第1338回 鳥の羽って ⑶
①https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32172000162より引用の色んな羽根
②http://shop.rytas.jp/?pid=86757011より引用の一枚の羽根
鳥の羽は皮膚の変形したもので、ケラチンという蛋白質が主成分。私たちの毛や爪もケラチンです。ケラチンには多量のリン成分が含まれ、燃やすと独特の臭いがあります。毛が焼ける臭いは羽毛が焼ける臭いと同じです。羽毛を持つのは鳥だけで、羽毛を持たない鳥はいません。羽は無理に抜くと羽根が破壊し、生えなくなることが多いです。緊張すると羽毛が寝てしまい、縮小して見えます。羽はクチバシ、爪、脚の鱗と同様、死んだ組織なので損傷を受けても痛みは感じません。
③-1.https://note.com/hiho2351/n/nf5313c580ab0より引用のモズのヒゲ
③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/a3dea4.exblog.jp/amp/27577727/より引用のメスのジョウビタキの剛毛羽のまつ毛
もう翼以外の羽となると、羽というより羽毛だと思います。飛ぶことに携わる羽ではなく、保温のための羽毛や色んな役割を持つ羽毛を紹介します。まずは細くて硬い剛毛羽です。②-1.はモズのいかにも硬そうなヒゲです。剛毛羽は鼻孔の上部、口角部、目の周囲などに生えている剛毛状の羽毛のことで、羽枝が無い羽幹部だけのものと、短い羽枝がまばらに生えるものに分かれます。②-2.はメスのジョウビタキのまつ毛です。こちらはヒゲとは違い柔らかそうな剛毛羽となります。
③-3.http://fumirui.blog89.fc2.com/より引用のヨタカの口ひげ
③-4.https://hobbit.exblog.jp/iv/detail/?s=7421708&i=200803%2F03%2F57%2Fe0035757_2338202.jpgより引用のヒヨドリの肩の剛毛羽
③http://satoyamanikki.cocolog-nifty.com/satoyama/2012/12/post-b71d.htmlより引用のアオサギの粉綿羽
②-1.-2.では人間の男女ともにあるヒゲやまつ毛ですが、この②-3.のヨタカは凄い剛毛羽の口ひげを蓄えています。ただ単に人間なら無精髭とあたわれそうですが、ヨタカはこれで餌を獲るのです。ヨタカの採餌方法は蚊母鳥と漢字表記される通り蚊を主食とし、口を開けて飛び回り、蚊を採餌するときにこの口ひげが網がわりとなります。また②-4.のヒヨドリの後頭部には剛毛羽が生えるみたいです。③のアオサギの粉綿羽は、身近な鳩や飼鳥にもある、毛繕いの際にでる白い粉です。
④上尾筒の長いオスのキジ(体長約80㌢)
私も尾羽と上尾筒、飾り羽の区別がつかないときがあります。どうやら普通よりも長い尾羽のことを上尾筒と呼ぶらしいです。また長くても非繁殖期になる時に、抜け落ちてしまう尾羽は飾り羽です。上尾筒で有名な鳥はケツァールとか、クジャクがいますが、日本では④の写真のキジやヤマドリがいます。飾り羽で有名なのはサンコウチョウです。非繁殖期に自ら羽を抜き、渡に備えます。上尾筒はあまり飛行しない鳥に多くて、通常の尾羽は飛行中のスピードを抑えるブレーキです。
⑤小翼羽が発達しているハヤブサ
羽の部類では、小翼羽が⑤の写真のハヤブサなどの猛禽類にとっては大事な羽だと思います。尾羽は迎角、面積を変えられ、安定とブレーキのような制御の働きをし、ツバメ、トビなど空中で急に方向転換の機能。雨覆は空気が逃げるのを防ぐ役割。小翼羽は翼を畳んだとき、最も前にくる部分で、手首に相当し、急旋回や着地のとき、失速を防ぎます。空中で獲物を探して、捕獲するタカの仲間には最も重要な羽だと思います。特に猛スピードで急降下するハヤブサには大事な羽です。
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