始まり、数えて十番目の年に当てはめられた「酉」で、その十二支の一つの「酉年」の印象が鳥であるために当てはめられました。
②https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/starfortune/entry-12099104129.htmlより引用の十二支「酉年」のイメージ
「酉」は十二支のひとつで、通常十二支の中で第十番目に数えられます。また「酉」はゆうとも発音します。特徴として、酉年は西暦年を十二で割って一が余る年が酉の年となります。酉の月は旧暦八月で概ね新暦九月です。酉の刻は日暮れの十八時を中心とする約二時間を夕刻といいます。日暮れの夕方六時を正酉(しょうゆう)ということがあるみたいです。酉の方は西の方角であり、卯酉線・取舵などの言葉はこれによって作られました。解り易くするのに鶏が割り当てられました。
③http://stress-free-english.net/blog/knowhow/1903/より引用の「酉」のイメージのイラスト
三つ目の項はここで閑話休題として「酉年」をもし英語で表すならどう表現するかということです。本当は「酉」は「鳥⇄鶏」のことではありませんが、当てはめられてしまったために、一応「酉年」を表すには「鶏」が用いられます。その中でも③のイラストのように『雄鶏』を表わしますから、“rooster”もしくは“cock”です。しかし“cock”は俗語で男性器を表わしますので、“the Year of the Rooster”が妥当だと思います。いつのまにかに、英語でもこのように扱われます。
4https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s2.htmlより引用の「酉を含む干支」
干支は、年、月、日、時間、方位などを示すためにも使われ、それらの吉凶を表わすようにもなりました。例えば、方位は北から東回(時計回り)に子、丑、寅…と十二等分します。すると北東、東南、南西、西北が表現できないため、日本では、北東は十二方位の丑と寅の中間なので丑寅、同じように、東南は辰巳、南西は未申、西北は戌亥(いぬい)とも呼んでいました。子(千手観音菩薩)、丑・寅(虚空蔵菩薩)、卯(文殊菩薩)、辰・巳(普賢菩薩)、午(勢至菩薩)、申・未(大日如来)、酉(不動明王)、戌・亥(阿弥陀如来)となります。
⑤https://www.marche.co.jp/sb/20180810より引用の「酉と酒」のイラスト
「酉」という漢字は「酌」や「酔」など「酒」にまつわる漢字の一部で使われています。それは一体なぜなのでしょう。「酉」の字はもともと、象形文字で、徳利のような酒壺を表したものらしいです。昔から「酉」の字だけで「酒」という意味もありました。後に、水や液体を表す氵が付いて「酒」という字ができたようです。人々がお酒を楽しむ時間帯・午後五時~七時は「酉の刻」です。ちなみに「酉」は「成熟」の意味があり、お酒にはそんな縁起の良い意味もあるんです。